十二話 気晴らしに人里へ
俺は一体何をした?
扇は紅魔館にある自分の部屋で悶絶していた。
扇「…ああああ!!!!うじうじ考えてるんじゃねぇええええ!!!!外に出よう!良い気晴らしになる」
咲夜「何してるの?」
突然扉が開き咲夜が来た。
扇「…咲夜か。すまない。うるさかったか」
咲夜「ええ、うるさかったわよ。少し静かにしてね兄さん」
扇「ああ、すまない。それと、そろそろその兄さんって呼ぶの止めないか?」
咲夜「へ!?え、でも…」
扇「?嫌なのか?」
咲夜「ち、違うわよ!?けど、その…」
扇「なんだ、はっきりしろ」
咲夜「…じゃあ、兄さんは私のことをどう思ってますか?」
扇「なんだ?う~ん…俺からしてみれば妹だ。それ以上でもなくそれ以下でもなく、な」
咲夜「……だったら兄さんって呼びます!」
扇「え?」
咲夜「兄さんなんか、知りません!」
ばたん!と勢い良く咲夜は扉を閉めた。
何が何だか分からん!
扇「ま、まぁ気にせず外に出るか」
扇は幻想郷に来て、なかなか着れなかった和服を着て、外に出た。
扇「お!美鈴!」
美鈴「ああ、扇さんですか。それにしても咲夜さんどうしたんですかね?滅茶苦茶怒ってましたけど」
扇「あ~、ちょっと心当りがある」
美鈴「なにかあったんですか?」
扇「実はな…」
半妖説明中…
美鈴「……この朴念仁め」
扇「ん?なんか言ったか?」
美鈴「いえ?何も?」
扇「……気にはなるが触らぬ神に祟りなしって言うから止めとこ。そんじゃ、ちょっと外出してくるわ」
美鈴「何処までですか?」
扇「森の方…」
扇は段々顔を赤くして、言い切れなかった。
美鈴「森の方?」
扇「い、いや!止める!今はだめだ!」
美鈴「いきなりどうしたんですか?まぁ止めるんであれば…人里ですかね」
扇「そ、そうか。それじゃそこに行ってくるよ」
美鈴「あっちの方向に行けば大丈夫ですよ。夕飯に遅れないでくださいね~!」
扇「お~う!」
美鈴に見送られ、暫く歩いてると黒い塊が飛んでいた。
扇「……これまた珍妙な」
???「うるさいのだー!」
黒い塊から声が聞こえ、徐々に黒い塊小さくなり、中から少女が出てきた。
扇「…君は?」
ルーミア「私はルーミアなのだー。お兄さんは食べれる人類かー?」
扇「いや、俺半妖だから無理だ」
ルーミア「えー、じゃあ違うのかー?」
扇「ああ、すまんな」
ルーミア「だったら仕方ないのだー。お兄さん名前はー?」
扇「俺は扇だ。よろしく」
ルーミア「よろしくなのだー!」
扇「そんじゃ、俺は行くよ。じゃあな」
ルーミア「じゃあなのだーまたなのだー」
ルーミアは黒い塊を出して、飛んでいった。
あ、木にぶつかった。中から見えないのか。今度ルーミアからあの黒い塊のこと聞こう。
それから暫くして人里と言う場所に着いた。
扇「へぇ~すげぇな」
???「貴様は誰だ?」
人里の入口で感心してる時に突然質問された。髮が長く白い。
扇「俺は霧崎扇だ。ちょっと、人里と言うのがあると聞いて、来たんだ」
慧音「そうか…私は上白沢慧音だ。いきなり失礼なことを聞いてすまなかった」
扇「良いよ良いよ。そりゃ人里の守護者なんだから仕方ないよ」
慧音「何故分かった?」
慧音は驚いた表情をして質問をしてきた。
扇「あ~なんか、こう、感覚で分かった。あんまり説明出来ない」
慧音「なんだそれは…まぁ、人間だからいいか」
今度は扇が驚いた表情をした。しかし、それは慧音には見えてなかった。
扇「そういや、慧音は何してるんだ?」
慧音「ああ、ちょっと、友人を探してたんだ」
扇「ふ~ん。んじゃ、俺は人里の中に入るよ。じゃあな」
慧音「ああまたな」
それから扇は暫く、人里の中を回ってるといつの間にか日が傾いていた。
扇「やべ、怒られる「そこで何してる?」…慧音か…」
声を掛けてきたのは慧音だった。
慧音「さっき振りだな」
扇「慧音こそ何してるの?」
慧音「私は人里の見回りだ。早く帰った方が良いぞ?そろそろ夜になる」
扇「ああ、そうだな。そろそろ帰るよ」
慧音「それじゃ、またな」
扇「ああ、また」
それから扇は人里から出て、早く飛んでいった。
勿論、美鈴やフランに怒られたのは言うまでもない。




