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俺、女神に憑かれてます  作者: 塚田恒彦
六章 闇討ち編
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第四十五話 潜伏

 しばらく捜索していたが、全く足取りが掴めない。

 組合の冒険者達も警戒に当たっていてこれなのだから、隠れる技術はかなりのものをお持ちのようだ。



「ムーラン、そろそろノアを探そう。合流場所と時間を決めとけばよかったな」

「エリクさんが呼べば来そうですけどね。

 夜と言っても、深夜でもないですし大声で呼んでみては?」

「試してみるか。おーい、ノアー!」



 夜の街に声がよく響く、飛んでくるかと思い上を見上げるがどうにも来る気配はない。

 よく考えてみれば、飛んでくるときノアは結界を張って、人に見られない様にしているのだから見えるはずがなかった。

 数時間前に受けたものと同様の衝撃を、後頭部に感じる。

 振り向いてみれば、ノアがやれやれといった表情で、結界を解除しているところだった。



「もっと安全に降りられないのかノア」

「結界が球体なんだもの。こんな狭いところに降り立ったら、それはどこかにぶつかっても仕方ないとは思わない?」

「別の路地があるだろ。俺にぶつかるのを、ちょっと楽しんでないか?」

「そーんなことないわよ」



 機嫌の良さそうな夜ノアを寛容に受け止めつつ、俺は今後の策を練る。

 捜索中に何かあったかとノアに聞いたところ、一度それらしき嫌な気配を感じた時はあったらしい。

 しかし即座に攻撃するほどの確信は得られず、様子を伺ったそうだ。

 すると突然その気配が消え、人通りのある道を挟んでまた奥の路地へ移動したらしいのだ。

 そのことにノアが気付いた時には、また他の路地へ移動したのか、気配を見失ってしまったらしい。



「瞬間移動というのは、面倒ですね」

「そう。あの感じからすると、高速移動では無いわね」



 ムーランからすると、他にも様々な能力を見た事があるためか、そこまで驚きがなく。

 ノアからすると、自分の能力をいくつか思い出してきた中で、瞬間移動は割と許容範囲内な能力なのかもしれない。


 俺が共感できるのは、ただ対抗策が思いついていないことだけらしい。



「強くは無いと思いますけど、捕まえるのは難しそうですね」

「この辺一帯吹っ飛ばす、って訳にはいかないからな。

 おい、ムーラン。その手があったか、みたいな顔をするな」



 ノアが強大な力を持っているため、俺には範囲攻撃という選択肢を思考に置いておける。

 しかしここは市街地、確実に甚大な被害が出るので、この場面でその選択肢は有って無いような物だ。

 一気に一面を焼き尽くしでもしないと、いつまでも捕まえられる気がしない。



「被害を出さずに、一面更地にでもできないかしら」

「住居が密集しているからな。家にも人にも被害を出さずに、全体攻撃は無理がある……

 あぁでも、そうか」

「何か思い付いたんですか、エリクさん」

「ムーラン、操れる土の量は有限か?」

「このビルタ区を土の塊にするぐらいの量は動かせますが」

「十分だ。この市街地部分だけを土で潰すとしたら、どれくらいの時間がかかる?」

「10秒あれば可能かと」

「ちょっとエリク、さっきと言ってることが違うじゃない」

「規模がそのぐらいってだけだ。

 今から作戦を説明する、無理そうな点は言ってくれ。

 ノアにも協力してもらうけど、今回の作戦はムーランの働き次第になる」

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