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自殺した僕は犬になって逞しく生きます。

早速新作を書いてみましたていんです。


「こんにちわー、主人公です、名前はまだありません」


あるよ?あるけどまだ出してないだけだよ?決して元の世界での名前を考えてない訳ではないよ!?


そんな訳で、一話目です!


それでは今回も、どうぞ!!

僕はいつも一人だった。


生まれつき身体が弱く、直ぐに病気を引き起こしてしまう僕は物心つく前から病院のベッドの上で生きてきた。


物心ついた時、僕には母親しかいなかった。

父は病弱な僕を見て母さんと僕を切り捨てたらしい。


病院で母さんと逢うたびに。


「ごめんね、私のせいで、ごめんね」


いつも僕に謝罪してくる。


謝りたいのは僕の方なのに・・・。


母さんは父がいなくなった後、がむしゃらに働いていた。


僕は自分自身に怒りが湧いた。


でもどうする事もできなかった。


もう、一層の事僕がいなくなってしまえばいいんじゃないかとも考えた。


そんな考えが僕に浮かぶようになってから、事は起きた。


母さんが交通事故で亡くなった。


信号で止まっている時に信号を無視したトラックが母さんの車に突っ込んだ。


トラックに潰された母さんは即死だったそうだ。


僕は絶望した。


自殺を決意する程に・・・。


◇◆◇◆◇◆◇


屋上。


ナースや医者の監視を振り切って僕は屋上に出ていた。

フェンスがつけられてあるが、一部自殺した他の人の跡なのかフェンスが登りやすいように凹んで足場になっている所があった。


僕は腕についた点滴の針を引き抜き、フェンスを登る。


地上を眺めると足がすくんだ。

でもその先に行けば、楽になれると自分に言い聞かせ、フェンスの外に出た。


その時、屋上の扉が開いた。


「な、夏樹君!!何してるの!!」


ナースのお姉さんが飛び出してきた、僕の担当の看護師だ。


「今まで、ありがとうございました」

「夏樹君、声が・・・ま、待って!」


その言葉も振り切り、僕は背中から飛び降りた。


母さん、今会いに行くよ。


◇◆◇◆◇◆◇


僕は生きていた・・・のかな。


目を開くと辺り一面木ばっかり、森の中にいた。


「・・・クォン?キャイン!?」


声が、犬みたいになってる!?そういえば、視界が妙に低くなったような・・・。


あれ?身体が軽い、簡単に立てる。

でも僕は四本足で立っている。


足を見てみると銀色の毛で覆われていた。


(ちょっと待ってよ)


自分の体を見ようと色々試すが、その途中・・・。


(ん?ナニコレ?凄く気になります)


尻尾が気になって追いかけようとする、よくワンコがする尻尾を追ってグルグル回るやつだ。


(って、完全に犬だよ!)


ジタバタしてると近くに湖が見えた。


湖を覗くと、水面に銀色の子犬が映し出された。


(うわ、本当に子犬だ・・・どうなってんだろこれ)


思い浮かぶのは最後の景色、屋上から飛び降りたのが引き金になったのは間違いない。


だとしたら死後の世界、いや、転生?とかかな。


というかなんで犬の姿になっちゃったんだ!


僕は地団駄を踏む、すると土煙がボンッと上がった。


「けふっけふっ」

(うー、これなんなんだ?)


土煙が晴れてから地面を見ると、そこには僕の犬の足サイズの穴が空いていた。


可愛い肉球がクッキリだ。


(こ、これ、僕がやったの!?)


今度は試しに足で水面を叩いてみる。


ザバーンッ!!


水が打ち上がる、水が殆ど空に浮き上がり、やがて空中に上がった水は湖に向かって降り注ぐ、だがその湖には僕の肉球サイズの穴が空いて、水はその穴に吸い込まれていった。


(・・・あ、飲み忘れちゃった)


取り敢えずここに居ても何も出来ないから移動を始める、不思議な事に、初めて動かす体の筈なのに、まるで元からこの体だったかのように軽やかに動けた。


試しに走ってみる。

地を蹴って飛び出す、遠くにあった筈の木が一瞬で目の前に迫ってきた。


当然僕は止まり切れず、木にぶつかる、その木は簡単に折れて、僕の勢いを止めるには至らなかった。

それどころか痛くも痒くもない。


(・・・なんだよこれ、子供の犬なのになんて身体能力なんだ・・・)


◇◆◇◆◇◆◇


最初のうちは目が速度についていかないから、少しづつ速度を上げていった。


そうして行くうちに身体自体が速度になれたのか、急加速しても問題なく行動できるようになった。


子犬の癖になんてポテンシャルだ!


