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彼女の負の感情を切れ

負の感情をぶち壊せ


目覚まし時計の音が部屋になり響く、私、萌川舞もえかわまい中学二年は目を覚ました。私はベッドから出ると部屋のカーテンを開けて体いっぱいに朝日を浴びてから壁にかかっている制服をとると着ていたパジャマを脱いで制服に袖を通す、部屋の西側にある本棚から本を一冊取り出すとカバンにいれる。

カバンを持って部屋を出て、階段を下りて洗面台に向かうと兄が身だしなみチェックをしていたので

「ごめんお兄ちゃん」

というと無口な兄は何も言わずに後ろに下がってくれたので軽く会釈して顔を洗ってから兄と場所を交換してリビングに向かうとお母さんが作ってくれた朝食を食べていると兄がつけていたのかテレビで「また本による殺人事件が起こっている」と言ったニュースがやっているが適当に聞き流して朝食を食べ続ける。

食べ終わったので食器を流しにいれるとカバンを持って玄関に向かうと靴を履いてと小さな声で

「行ってきます」

といってドアを開けた。


家から学校までは徒歩10分のところなので忙しい時でもゆっくりと歩くことができる。

カバンから本を取り出すとしおりを挟んでいたページを開いて読み始める。

この本は私が小学校4年生の時に死んだお父さんからもらった本でストーリーは世界の理不尽にたえながら友情を信じて戦うと言ったアクション小説で、昔からよく読んでいるがなぜかあきない。

ちなみに私の好きなジャンルは恋愛はもちろん、アクションや推理小説なども大好きだ。

本に集中していると物凄く早く学校についてしまう、私はため息をはいてから本にしおりを挟んでカバンにいれる。

下駄箱を開けるとドバーと手紙が一斉に出てくる。

これらは恋愛小説に出てくるようなモテモテ係主人公のようなものではない、これらは全部私のことを気に入らない女子グループから手紙だ。

私はため息をはいて手紙を近くのゴミ箱に全部捨てると二階の教室に向かおうとしたら後ろから騒がしい声が玄関中に響いた。

本日3回目のため息をすると後ろから肩を捕まれた、振り替えると派手な格好をしている女子生徒が4人のうちの一人、上中里(かみなか)さくらが私の肩をつかんでいた。

私は動じずに

「何か用があるの?」

というとさくらは君の悪い笑顔で

「きょうもたくさんのラブレターがあったでしょ、モテてるね」

というと後ろの3人もクスクスと笑っている、それでも私は動じない

「用はそれだけ、じゃあね」

といってその場から立ち去ろうとしたらまた肩を捕まれた、しかも結構強い力で掴みながらさくらは声をあらげて

「いつまでも、余裕こいてんじゃないわよ!」

と肩を強く引っ張って体を方向転換されてさくらと向き合うかたちになって後ろに思いっきり突き飛ばされた。

当然さくらと関わりたくないので私は後ろの勢いに体を任せて床に尻餅をつく。

これで満足して欲しかったのだが満足しなかったのか私の顔に拳を降り下ろそうとしてくる、私もこれには驚いて思わず目を閉じて攻撃に我慢できるように体を身構えた。

けれど身構えても痛みが全くない、恐る恐る目を開けてみると拳が誰かの手で止めている。

私は顔を上げてみると一人の男子生徒がさくらの拳をつかんでいる。

私は彼を知っている、彼の名前は広川文渡ひろかわふみと私のお隣のクラスの二年二組で私が所属している図書委員会の二年代表で本が好きすぎて授業中でも本を読み続けている問題児だ。

でもなんでここに?

