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あるある!!  作者: musasa-bi
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第一話

「じゃあ佐高くんの席は・・・そういえばあそこが空いているわね♪」

そう言って少し小柄な先生が笑顔で指さしたのは、一番後ろの空席。

不自然な場所に席が空いているものだと思ったのもつかの間、隣にいたのは見覚えのある顔だった。

「あ、君は!」


 十五分前、俺、佐高啓孝は今日から新しく通う高校に向かって歩いていた。

父の転勤で嫌々転校した俺だったが、新しい制服、新しい道、早くも期待に胸が膨らんでいた。当然新天地での生活に不安もあったが、今はそれよりも新しい毎日への期待が勝っていた。

どんなクラスだろうか、ちゃんと友達が出来るのだろうか、そんなことを考えながらも、時計に目をやる。

「あれ?もうこんな時間だ!」

 思っていた以上に時間は進み既にチャイムが鳴る五分前だった。足を速めるとふと十字路にさしかかった。

 ドンッ

人にぶつかり勢いよく尻餅をつく。軽い痛みに顔を歪めながらもぶつかった相手へ慌てて言う。

「大丈夫ですか?」

 そう言いながら立ち上がった僕はぶつかった相手に手を差し出す。

ぶつかった相手は俺が転校する学校の制服を着ていた。黒いセミロングの髪の隙間から見えた顔はまさしく美少女といった具合だった。透き通るような肌、整った目鼻立ちに俺は思わず、頬を赤らめる。

「大丈夫です・・・」

 そう言って彼女は恥ずかしそうに僕の手を取って立ち、スカートについた小石を払うと学校の方へかけて行った。


 まさか朝ぶつかった相手の、しかも美少女の、隣の席になるなんて!

 どこかで見たことのあるアニメのようだ!と顔が綻ぶ。

 綻んだままの顔で彼女に挨拶をする。

「朝はごめんね。よろしく!」

 よし、つかみはこれでオッケー!と心の中でガッツポーズをする。

 しかし、彼女は俺とは対照的に寂しげな表情をで、

「・・・よろしく」

 この一言だけでそれから目も合わせようとしなかった。

 朝出会った時とはまるで違う彼女の表情に俺はなにか不吉なものを感じずにはいられなかった。


 一時間目が終わり転校生に興味深々なクラスメイト達が一斉に質問攻めを始めた。

「どこから来たの?」

「前の学校では何の部活やってたの?」

 そんなお決まりの質問に笑顔で答える俺だったが、その心は隣で静かに、まるで自分は全く無関係と言わんばかりに読書をしている彼女にくぎ付けだった。

 帰りのホームルームも終わり帰ろうと席を立つと、担任の女教師が言った、

「千草君!佐高君に学校の案内をしてあげておいてね♪」

「了解ですサー!」

そう言って千草と呼ばれた生徒がふざけ気味に立ち上がる。

「よろしくね♪」

先生は朝見せた小悪魔的な笑顔で返した。その生徒はデレデレと頷き席に座る。

「みんなも佐高君に学校のこと色々教えてあげてね♪」

 みんなもこの先生のノリに慣れきっているようで、慣れた様子で各々返した。

 帰りのホームルームも終わり帰ろうと席を立つと、先ほどの千草と呼ばれた生徒が近づいてきた。

「今時間ある?」

俺は頷く。

「俺は千草政信。みんなにはのぶって呼ばれてて・・・っとそんなことより、学校案内するけど行く?」

「今日は何もないしお願いするよ。」

「じゃあ決まりだな!」

「よろしく。のぶ!」

そう言って笑ってみせると、のぶも笑って、

「なんて呼べばいい?」

「前の学校では名字で呼ばれてたからな・・・」

「じゃあさたっちにしよう!よろしくさたっち!」

そう言って笑う彼はとても愛されるキャラなのだと思った。

「まず初めに図書館・・・いや保健室か?」

 などと、呟きながら彼は学校の設備を紹介していく。

「保健室の先生もこれまた美人で・・・」

 こいつ女教師の話しかしてないぞ。 

あらかたの場所を説明し終わったのぶは言う、

「これで終わりだけど聞きたいことはある?」

「特にないよ。大体わかった。のぶが無類の女好きだってことはな」

「なんでわかった!?」

 こいつ自分で言ってたことに気づいてないのか・・・

「あ、それはそうとして・・・」

「それでいいんだ!」

「まぁほんとだしな!で、若月さんのことなんだけど・・・」

「若月さん?」

「ほらさたっちの隣の!」

「あぁ!若月さんっていうんだ。」

「最初席に着くとき何か喋った?」

「話しかけたんだけどよろしく、としか言ってくれなかった」

「応えてくれたんだ!めずらしいな」

「そうなの?てっきり嫌われたのかと・・・」

「そんなことないよ!むしろ好かれてるまである」

「なんでだよ!」

「若月さん美人だからよく話しかけられるんだけど、その結果は惨憺たるものでさ。今じゃあ誰も話しかけいんだよねぇ」

「そうなんだ!なんか理由でもあるのかな?」

「俺もわかんないんだ。すまん!」

「いやいや少し気になっただけだから。」

そうして校内を一通り回った俺たちは別れを告げそれぞれ帰宅の途についた。


読んでくださりありがとうございます!初めての投稿なので、直したほうがいい点などございましたら、コメントください!

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