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零の月

零の月-生誕の罪-

作者: 海月くらげ

あの悲劇が起こったのは、僕が7歳の頃。


ずっと妹か弟が欲しかった。

両親(あの人たち)とはあまり話さなかったから、誰かと話がしたかったんだ。


そして、母親(あの人)に子供ができたって言われて、とても嬉しくて検診だってついていったんだ。

そしたら妹だった。


サンタさんがプレゼントをくれる日。

雪の降る静かな日だった。


父親(あの人)と一緒に待った。

嫌だったけど、待ったんだ。

両親(あの人たち)はどうせまた(・・)愛さないだろうから、僕が愛してあげるんだ。


早く生まれてほしい、僕の妹。

早く一緒に遊びたい。

一緒にお話がしたい。





僕の隣で空っぽな祈りを捧げる父親(この人)は、やっぱり世間体だけを気にしてる。

本当は病院ここにも来たくなかったんでしょ?

車の中で言ってたもんね。




言ったよね?













堕ロシチマエバ






良カッタノニ









言ったんだよ?オトウサン?

あなたが言ったんだ。








あなた達がまた(・・)愛されない子供を作ったんだ。

僕の家族は妹だけでいい。


両親(あの人たち)はイラナイ。


僕が愛してあげる。

愛してあげるから早く生まれてきてね?
























その時 産声(・・) は響いた。


元気な声だった。


僕はとっても嬉しくて、早く会いたかった。








そして悲劇の幕は上がったんだ。









まず始めに近くを歩いていた看護師さんが窓から飛び降りた。

僕は三階にいたけれど、上の階からたくさんヒトが落ちていた。

ポトリポトリと雨が降るみたいに。

花開くように赤が咲き乱れた。



次に隣で祈りを捧げていた父親(あの人)がフラフラと母親(あの人)と妹のいる部屋へと入っていった。



今もまだ産声は響いている。

僕の周りの人たちは何かを叫んだりしているけれど、妹は元気みたいだ。



僕も早く会いたくて、

父親(あの人)が入っていった部屋へと僕も入った。






やっと会える。

やっと会える。

やっと、やっとだ。





自動ドアがスライドして見えたのは























赤赤赤











赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤





悲鳴と狂ったような笑い声

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