約束のはじまり
クロの家に向かってはみたもののクロもあの女の人も居らず、灯りもなく静まり返っていた。
無気力感に襲われながら、もう公園には居ないだろうけれど、鈴ちゃんと顔を合わせないように、もしかしたらクロと会えるかもっていう期待もあって少し遠回りをして家に帰った。
・・・・・・もちろん会えなかった。
「――――ですか!もう―――こんなに―――」
「それを君が―――今も前も―――」
ん?家の前まで着いたけど玄関から話声が聞こえてきた。
1人はなんだか興奮しているみたいで少し怒鳴り気味だ。それに対して相手はひどく落ち着いている
冷静な方はたぶん遥なんだと思う。
そもそも遥が慌てている所なんて見たことないし・・・
となると遥と言い合ってる(?)もう一人は誰なのかという話だけど、なんてもったいぶるつもりもないので普通にドアを開けた。
「ただい・・・ま」
「おかえり。それじゃあ私は少し出てくるよ」
遥はそう言い残すと私とすれ違って出ていく。
クロは眉を寄せて困ったいるような悩んでいるような顔をしている。
「えっとさ・・・」
「まだ小さいもんね」
「え?」
「学園よりも小さいもんね。でも、見つけたよ。」
「あ、あぁ・・・そっか、そうだな」
「・・・・・・」
お互いに何も言うことの無い、けれどなにか言わないとと思わせるような空気はなかった。
「うん。それじゃあ、また明日、明日から学校で」
「あぁ。また」
そんな感じで私たちの再会は終わりを迎えた。
「ほら、写真撮るよ~」
「あーうん」
「どこ見てるの~?ん?なるほど~あそこの制服可愛いもんね~」
「そ、そんなの見てないよ!」
「もー! じゃあ約束ね。わたし、ゼッタイあれを着るから。そしたら・・・ちゃんとわたしを見てくれる?」
「うぇ!?あー・・・じゃ、じゃあ俺は遠くに行ってもお前が見つけられるように大きくなってやる!」
「えーなれるのー?私よりも小さいのにー」
「なれるよ!あの学校よりも、」山より大きくなってやるよ!約束な!」
「ハイハーイ。撮るよ~」
パシャッ
ま、まだ日付変わってないからセーフ?
と、とりあえず投稿
ホントは前回のに合わせて今回で最終話で切りが良くなるはず だった のに・・・
もしかしたら後で蛇足を足すかもしれません