そうやって移動していると、変な生き物を見つけた。


緑色で泥だらけの汚らしい小鬼みたいな生き物だ、これ、本とかに書いてあるゴブリンとかいう魔物?だよね?


ちょっと待ってよ、これって異世界?ファンタジー?絶対夢だよねこれ!!


僕が驚いているとゴブリンがこちらに気付いた。


獲物を見つけて喜びの顔をする化け物、僕は完全にビビってしまっていた。


ゴブリンが棍棒を手に持ち、僕に迫ってきている。

僕は恐怖で動けない、ゴブリンが目の前までやってくる。


遂に棍棒を振り上げた。


(あああああああああぁぁぁぁぁぁーーー!!!!)


僕は足を振り上げ、ゴブリンの顔を殴る。


グチャッ。


僕が恐る恐る目を開けると首から上が無くなって即死しているゴブリンだったものと、ぐちゃぐちゃになって向こうの木にぶつかって落ちるゴブリンの頭部があった。


こんなグロテスクな光景なのに僕は特に何も感じなかった。


僕はもう、人間じゃないんだと感じた瞬間だった。


◇◆◇◆◇◆◇


空腹に耐えきれなかった僕はゴブリンの死体を生のまま貪った。


うう、腹壊さないかな?


それにしても、今のこの体、チートもいいところだ。

子供姿でこの力、大人になったらどうなるんだろう。


もしくはこれで成体とか?いや、それはないか。


それより、僕はこれからどうすればいいんだろう。


まず食料の確保、出来ればさっきのゴブリンみたいなゲテモノを食べるのは勘弁願いたい。

美味しかったけど、それはそれでショックだよ!!


てか焼いてない肉を食べる事自体嫌だよ。


そうだ、木のみとか!


僕は上を見上げる、なんと!そこにはリンゴのような実が沢山生っている!!


僕は飛び上がり、一つ咥える。


ラッキー!頂きます!


カブリッ!


・・・美味しく、ない。


っ!!てか不味い!何これ!リンゴなんかじゃない!!


か、体が焼けるように熱い!

い、痛い!


痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い


【ポラの実】

大昔、魔法がなかった時代、人間が弓矢で獲物を狩っていた時代、鏃に塗る毒としてポラの実の果汁を使っていた。

ポラの実はその果実一つで龍を殺す事が出来る事から【龍殺しの実】とも言われている。

尚、ポラの実の毒は熱に非常に弱い為、熱消毒で食す事は可能だが、味は恐ろしく不味く、食用として用いられる事はない。


◇◆◇◆◇◆◇


・・・白い世界だ、でも、なんだか暖かい。


「ん、目覚めましたか?」


なんと、僕は謎の美しい女性に抱きしめられていた。

誰?


「秘密です、謎の美女って素敵じゃないですか?」


わけがわからないよ。


それにしても、あの実はなんだったんだろ、毒があったのかな。


ああ、そうか、僕はまた死んだんだ・・・。


「いいえ、死んでいませんよ、流石は『ーーーー』ですね」


え?何?聞こえなかったよ。


「そうでした、あなたは自分で気付かないといけないですね、それではまた会いましょう、可愛い子犬ちゃん」


あれ、眩し


◇◆◇◆◇◆◇


目を開くと口を開いた蛇がいた、大きい!


僕は咄嗟に手を振り上げた、蛇の頭が吹っ飛んだ。


わあ、びっくりした。僕はまだ生きてるね。


ん?何か夢を見てたような・・・思い出せないってことは重要なことではないってことだよね。


それにしても、あ、あったこの実、一体なんだったんだろう。


これどこからどう見てもリンゴなんだけど・・・。


・・・あ、今思うとヤバイ匂いしてる。


はあ、それにしてもお腹空いたなぁ・・・。


・・・火が使えたら・・・。


手があれば本で書かれてた火起こしができ・・・ん?手が無くても・・・火起こしする方法。


今の僕の力なら・・・。


カチンッ!!


