十四話 恋の辛さ、恋の幸せ
あの事件から翌日と言ってもまだ夜が明けてない時間。扇の部屋にミスティアと扇がいた。扇とミスティアは同じベッドに一緒に寝ている。
ミスティア「……私、扇の部屋に泊まってたんだ…」
扇「うん…どうした……?」
ミスティア「ううん。起こしちゃったね?ごめんね」
扇「……眠れないのか?」
ミスティア「あー、うん。実際そうだね。信じられないからね、あの人達がこんなことをするのは。だから…」
扇はミスティアが言う前に抱き締めた。
ミスティア「お、扇?」
扇「無理すんな。あんなに怖がってたのに、無理すると倒れる。今は…今は泣いていいぞ」
ミスティア「……う…ん……あり…が……と…ヒック、ヒック、うわぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
ミスティアは泣き叫び、扇はミスティアが泣き終わるまで抱いていた。
それから暫くしてミスティアは落ち着いた。
扇「大丈夫か?」
ミスティア「うん、ありがとう扇…」
扇「そろそろ夜明けだ。窓を見てみろよ」
ミスティア「え…」
ミスティアは窓を見た。すると、小さな窓から日が射し込み、窓から差し込まれた光は幻想的だった。
ミスティア「綺麗…」
扇「実は密かに探していた部屋がここだったんだ。綺麗だろ」
ミスティア「うん!とても綺麗だわ!」
扇「そうか。それは良かったってミスティア?」
ミスティアは窓の近くにより、扇の方を向いた。
ミスティア「扇、ありがとうね。いろんなことで助けてくれた。私は扇にお礼がしたいんだ」
扇「……別に、俺がそうしたいからそうしたんだ。お礼なんかいらないよ」
ミスティア「フフ、それとねもっと伝えたいことがあるの」
扇「何だ?」
ミスティア「私は…あなたが……」
「好きです」
ミスティアから言われた言葉を扇は、聞いていた。扇はそれに応える。
扇「俺も…ミスティアのことが好きだ」
ミスティアはその言葉を聞いた瞬間涙を流した。
ミスティア「…ありがとう。扇!」
扇「ミスティア…!」
二人は近づき、顔を近づけ互いの唇をくっつけようとする。しかしそんな時、扉が開いた。
咲夜「兄さん、ミスティア、そろそろ…起き…て……」
咲夜は二人の方を見て、顔を赤らめた。
咲夜「し、失礼しました…」
ばたん、と静かに扉は閉まり、咲夜は出ていった。
扇「……」
ミスティア「……」
お互い、恥ずかしくなり顔を赤くして二人はあさっての方向を向いていた。
咲夜は扉の前で、泣いていた。
咲夜「う…ヒッ…ク、やっぱり、兄さんは…違う人が……好きだったんだね」
咲夜は涙を押し殺し、立ち上がり自分の仕事をしに行った。
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