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狼の僕は森の主に目を付けられました。

どうも、ていんです。テストの最終日ですが、小説を投稿します。


前回はルミナスと別れる事になったシーンですね。

今回はどうなるのか?


それでは今回もどうぞ!!

僕の名前はウル!シルバーハウンドのウルです。名前はある少女がつけてくれました。


・・・つい先日別れましたが。


あの子の為だから仕方ないよね、あの子と僕は一緒に生きられない、シルバーハウンドは人を喰らうらしい。


大人になったら意識を保てなるかもしれないし・・・。


・・・とにかく、今は生きていくしかない。


まずは住処を決めようかな、ずっと異空間で寝るのもねぇ・・・。


◇◆◇◆◇◆◇


森の奥の方へ進む、とにかく奥へ奥へ。人が来ないようなところに。


でも、そこには小さな集落があった。


しばらく覗いてると後ろの木がガサッと揺れるのを感じた。


振り返ると木の上に一人の人間がいた。耳が尖っているのを見るに、エルフとかそんな辺りじゃないかな、ファンタジー世界ではテンプレな種族だよね。


「ああ、なんと美しき御姿、まさか銀狼の幼子をこの目で見る事が出来るとは・・・」


え?銀狼?どういう事?うわ、神に祈りのポーズ!?。


僕がワタワタしてると通りがかったエルフが続けとばかりに僕に祈りを捧げ、騒ぎは拡大していった。


そんな中、一人の少女がやってくる、やはりエルフだが、周りの金髪のエルフとは違い銀髪だ。


「銀狼はこちらですか!?」

「おお、巫女様、こちらです」

「!!」


少女は僕を見て驚いた顔になる、なんだろう?


『私の言葉が通じますか?』

(あれ?頭に直接?)

『嗚呼、やはり、貴女様は、本物の神狼フェンリル様なのですね、言い伝えは本当でした!』

(え?え?どういう事?)

『あ、失礼しました、私はリンダ、エルフの隠れ里の村長の娘、神様の使いである銀狼を保護し、銀狼の群れへ誘導する役割を担っております!』

(あ、えっと、もしかして僕の考えている事が伝わってる?)

『はい!!』


な、なんだか凄い所に来てしまったのかもしれない。


◇◆◇◆◇◆◇


話を聞いた限りでは、僕はシルバーハウンドではなく神狼フェンリルという神獣の一柱らしい。


そしてこの集落のエルフは昔から神狼フェンリルの使いである銀狼を守り続けているらしい。


更に僕の前にいる彼女、リンダは巫女と呼ばれる銀髪のエルフで唯一銀狼に言葉を伝える事が出来る存在らしい。


(つまり、君は銀狼と会話が出来るんだね)

リンダ『いいえ、銀狼との会話の場合、一方通行で、銀狼の思いを受信する事は出来ません、なので、私が出来るのは仲間の元への誘導のみです、しかし貴方は会話が出来る、これは銀狼よりも上の存在、神狼様だからこそ出来る事なのです』

(そっか、僕はシルバーハウンドじゃなかったんだね)

リンダ『シルバーハウンドは銀狼ともまた別の存在です、シルバーハウンドは群れからはぐれた銀狼が、魔素に取り込まれ魔物化した存在です、私達はそうならないように銀狼が群れからはぐれないように、群れからはぐれても合流出来るように日々見守っているのです』


成る程、銀狼は魔物ではないんだ。


リンダ『銀狼は聖獣です、魔物とは違います、あ、それは知っていますよね、失礼しました』

(いや、僕はこの世界に生まれたばかりみたいでね、わからないことだらけなんだ、そっか、じゃあ銀狼は人を襲わないの?)

リンダ『はい、銀狼はとても大人しく、人にも友好的な生き物です』


そっか、僕はシルバーハウンドでも、魔物でもないんだ・・・。


そう考えると、またあの子に会いたいな・・・。


◇◆◇◆◇◆◇


その後僕が森を歩いていると銀狼の群れを見かけた。


銀狼は僕を見つけると揃って頭を下げた。あー、うん、僕神狼らしいし、仕方ないといえば仕方ないのかな?


僕は群れに一礼して走り去った。


まず花畑に行ってみよう、もしかしたらまた来てるかもしれない。


僕は思いっきり走っていく。



花畑が見えてきた、でもそこには誰もいなかった。


あー、そっか、そうだよね、こっちはシルバーハウンドじゃないってわかってても向こうは知らないもんね・・・。


来るわけないか・・・。


わかっていても、寂しいな。


◇◆◇◆◇◆◇


僕はエルフの集落へ戻る途中、魔法の事を思い出していた。


あの時は無我夢中だったけど、突然魔法が頭に浮かんできたんだよね・・・、例えば防御魔法だったら・・・。


うわ、色んな魔法が頭に思い浮かんだ。これ全部使える魔法なのかな。


そうなのか・・・。なら!