おお、軽く歯を噛み合わせただけで火花が散った!



さて、火起こしに必要な素材を集めた、気を細かく砕いた木屑と薪を集めた。


まず火種を作って・・・ガチリッ!!


ついたついた!


火種を薪に移して・・・。


風を送り込んで・・・やった!火がついた!!


後は消えないように薪を用意しておいて・・・これでよし!


これで肉を焼けるね!


◇◆◇◆◇◆◇


近くに豚が通ってくれてよかった、お陰で食事にありつける。


え?豚は二本足で立たない?


・・・うん、そうだよ、オークだよ。


せっかく忘れてたのに台無しだよ!!


だって豚は豚でもオークだよ!?よく女を攫って〇〇にする気持ち悪い生き物だよ!!


はあ、とにかく熱消毒だ!!

焼けろ!!


うーん、元はアレだけど、焼けるといい匂いだね。


さっさと焼いてしまおう。



お、焼けた焼けた。


まずは一口、ガブッ!!と。


うまっ!!これは美味い!!でもこれは調味料があったらもっと美味かったよね・・・。



ふぅ、腹一杯だ。


あれ?腹一杯になったら眠く・・・、ってこれ子供だよ!!


でも、逆らえない・・・。


◇◆◇◆◇◆◇


ふぁー、よく寝た。


あれ?何か夢を見てたような・・・あ、デジャビュ?


まあ、どうでもいい事だよね。


あ、火が消えてる・・・でも大体火の付け方がわかったから問題はないかな。


生活はできるね・・・一人で・・・。


やっぱり、一人は、寂しいな・・・。


でも、あの時とは、まだ違う、僕は、自分の力、で・・・。


お母さん・・・。


自殺した後、また会えると思ったのにな・・・。


◇◆◇◆◇◆◇


数時間して立ち直った僕はまず森を探検することにした。


調査は大切だと昔偉い人が言ってました!!


調査調査!


あ、リンゴみたいな実、あれは毒だ。無視無視。


今度は苺?うー、毒が怖いけど、食べようか。


うー、パクッ・・・お!甘い!葡萄みたいだ!


んー、毒は・・・ないかな。


【コロの実】

小さく赤い果実、大昔から貴族、王族に好まれて来た果実。

とても希少な実で見つける事とても難しく、また人工栽培にも向かず、野生のものを探すしかない。

故に高級な果物として貴族や王族が依頼を出す事がよくある。


それにしても群生地でも見つけたのかな?苺?葡萄?わからないけど沢山実が生ってる。


ちょっと集めておこうかな。


◇◆◇◆◇◆◇


びっくりした!保存できないかなと穴を掘ったら突然黒い穴が開くんだもん。


えっとまず足を突っ込んでみる、うん、かなり広い空間だね。


試しに木の棒を入れてみる。すっぽり全部入った。


今度は出してみよう、棒の事を思い浮かべて空間に足を突っ込む、あ、あった!引っ張り出すと木の棒がある。


じゃあ今度はこの・・・もう苺でいいよね、苺を出し入れしてみる。


うんうん、いいね。


えっと異空間保存かな?ファンタジー的に・・・。


もっといろんなことできないかな?


◇◆◇◆◇◆◇


まず異空間保存は僕が思った時にいつどこでも僕の周辺数メートル以内なら物を出し入れ出来るみたい、あと生き物以外はだの大きさでも入るみたい、例えば岩とか。でも生き物は僕以外はダメみたい。


でも、なんで倒したゴブリンやオークの肉片が異空間に入ってたんだろう。


まあいいや、それに、これを使えば夜も安全に寝れる!寝てる間に襲われたらこのハイスペックな体でもひとたまりもないからね!!


でもまあ、食料もあるし、今日は寝ようかな。

さて、どうだったでしょう、最初の一話目です!


「ねぇ、僕名乗っていいかな?名乗っていいよね?」


ダメです、一応君の名前は近いうちに出るから。


「そっか、まあいいけどね」


そんなところで今日はここで終わりです、『日常を千変万化に染めて』もまだまだ書いていきますのでよろしくお願いします!


それでは次回も、お楽しみに!!

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