赤のはじまり
どれくらい走っていたのだろ。
周りを見ると、少し先に小さな公園が見えた。私の家とクロの家のちょうど真ん中くらいにあるからよく一緒に遊んでいた場所で、あの約束をした場所でもある。
このまま家に帰る気にもなれずブランコに身体を預ける。
休むことができたからなのだろうか。思わずため息をこぼす。
そもそも、どうしてあんな逃げるようなことをしてしまったんだろう。
私は別に願いが叶って欲しくて約束を果たした訳じゃなかったはずなのに・・・
関係がないとは言えない。
学園のことを考えると一緒に頭に浮かんできていた。
だけど、それだけで選んだんじゃない。
最後の後押しになったのは確かなんだろうけれど。
それはきっと、自分達が昔やっていた遊びをしている子どもを見て、懐かしいような微笑ましいような、けれど少しだけ寂しくなるような、そんな気持ちに似ていたんだと思う。
砂場に残っている砂のトンネルを見ながら言葉にしてみる。
「結局、どうしたかったのかな」
「なにが?」
「約束が叶って欲しかったわけじゃなかったの。でも、またクロに会えたのは嬉しかったんだけどそれでも・・・」
「・・・驚いてくれないんだね」
「え?」
あれ、いろいろと考えている間に私が通っていた中学校の隣にある中学校の制服を着た女の子が隣のブランコに座っていた。
「久しぶり。お姉ちゃん」
すこし勢いをつけて飛び降りると振り向きながら笑顔を見せてくれた。
「お、お姉ちゃん?私は妹だけど、妹はいなかったはず」
「え、そんな!ヒドイ!あんなに一緒だったのに!シクシク」
えーー・・・こんなにもわざとらしい嘘泣きは初めて見たよ。うん。
「それで騙されるのは相当なお人好しだけだと思うよ」
むしろこれで騙せると思われなことに納得がいかない。
そう伝えると見るからに不機嫌ですと言うように頬を膨らませた
「そっか。コンタクト付けてるから分からないんだよね。ちょっと外すから待ってて」
どうやら本当に知り合いだったみたいだけど、眼鏡で中学生(1~3歳年下)なんて誰かいたかなぁ?
「ほら、これでどう?」
そう言って見せてくれた瞳は赤色だった。
黒い髪に赤い目をした女の子を私はたった1人しか知らない。
「鈴ちゃん?」
園田 鈴小さい頃にこの公園で一緒に遊んでいた女の子で私のことを本当の姉のように慕ってくれていた。私も末子だったから嬉しくてなにかとかまっていた。
「そ~ですよ~。この目は産まれつきだって言っても呼び出しされるから逆に黒のカラコンにしたんだよ。どこかのご先祖様も迷惑なモノを遺伝してくれたものだよまったく。で、約束とタツにぃがどうしたの?」
別の話しと重なってるところがあるので ①他のキャラの出ない最終話を先に載せて、話ができた時に穴埋めしていく か ②時系列に合わせて話ができるまでしばらく期間を置くかのどちらかになると思います
個人的には①にしたいとは思っています
ついに予約にすら間に合わなく・・・