◇◆◇◆◇◆◇


色々魔法を試してみた、攻撃に防御に回復に補助に、多種多様の魔法が使えてかなり興奮した。


ドラ◯エのルー◯みたいな転移魔法はなかったから雷の攻撃魔法を補助魔法で自分に纏わせる複合魔法で代用したけど、遠くまでは行けそうにないね。


でももしもの時には一瞬で敵の攻撃を避けたり出来るから緊急脱出用?としては使えそうだよ。


他にも、いつか背中に、あの子のような子を乗せる時、僕の速度で動いたら絶対乗っている人を傷つけてしまうから、それを守る為の保護魔法もある。本当に魔法って便利だね。


やっぱりというべきか、僕は全体にステータス?が高いみたい。魔力も高いみたいだから魔法を使い続けても全然疲れないんだよね。


エルフの村周辺に戻ってきた僕は、軽く探索をする。


そこには洞窟があって、その中に入ってみた。


かなり奥深くまで先があり、僕は洞窟探検気分で奥に入っていく。


(そういえば、病院に居た頃も、こんな冒険に憧れた事があったね、何があるのか、胸が踊るようなワクワクする冒険、まさか僕ができるとは思ってなかったけど)


僕はどんどん中へ中へと進んでいく。


だんだん暗くなってきたなー。


ついには何も見えなくなっちゃった。


ここはこれかな。


(『ライト!!』)


すると一気に辺りが明るくなった。


そして、僕は起こしてはいけないものを起こしてしまった。


『む?何者だ、我の領域に入ってくるとは、余程の怖いもの知らずと見受けるが』


頭に直接声が響いた。


僕の視線の先で何かが動く、というより視界を覆い尽くすような大きな物が動く。


それは首を持ち上げて、顔を僕の方へ向けてくる。


『ふむ、唯の小動物が我の眠りを妨げたと言うのか、愚かな』


それは、僕が居た世界では空想の生き物だった。


でも、誰もが知ってる伝説的な生き物・・・。


『決めた、我の眠りを妨げた罰として、我に食われるが良い』


ドラゴンだ・・・!!


◇◆◇◆◇◆◇


ど、どうしよう!!めちゃくちゃ怒ってるよぉ!!食われろって言ってるし!!


『抵抗はするな、一瞬で仕留めてやる』


ドラゴンが手を振り上げる、すると手が消える!


とんでもない殺気に僕は総毛立つ、これは避けれなかったら、死ぬ!!


僕は横に避ける!!


僕の居たところにクレーターが出来ていた。


『ほう?我の攻撃を避けるとは、なかなかやるな!!』


次が来る!!僕はさっき覚えたばかりの身体強化の魔法を全て使う、でもドラゴンの攻撃が見えない、とにかく!生きる為、全精神を研ぎ澄ます。


!!


僕は飛び上がった。僕がいた場所を風が通り抜けた。あのままいたらあの龍の腕で横薙ぎにされ、ミンチにされてたと思う、危機を脱して少し安堵して気が緩んだのかな、次のドラゴンの攻撃に僕は気づかなかった。


『ふっ、かかったな、死ぬがよい』


僕が飛んだ先にはドラゴンの口、僕にドラゴンの牙が迫る!


出し惜しみしてる場合じゃない!!


(『雷光!!』)


僕の体が雷に包まれ、僕は光の速度で動いた。


僕はドラゴンの腹の前に移動したところで魔法が解ける。


『何!?』

(『ブリージングクロー!!』)


僕の前足の前に大きな鉤爪が現れ、氷に包まれる。


僕はその爪でドラゴンを切りつける、その爪はドラゴンの鱗を容易に傷つけ、その傷を凍らせる。


『グッ!!まさか、我を傷つけるとは・・・』


だが次の瞬間、ドラゴンに与えた傷は一瞬で癒える。


僕は身構える、いつ攻撃を仕掛けられても避けられるように。


『クククッ、気に入ったぞ!!その様な幼い姿で我に傷をつけるとは、良いぞ!我は強き者が好きだ!』


さっきまで感じていた敵意がドラゴンから感じられなくなった。


『決めたぞ、汝を我の伴侶にする!』


・・・え?今、とんでもないこと言ってなかった?伴侶!?


『そうだ、我の伴侶、番だ!』

(ちょっと待ってよ、って通じてる!?)

