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初めての友達と共存、出来ませんでした・・・。

はい、どうもていんです。


ウル「ウルだよ〜」


前書き後書きでは喋れるウル君です。但し他の登場人物が居ると途端に喋れなくなっちゃいます。


ウル「今日はあの人の登場だね」


そうだね。


さて色々と忙しくなって参りました今日この頃、それでも小説は続けたいていんで御座います。


それでは今回もどうぞ!!

朝、目を覚ました僕はまず異空間から顔を出し、安全を確認して外に出る。


さて、火を付けて・・・よし、肉を焼いて食べよう。



相変わらずゴブリンの肉は毒々しい色してる・・・。


でも美味しいから・・・。


勿体無いから食べる!


◇◆◇◆◇◆◇


朝からゲテモノを美味しく食べた僕は森の中を一人歩いていた。


歩いていると少し広い花畑に出た。日が差していてとても神秘的な光景だった。


その花畑の中心に花を眺める少女がいる。


可愛らしい6歳ぐらいの少女だ。


珍しく、髪の色が緑色の少女が僕に気付いた。


少女は目を輝かせ、僕の方は手を伸ばす。


「あ!わんちゃん!おいで!」


僕は言われるままにその少女に近付く。

少女は僕のワシワシと撫で回し、抱きしめる。


「わぁ〜、かわいい〜」


僕はその心地よいナデナデに目を細め、身を任せた。


「ねぇねぇ、ボクの名前は、ルミナスだよ!君の名前は?」

「きゃん?」

ルミナス「あ、そっか、ボク犬の言葉わかんないや・・・なんて呼べばいいんだろう?」


ルミナスは僕を膝の上に乗せて優しく撫でながら首をひねる、僕は尻尾を振りながらナデナデを甘んじて受け入れたままだった。


ルミナス「うーん、多分君は狼の子供よね?確か古代ファルミラージ語でウルフっていうんだ!だから・・・じゃあ君の事はウルって呼ぶね!」

ウル「きゃん!」


そして、僕は少女によって第二の名前を与えられた。


◇◆◇◆◇◆◇


僕は毎日少女がやってくる花畑に赴いた。


何故か彼女の事が気になって仕方がない。


ルミナス「ねえウル?ボクは君と会えて本当に良かった、初めて出来た友達だから」


彼女も毎日僕に会いに来た。

ルミナスから色んなことを聞いた、この世界の事、この世界はやっぱりファンタジー世界だった。

魔法使いが一番偉い世界だという、その中でルミナスの家系は代々有名な魔法使いを産出してきた名家なんだとか。


ルミナス「でもね、ボク、魔法がうまく使えないんだ、簡単な魔法は使えるんだけど、複雑な魔法になると全然使えないの、妹は私より凄い魔法を使えるんだ!」


そのせいで、ルミナスはその家族から出来損ない扱いされているらしい。


そうか、ルミナスは、僕と一緒なんだ。

僕と同じ、一人なんだ。

だから僕は彼女の事を気になって、違う、守りたいと感じているのかもしれない。


同じ仲間の彼女の事を・・・。


◇◆◇◆◇◆◇


そんなある時、僕とルミナスの間を引き裂く出来事が起こった。


僕がいつものようにルミナスのところへ向かった。


ルミナスもいつもと同じように花畑にいた。


僕はルミナスの方へ駆け出していく。だが次の瞬間。


ウル「!?」


僕のおでこに突然痛みを感じた。


ルミナス「ウル!?」

「へへへ、最近お嬢が楽しそうに外に行くもんだから、付いて来てみれば、こんな所で魔物の餌付けをしてたなんてな」


木陰から男が一人でて来た。


「だが、俺の魔法でおでこに切り傷が出来るだけだとは、魔法耐性のあるシルバーハウンドなんざ初めて見たな、捕獲して売り飛ばせば一体いくらになることやら」

ルミナス「逃げてウル!!」


僕が本気を出せば・・・この人間は一瞬で殺せる・・・。


でも。


僕は相手とは反対方向に走り出した。


「あ!待てゴラァ!!」

ルミナス「ダメ!!」


ルミナスが男の前に立ち塞がる。


「・・・邪魔するな、だいたい俺はてめぇの支持に従う筋合いはねぇ、アストラル家の出来損ないが!」


すると男がルミナスを横に殴り飛ばした。


・・・よくも!!


