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覚醒の兆し

踏み外した瞬間に終わったと思った。

段差そのものは数段で大したものではなかったが頭を強く打ってしまった。

そして意識を手放した。


頭の中に不思議な風景が見えてきた。

とても高い建物、たくさんの見慣れない服を着た人に、馬が曳いてる訳でも無いのに動く鉄製の匣。手に持った小さな箱を耳に当てて何かを話している。

それにしても、随分目線が低い。そして横向きだ。

躯が動かない。人が近付いてきたが、私を診て首を振った。それをみた瞬間に全てを思い出した。

これは前世の記憶であり、前世の私は災害に巻き込まれ、手当てする間もなく死んだ。そして死の間際に願ったのは平凡に生きたいというささやかな願いだった。



眼を覚ますと知らない天井があった。

起き上がり、周囲を確認するとそこが病院で、階段を踏み外し頭を打ったため運ばれたようだ。

「平凡か…」

前世の自分が願った事をしっかりこの世界の神様は叶えてくれたようだ。

「神様ありがとうございます。」


ガチャ

呟きと同時に誰かが部屋に入ってきた。

「失礼しますねー」

看護師と目が合った。

「えっ?あっ?うぇ?」

看護師は言葉が紡げていない。

「せっ、センセー、かんじゃが目覚めてますよー」

言葉を取り戻した看護師は部屋を飛び出し、医者の元に向かって行ってしまった。

それから暫くして、医者を連れて看護師が戻ってきた。

「先生、ほら診て下さい。」

「分かったから取り合えず落ち着け」

医者の方は落ち着いており取り合えず安心である。

「少年、体に違和感とかはないかい?」

医者に言われて、特に問題は無かったので素直に首肯する。

「問題ないなら良い。念のため帰っても明日までは安静にするように!」

そう言うと、医者は部屋を出ていった。

「お大事に。」

看護師も後に続き出て行ったので、荷物の確認した。

スキル診断の神殿に行った時に持っていた物は全てベット横に置いてあった。なくなっている物は無かったので、荷物をもちあげ、病院の出入り口に向かって歩き窓口で精算を済ませ外に出る。


外に出ると既に夕方であった。相当眠っていたらしい。

病院は通りに面した場所にあった。近くには各種ギルドの建物、いろんな商店があり人もたくさんいた。

「きょうは遅いし取り合えず帰るか。」

そう呟き、宿屋のある方角へ歩きだす。

とある建物に近付いてきたところで人が多くなった。がっしりした鎧を身に付けた人や杖を持った魔術師、ギルド職員らしき人もチラホラ見える。

違和感はそんな時に気づいた。

「旨そうな匂い」

自分でもよくわからない事をくちばしってしまった。

きっと空腹が限界なんだろう。

急いで帰路についたのだった。


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