一話 イルジメ
キーンコーンカーンコーン
ようやくベルが鳴り、疲れた頭を整理するため帰ろうとする霧崎扇。
扇「流石に疲れた…こう、何年も学生をしてると疲れてくるな…」
そう、扇は何十年をも高校生活を送っている。何故ならば、
扇「ま、半妖だから仕方ないけどね」
だそうだ。
そのまま昇降口に通じる階段を降りようとすると、なにやら声が聞こえた。
学生A「調子に乗るんじゃねぇよ?殴られたいのか!?ああ!?」
学生B「俺らに反抗するとどうなるか教えてやるから覚悟しとけよ?」
学生C「ヒィ!すすみません!」
学生A「謝って済むんだったら警察はいらねぇの?分かる?」
扇(またか…仕方ない、やるか)
そう、扇はいじめを見ると助けたくなる。昔はストレス発散に使っていたが、案外楽しくなった。扇は妖術で服をいつも使ってる黒装束に変えて刀は出さずに助けに向かった。
学生B「そんじゃ、金を盗ってボコるか」
学生A「始めるか」
???「止めといた方が良いぞ?」
学生A「誰だ!?ってなんだあの黒いのは!?」
学生B「おい…まさか、『イルジメ』か?ヤバイぞ!逃げるぞ!」
一人の学生が逃げようとするが、イルジメはそれを見逃さない。
イルジメ「帰れると思うなよ?」
学生B「ヒィ!た助けけててて!!」
イルジメ「誰が助けるか。罪を償え」
イルジメはすぐさま回し蹴りを浴びせ、もう一人の方を向いた。
学生A「ヒィ!な、なんだよ!こんな弱いやつをいじめてもいいだろ!?」
イルジメ「いいわけ無いだろ!このバカ野郎!」
イルジメは学生を殴り、いじめられていた学生に歩を進めた。
学生C「あ、ありがとうございます!」
イルジメ「おい、お前強くなれよ。そうしないと、またこのようなことになるぞ」
そう言ってイルジメは姿を消した。