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俺、女神に憑かれてます  作者: 塚田恒彦
四章 時空編
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第二十七話 時空

「ノアの知り合い?」

「知らないよ! でもエリクはリエイさんって自分で呼んでたたじゃない!」

「言った、さっき言ったな俺。でもなんで名前知ってんだろう?」



 さっきの会話の中で俺は、目の前でにっこりと笑っているこの女性をリエイさんと呼んだのは覚えてる。

 でも俺はこの人を知らない。



「ここじゃなんだし移動しようね」



 恐らくリエイという名であろうその女性がそう言うと、次の瞬間には森に立っていた。



「なっ……!?」



 魔法だろうか、何の予備動作も無く転移させただと?いや、今はそれを考えるべきではない。ノアの安全を確保すべきだ。



「ノア、落ち着いて。あの、あなたの目的は何ですか?」



 ノアは全く殺気を緩めようとしない。

 しかし勝てるかどうか分からない未知の存在に、攻撃ではなく警戒の姿勢で耐えているのは冷静さが残っていると言えるだろう。



「目的とかそんな大層なもんじゃないわよ~ノアが元気してるかなーって見に来ただけで交戦の意志は無いわ。多分決着つかないだろうしね~」



 信じていいものだろうか。

 確かに、さっきから頭の中をぐるぐるしていた考えが正しければすべての辻褄が合う。



「貴方はジルグラッド四楔の、時間と空間の神であるリエイさんですね?」

「あら正解。私自己紹介したっけ?」

「いいえ。でもコイツがノアって知ってるのは、ごく限られているので……」

「わ、私の事を教えてくれませんか!」

「ありゃ、急に普通の女の子になったねノア」



 そう言ってリエイはハハハと笑う。



「聞きたいのなら教えてあげようと思ってたし、いいよ。何が知りたい? なんで記憶が無いのかとか?」

「えーっと……」

「焦らない焦らない、時間はどうとでもなるからね」

「あーじゃあ先に俺が聴いていいですか?」

「いいよ。何?」

「あなたの名前を知らないのになんで俺は名前を呼べたんでしょうか?」

「あぁ、戻したからちょっとややしこしくなってるわね。もう一回『歩いてくる』わ」

「歩くってどこを」



 俺が言うより早いか、変化は突然やってきた



「どう?」

「あぁそういえば昨日会いましたね、っていうか変に一瞬だけ会った……あれ?えーと、俺は今思い出した。記憶をいじられたって認識で合ってますか?」

「記憶操作と言うとちょっと違う。時間操作。図書館で会う前に昨日の冒険者組合と酒場に一瞬だけ見に行ってみたの。時間移動でね。本を何ページか戻して一つの場面を読み直す。それが時間でできるってわけ。

 最初に会ったときは、時間移動でエリクと会話した私の姿を置いて来ちゃったからエリクの過去に私が現れた。それで混乱してるみたいだったから一回歴史から私を消したんだけど、また混乱しちゃってるようだったから過去に私を置いた状態に戻したの」

「じゃ、じゃあノアは? 最初に会ったときノアはリエイさんを知らないって感じでした」

「それはすぐ分かる。ノアが封印された時の話も今からノアに聞かれるだろうけどそこに関わってる」



 話している内にノアは聞きたいことが決まったようで、俺の後ろでそわそわしながら待っていた。

 ノアの謎は多いし、聞いてるうちにまた謎も増えそうだ。

 話が長くなりそうだと察知した俺は座れそうな岩を探して腰掛け、二人の会話を聞かせてもらうことにした

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