『うむ、通じておるぞ?』

(と、とにかく、えっと僕は子供だし、それに種族も違うでしょ?だから)

『種族など関係ない、我は『異種交配』のスキルを持っておる、我が伴侶に求めるものは強さのみ、小さき身でその力を示したのだ、汝は我伴侶に相応しい、さあ来い、我と交わり、契りを結ぶのだ!』

(そ、そんな・・・そ、そうだ!ぼ、僕は男、そう雄だ!)

『ほう、そうか、ならば丁度良い、我は雌だ、益々汝を逃すわけにはいかんな』


ぼ、墓穴を掘った!!


そ、そうだ!ら、雷光なら!!


(『雷光!!』)

『無駄だ『雷光』、さっきは初めてみた魔法故に戸惑ったが、もうその手は通じぬ、観念して我の番となるが良い』


くっ!!


まさかのリアルで「ウルは逃げ出した!しかし回り込まれた!」が起こってしまうとは、あれなのかな!魔王からは逃げられないっていうあれなのかな!?


ど、どうしよう、こんなところで貞操を散らすわけには・・・。


あ!あれだ!!


ダメ元でこれを!!


(『光学迷彩!!』)

『なんだと!?』


僕の姿が光の屈折を利用した光魔法で見えなくなった。やった!後は魔力を抑えて逃げるだけだ!!


(さよなら、もう会う事はないかな)

『ま、待て!幼い強き者よ!』

(僕はウル、それじゃあね!)

『我は、我は諦めんぞ!汝は必ず我の婿として手に入れてみせるぞ!このノワールの生涯の伴侶として!!』


ドラゴンさんの名前はノワールさんでしたか。


◇◆◇◆◇◆◇


命辛々逃げ出した僕は魔力を完全に隠してエルフの集落に入り、リンダに会いに来た。


(リンダちゃん、ノワールって名前に聞き覚えは?)

リンダ『ノワール、ですか?・・・お父様なら何か知ってるかもしれませんね、少々お待ちください』


するとリンダは奥に入って行くと一人の男性を連れてきた、恐らくリンダのお父さんなのだろう。


「神狼様!!ノワールとは、古龍ノワールの事でしょうか!?」

リンダ「お父様、神狼様は古龍とはなんなのかと訊かれております」

「古龍とは、太古から存在する龍の神で、世界には十二体ほど存在するとされています、その殆どが人の寄り付かない場所で永遠に続く眠りに就いているそうです、古龍ノワールはその中の一体で、強き者を好む龍とされています」


強き者を好む、だから僕は求婚されちゃったのか。


「その昔は強き者を求めて世界を巡り、強そうな者を見つけては戦いを挑んでいたといいます、しかし古龍に立ち向かえる者は何処にもおらず、遂には他の古龍にも手を出した結果、何体もの古龍を死に追いやり、遂には古龍達による総攻撃で大きな傷を受け、とある場所で眠りについた、と伝承で伝えられています」


古龍を・・・そんな相手に気に入られちゃったんだ・・・。


「して神狼様、何故そのような古龍の名をお聞きなされたのですか?」


あー、やっぱり聞かれちゃうよね?


(でも言えないよね、たまたま入った洞窟の奥底に、たまたまその古龍ノワールがいて、起こしてしまった挙句、怒らせて戦闘、食べる宣言され、自己防衛の為に攻撃した結果ノワールに傷を負わせ気に入られ求婚され、今逃げ帰ってきたなんて・・・)

リンダ「そ、それは本当ですか!?」

(しまったー!リンダちゃんには僕が考えてる事伝わっちゃうんだったー!)

リンダ「本当、なのですね」


うう、やばいなー、今にもこの集落にノワールが来るかもしれないわけだし・・・。


リンダ「お父様!!大変です!!古龍ノワールが目を覚ましたようです!!」

「な、なんだと!?」

リンダ「その上、ノワールは神狼様を狙っているようです!!」

「何!?リンダ!今すぐ地下壕に神狼様をご案内しろ!なんとしてでも神狼様を守り抜くのだ!!」

(ちょっ!そんなわけには!!)

リンダ「わかりました!!」


するとリンダが僕を抱き上げると外に出る、その時だった・・・。


ノワール『婿殿よ!我が迎えに来たぞ!!さあ、今こそ我と契りを交わすのだ!!』


古き時代より存在する龍の神、古龍ノワールがエルフの集落に降り立った。

ウル君はとんでもないものに目をつけられてしまいましたね。


なんせ古龍、龍の神様の一柱ですからね。


さてウルは逃げきれるのか、それとも食べられてしまうのか(性的に)、乞うご期待!!


それでは次回もお楽しみに!!

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