ウルは足を止めて、振り返る。


「お?なんだ?大人になった時の餌を傷付けられて怒ったか?」


・・・ふざけるな。


「シルバーハウンドはなぁ!大人になったら仲よかった相手でも喰い殺す最悪な魔物なんだよ!!てめぇもそうなるんだ!!だからやられる前にやるんだよ!!」


男が魔法を唱える。


「****、*****!!『ウィンドブレイド』!!」


今度は見えた、不可視の風の刃だけど、魔力かな、緑色の刃に見えている。


僕はそれを前足で弾いた。


「何!?」


ルミナスを傷付ける奴は、許さない。


風の魔法を使ってたな、僕も使ってみよう。


ふと僕の頭に一つの魔法が思い浮かぶ。


(テンペスト)


その瞬間、男を中心に竜巻が巻き起こる。


「ぐあああああぁぁぁぁぁぁーーーー!!」


僕はその中に飛び込み、前足で男の首を掻っ攫った。


男は声も出せず事切れた。


ルミナス「う、ウル」


ルミナスの目には返り血を浴びた、男の首を咥えた狼が映っている事だろう。


もう、僕はルミナスの側に居ない方がいい。


僕は男の首を放り、森の方へ走り出した。


ルミナス「ウル!?待って!!ウル!!」


ルミナスの声も振り切って、僕は森の中へ姿を消した。


ルミナス「ウル、お願い、行かな、いで、ボクを、一人に、しないで」


ルミナスは涙を流し続けた。


ウルも泣いていた。


初めて感じた温もり、初めての友達、でも、やっぱり僕は厄介者なんだ。


ルミナスは人間で僕は魔物、一緒には居られないんだ。


僕は、シルバーハウンド、あの男が言ったことは本当なのだろう、なにせあの男を殺した時、僕は何も感じなかった。


それが恐ろしく怖かった。

大人になったら、僕はルミナスでさえも何のためらいも無く、食べる為に殺してしまうのではないかと考えると恐ろしくて震えが止まらない。


だから、やっぱり僕は、一人で生きるしかないんだ。


◆◇◆◇◆◇◆


ボクの名前はルミナス・アストラル、アストラル家の四女、アストラル家は名家中の名家で、世界各地に存在する偉人の三分の一はアストラル家の人間だそうです。


それほどの一家に生まれたボクだったけど、魔力は中の下、魔法は中級どころか下級でさえ使える魔法が限られるという落ちこぼれっぷりだった。


それ故、家にボクの居場所はなかった。

優しくしてくれた姉達や兄達もボクが落ちこぼれだと知った瞬間見下した顔になった。

一番辛かったのは母の反応だった。

ボクが視界に入ると汚物を見た顔になる。


ボクは寝る時以外は家を離れた。


毎日秘密の場所で過ごした。


そんなある日にボクは運命的な出会いをした。


茂みがガサッと揺れ、その中から可愛い銀色の狼の子供?が出てきた。


狼の子供はボクを見てキョトンとしていた。ボクがその子を呼ぶとボクの方まで来てくれた、可愛い!