と考えていると文渡君は感情のこもってない声で

「おい、うちの委員になにしてんの。ゴミどもが」

というとさくらは舌打ちをして逃げようとしたが手を強く捕まれていたので逃げることができなかった

そしたら後ろでほぼ空気になっていたさくらとよくつるんでいる取り巻きの一人が

「そろそろ離しなさいよ、さくらが嫌がってるじゃん」

というが文渡君は無表情で

「だったらうちの図書委員にもちょっかいかけるのもやめろ」

と言ってからさくらの手を離してから威圧をかけるような声で

「次手だしたら・・・殺す」

と言ってから文渡君はその場を後にした。

その流れに身を任せて私もさくらたちに何も言わずにその場を後にした。


時間が進み、二校時休みにいつもどうりに本を読もうと机の中にある朝読んでいた本を取り出そうとしたら本が机のなかにないのだ、絶対に机のなかに本をいれたはずなのに。

すると後ろから肩を叩かれた、振り向くとさくらとその取り巻きの三人が私の本を持って立っていた。

その本は

「私の本返しなさい」

と本を掴みとろうとするとさくらは本を上に投げる、本を掴み損ねた私は久しぶりに怒りが頭にきていた。

「いいから本を返しなさい!!!」

というとさくらは落ちていく本をキャッチすると悪意に満ちた笑顔で本を開くとポケットからカッターナイフを取り出して刃を少しずつ出すと思いっきり本を切り裂いた。

バラバラになったページが床に散らばる。

追い討ちをかけるように床においているページを取り巻きの三人が踏みつけて破る。

私のなかで何かが壊れた音がした。

一方その頃、舞が絶望しているときに舞の後ろの電柱に黒ずくめの男がその現状を楽しそうに眺めていた、その男はポケットからペンを取り出すと星を空中に描いて

「本に宿る負の魂よ、いまこそその力を見せろ」

と言葉を口に出すと空中に描いた星が黒く染まり舞にめがけて飛ばすと楽しそうに笑って電柱から飛び降りた。

黒ずくめの男によって飛ばされた星は舞の体に入ると心に根を張った。

その頃舞の体では異変が起こっていた。

なぜだか胸が苦しくなってきた、心臓の辺りが痛いし、頭がボーッとしてきた。それにめまいがすごい。

思わず膝をついて胸を押さえる、すると頭のなかに声が聞こえた。

「そいつらが憎いか、自分の大切な本を切り裂いたあいつらが憎いか」

とその声に私は聞いた

「あ、あなたは誰なの?」

「俺はお前が大切にしていた本だ」

私は息を飲んだ、私の本に意志が宿るなんてと驚いていると私の本は

「お前はあいつらをひどい目にあわせたいと思っているんだろう、俺があいつらをひどい目に合わせてやるよ」

とその言葉を聞いた瞬間、なぜだか口が勝手に動いた。

「あいつらをひどい目に合わせて」

というと私の本はその言葉を待っていたのか

「いいだろう、俺を傷つけたあいつらに裁きを」

というと強く胸が痛んだ、私は唸り声を上げた。

そして私の意識は黒く染まっていた。


隣の教室でとんでもないことが起こっているとき、広川文渡は先日買った本を読んでいた。

今回買った本はラブコメだ、俺の好きな本のジャンルは全てだ。

全てのジャンルの本を読むことで知識がいっそ入り込むとおれ自身が思っているからだ、あともう少しで読み終わると思っていたが本をいきなりとりあげられた、俺はその犯人を知っている。

