どうしてほしいんだよっ!!
疑問がある、ありすぎて頭がついていけない。
疑問一つ目、このすごく大きい鳥。真っ黒な子だ。
…化物さんかな?
だって、すごいでっかいんだもん。人間だった時、こんな鳥見たかはわからん。…記憶ないんだもん。
だから、この子の正体は保留。気になるけどね。
二つ目は、このバリアー。すごく綺麗に輝いている。
守ってくれているのだろう。それはありがたい。
だが、気になるのは、このバリアーがどうして発生したのかだ。
私が無意識に発生させたのか、誰かが発生させたか。
一番有力なのは、私が無意識に発生させた、という考えだ。
理由は、この真っ黒君と私が以外、近くに誰もいないからだ。何でか、なんとなくわかる。これが、野生の勘というものなんだと思う。すげー。
_____バシッバシッバシッ
まずい、いつあの子がバリアーを突破してくるかわからない。今のうちに逃げた方が良さげだな。
走れ!私!風のように速く!!
_____ガァガァガァ
だーいぶ、あのバリアーに苦戦してるようだね。バリアー様様だよ。
_____ギャァァァァァ
!?
ど、どした〜?真っ黒君〜?大丈夫〜?
思わず立ち止まっちゃったじゃないか!
_____ギャァギャァァァギャァァァァァ
助けを求めてるようにしか聞こえないんだけど…
や、やめて!心配になるから!
振り返りたくなるから!
『助けて!助けて!!』
え、何!?助けてって聞こえるんだけど!?
___ギャァァァァァ
『助けて!!』
これって、まさか…
真っ黒君!?
_____フルルルルル
えっと、どちら様?
意を決して振り返る。
そこには、灰色に馬のようなカタチをした【何か】がいた。
【何か】は真っ黒君に何度も突進している。
真っ黒君体の自由がきかないようで、されるがままに突進されている。
突進される度に真っ黒君は鳴き叫ぶ。
私は、助けに行こうと思った。
だが、できなかった…。
助けに行ったら、私が真っ黒君と同じ目に合うのではないかと、恐怖が押し寄せてきたからだ。
体が震える、抑えようとしても、どうしても震えてしまう。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
目の前で起こっている事は、この世界で普通の事なのかもしれない。
そういう考えが、私の恐怖を煽る。
震えている間に、馬のような【何か】が私に気付き、こっちを向いた。その眼は、確実に私を捉えている。私は、こっそり真っ黒君を見た。ぐったりはしているが、生きてるようだ。
真っ黒君が生きてることにひとまず安心する。しかし、安心している暇なんてない。
私は、震える足をなんとか動かして、ゆっくり後ずさりする。【何か】が一歩近づいてくる。
どうしよう、逃げるしかない。けど、私が逃げたら、真っ黒君にまた攻撃するかもしれない。たとえ、相手が死にそうになっていても、きっとあやつは容赦しないだろう。
どうすればいいの?どうしたら、真っ黒君も助けて、私も逃げれる?
_____パカラッパカラッパカラッパカラッ
考えてる間にあやつが突進してくる。避けきれない…!
_____バンッ
そこには、綺麗な緑色にバリアーがあった。
ありがとうございました!!