「ねぇねぇ、ボクの名前は、ルミナスだよ!君の名前は?」

「きゃん?」

ルミナス「あ、そっか、ボク犬の言葉わかんないや・・・なんて呼べばいいんだろう?」


抱き上げて、抱きしめて頭を撫でると尻尾を振って喜んでくれた、あったかい。


ルミナス「うーん、多分君は狼の子供よね?確か古代ファルミラージ語でウルフっていうんだ!だから・・・じゃあ君の事はウルって呼ぶね!」

ウル「きゃん!」


古代ファルミラージは大昔魔法がなかったという時代の事だ、ボクはそうしてウルの事をウルと呼ぶようになった。


ボクこうしてウルと出会った。


ボクが次の日花畑に行くとまたウルが来てくれた。


ウルは毎日会いに来てくれた、ボクに会いに来てくれてると思うと嬉しくて胸がいっぱいになった。


毎日遊んだ、時にはボールを持ち出して投げて遊んだ、楽しかった。こんなに楽しかったのは初めてだった。


やがてボクは毎日ウルの事をばっかり考えるようになってた。


はぁ、ボクも狼の子供だったら良かったのにな〜。そしたらウルともっと遊んで一緒に暮らして、ゆくゆくはウルのお嫁さんに・・・って何考えてるの!?


でも、それもいいかも。


異種族だというのに、言葉も通じないのに、絵本で読んだ王子様とお姫様みたいな恋心を感じ始めていた。


ボクがお姫様でウルが王子様、ああ、それ、いいな〜。


いつの間にかウルはボクにとって一番大切なものになっていた。


でも・・・。


◆◇◆◇◆◇◆


ボクはいつものように家を抜け出して花畑に向かう。


その時ボクは気付いていなかった、つけられていることに。


いつもと同じように花畑で待ってるとウルが走って来ました、でも次の瞬間・・・。


ザシュッ!


ウルのおでこが裂け、血が流れる。ボクの頭が真っ白になった。後ろから聞こえる足音にハッとして振り返る。


ボクの後ろから、アストラル家に雇われている用心棒が出てきた、私はつけられていた。


ボクはウルが怪我するのを見て、血の気が引いた、たった一人の友達がいなくなってしまうと思って・・・。


男はウルを殺す気だった、このままじゃウルが殺されてしまう、親友が殺される・・・!!


ボクは叫んだ、逃げて!!って、それに答えてウルは逃げ出す。そしてボクは、男の足止め、男の前に立ち塞がる。


男はボクに一切興味がなく、ボクは殴り飛ばされた。痛い、でもウルが傷付いた時に比べたら、痛くない!


守ろうと顔を上げると、男とウルは対峙していた。


次の瞬間、ウルから途轍もない魔力が吹き出し、その魔力は男のものと比べ物にならない風の魔法、竜巻を生み出した。


ウルはその竜巻に突っ込んだ瞬間、竜巻は消え、男は死んでいた。ウルによって首が食い千切られていた。


ウルへ視線を向ける、返り血で綺麗な毛が汚れてしまっている。ウルは悲しそうな目をボクに向け、ボクに背を向けて走り出す。


ルミナス「ウル!?待って!!ウル!!」


ウルはボクの制止も聞かずに走る、追いかけようと立ち上がろうとするが、足に力が入らない。


そうしてる間に、ウルの姿は消えていた。


ボクの目から大粒の涙が溢れる。


ルミナス「ウル、お願い、行かな、いで、ボクを、一人に、しないで」


行かないで、一人にしないで、その言葉が頭を埋め尽くす。


ボクは、こうして、掛け替えのない、一生に一度の親友をなくした。


その後、ボクは家を出る事を禁じられた、既に男の報告は家に届いていた。


それからすぐ、ボクは魔法学園の寮に放り出された、学費と寮費だけは出してやると、ボクは家から追い出される事になった。


結局ボクはもうあの秘密の場所には行けなかった。


ウルに会いに行く事は出来なかった。


初めての友達であり、親友であり、初恋の相手であるウル、もう一度だけ、会いたかった・・・。

という事で・・・主人公の種族はシルバーハウンドの亜種でした。


ウル「シルバーハウンドって、凶暴な魔物なんだよね」


凶暴だけどあんまり強くないしね、君は亜種だけど。


と冗談はさておき、皆さんもウルはシルバーハウンドというただの魔物ではないと言うことはお気付きとは思いますが、次回あたりで主人公の種族が判明します。


という事で次回もお楽しみに!!

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