俺のとなりにいる、このクラスの学級委員長である。

こいつは俺のとなりになってから授業をちゃんと受けろと読んでいる本を毎回取り上げてくる。

そして俺は毎回本を奪い取る。

毎回の茶番を終わらすとまた本のなかに入り込むが、校内放送の音で現実に戻される。

「緊急、緊急。二年一組で事件発生。生徒はただちに担当教師の指示で体育館に移動すること」

という放送だった、すると学級委員長が急いで席を立ち上がると走って教室を飛び出した。

何人か野次馬も学級委員長のあとについていった、俺も席をたって歩いて隣の教室に向かうと

隣の教室に着くと黒い繭のようなもので二年一組が包み込まれている。

それを眺めていると学級委員長がスカートのポケットからスマホを取り出して

「ライターオブジェクト起動。ID楓かえで

というとスマホが発光して学級委員長の体を包み込んだ。

光か薄くなると警察官の姿になっている学級委員長がいた。

スマホに文字を打ち込んで

「リアライズ」

というと彼女の手に警察で多く配備されているニューナンブM60が握られていた。

彼女は黒い繭に向かって銃口を向けてるとトリガーを絞った。

でもそれではこの黒い繭は破れない。

銃弾は黒い繭に飲み込まれていった、その後何回も撃ち込むが全く効かない。

すると学級委員長はまたスマホを取り出すと文字を打ち込んで銃身を撫でながら

「我、本の思いを繋ぐ物、今こそ悪に染まった本を祓う力を与えたまえ」

と解放呪文を唱えた。あ、こいつ弱いわ。

解放呪文とは自分のライターオブジェクトの力を引き出す呪文だ。

と解放呪文を唱えられたことで彼女が持っているニューナンブM60の回りに多くの銃が出てくると一斉発射したがそれでも黒い繭は破れていない。

俺はため息をして学級委員長のところまで歩いていくと

「そこをどけ」

というと学級委員長は

「やめなさい、あなたにはなにもできない。早く避難して」

というが俺はフっと笑ってしまった。

「何をいっている、避難するのはお前だ。それとお前作家の階級は?」

というと学級委員長は驚いたかおをして

「なんで知ってるの」

「いいから教えろ」

と言うと渋々と言った感じで

「c級よ」

「だよな、その弱さじゃその階級だよな」

というと学級委員長は向きになって

「あなたになにができるっていうの!なにもできないくせに」

俺はため息をするとポケットから文庫本を取り出すと学級委員長の方を向いて

「お手本を見せてやる」

と言うと本を上に投げて

「こい、モモ」

と言うと本が発光し出した、本が徐々に人型になっていく。

本は人型になると床に降り立った、その姿は5歳くらいの女の子だった。

モモはあくびをするとだるそうな声で

「なんじゃ、文渡。仕事か」

「あぁ、とっとと終わらすぞ」

と言うと俺のとなりにいた委員長は驚いた声で

「それってシャインだよね」

シャインとは悪意を持った本とは違い夢、希望などの陽の感情が宿った本だ、その本にも感情が宿り、人型になるが人を食べるないし作家にちからを貸してくれる。力は本のジャンルによってかわる。

俺はポケットに手を入れながら

「そうだ、こいつはモモ。推理小説のシャインだ。」

とはなしてからモモに

「モモ解析よろしく」

と言うとモモは後頭部を掻きながら

「はいよ」

と言うとモモは黒い繭に触れると

「厚さは3Oセンチ、武器などの攻撃は効かない」

といってくれたくれたので少し考えているとう隣にいた委員長は

「そんなそれじゃあどうすればこの黒い繭を壊せるのよ」

と情けない声で言った。

俺はその言葉を聞いて大きい声で笑ってしまった。

すると学級委員長は首をかしげて

「何がおかしいのよ」

とまた情けない声で言った。

俺は笑うのを我慢しながら

「そ、そんなの簡単だ」

といって繭に近づくと右手に力をほんの少し込める。

込め終わると右手で繭を殴る、がしゃんと気持ちのいい音をたてながら繭が壊れる。

ちょうど人が通れるくらいの穴ができたので後ろにいる委員長を手招きでよんで一緒に部屋に入る。


苦しい、痛い、痛い。私の心のなかにどんどんと負の感情が入ってくる。

体の感覚がさっきからないし、視界も暗い。

でも音と気配だけはわかる、泣き叫ぶ声と怯えている気配がする。

声の高さからさくらとその取り巻きの声だとわかる、いいきみだ私はお前らにさんざんな目にあったのだから、全員死ねばいい。

と思っているとがしゃんとガラスが割れたような音がした。

それと足音が二人、いや三人誰だろう。

でもそのなかでとても安心する気配がひとつだけある。



「なるはどな、A級か」

と呟きながら辺りを見渡す。

教室の後ろ側に三人、いや四人生徒がいてしかもその生徒は今日俺の委員にちょっかいかけてきた。たしか名前は上中里さくらだった気がするがそんなことはどうでもいい。

モンスターとこいつらの間に一冊の本があった、しかもカッターで傷つけられた傷もあるし踏まれたあともある、俺は息を長くはくと後ろにいる委員長とモモに

「モモ、作戦変更。そして委員長、被害者を拘束してくれ」

と一方的にいうとモンスターに近づく。モンスターは上中里さくらに近づいていく

通常なら人が近づくとモンスターは人間を補食するがこのモンスターは違う。

そうこいつは

「萌川だよな」

と言うとモンスターは動くのをやめてゆっくりと俺の方を見てきた。

俺にはその反応だけで俺が動く理由になった。

さぁ、負の感情に飲まれた本よ、俺がその思いをぶち破る。



次回もお楽しみに

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