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黒のはじまり

はぁ・・・

思わずため息が漏れた。


封筒の宛先を見た時から足取りが重い。

嫌だという訳ではないけれど、それでも誰かに変わってもらえるならお願いしたい。

今朝の夢を思い出す。


――――じゃあ約束ね。わたし、ゼッタイあれを着るから。そしたら・・・ちゃんとわたしを見てくれる?


ああぁぁぁぁ!!会いたくない!恥ずかしい!ありえない!!子供って怖い!無知ってほんと恐ろしい!

嫌だという訳ではない?嘘だよ!嫌だよ!帰りたいよ!

夢で見るならまだいいよ。迂闊な約束事をしないっていう・・・教訓?に、すれば。

昔はバカだったなーで済むから。本当にそうなるなんて考えることもなかったし・・・

それなのに、それなのに!!

もう一度封筒に目を向けてみるけれど、やはり何も変わらない。住所も昔どこかで見たことがあるような気がしているけれど、子どもの時の記憶だから似てはいるけれどきっと違う。違うに決まっている。と、思いたい。

せめて同姓同名であることを祈ろう。




「着いちゃった」


私の家から歩いて5分ちょっと行った所にある一軒家。

でも目の前には記憶の中にある家ではなく周辺の雑草がちょっとした森と化して、薄汚れた壁と向こうが見えそうもない窓の並んだソレ。時折中から響く音で人の存在が確認できる。

何度確認してみても表札と封筒に書かれた文字に書式以外の違いが見つからない。

どれだけ現実逃避しても逃げ場なんてどこにもないわけで、さっきまでとは違った意味で怖い。

ポストに入れて逃げようかとも考えたのだが生憎(あいにく)と謎のツタ植物が巻きついていて使えない。


すぅー はぁー

深呼吸を2.3度繰り返して震える指先で玄関チャイムを押す。

ブ――

と、少し歪みのある音が鳴ると玄関の向こうから足音が近づいてくるのが分かった。

ガチャリとドアが開くと、「はいはい。どちら様でしょうかっと」と言いながら大掃除をしている最中という格好の男の人が出てきた。

よく見なくても分かる。あの少年の面影がそこにはあった。あってしまった。


「えっと・・・?」


頭の上に?が3つくらい浮かんでいそうな表情で尋ねられてようやく反応を返すことができた。


「はい。すいません。えっと、色々と言いたいことも聴きたいこともあるのですが、まずは要件から。黒瀬(くろせ)辰彦(たつひこ)さんで間違いないですか?この住所の」


質問しながら持っていた封筒を手渡すとそれを見て、ある程度は理解してもらえたようで、「あ、学校の・・・」と言いながら少し間をおいて「そうです」と答えてくれた。


その後、なんで私が持ってきたのかということや、クラス・簡単な注意事項を説明していった。



「要件はここまでなんですけれど、少し時間ありますか?」

「いいですよ」


私にとってはここからが本命だ。


「では、ゴホン。お久しぶりです。千歳桜です。覚えて、いますか?」

「・・・」


返事がなく、なにか言わないとと口を開くと、緊張で(のど)が乾いてうまく声が出ない。


「覚えてるよ。ひさしぶり。確か小学生になって直ぐくらいだったから・・・8.9年ぶりかな」

「あぁ~良かったぁ~。」


まずは本人だと確認できて肩の力を抜くことができた。


「名前も住所も見覚えあったし、もしかして。とは思っていたけど、やっぱりクロかー」


そう言うと彼は


「あははは。もし違っていたら完全に大恥かいていたな。でも懐かしいな~。『クロ』って。確かにそんな風に呼ばれてたかも」


とあの頃のように笑ってみせた。

その顔を見た瞬間にその頃のことが次々と思い浮かんでくる。思い出話はなかなか止まらない。その中でさりげなく一番の疑問をだしてみた

さりげなく。


「あ、あとは、さあ・・・」

「ん?」


そう、あくまでもさりげなく。


「や、約しょくって覚えてたりする?」


・・・・・・


噛んだ・・・きっと今顔は真っ赤になってるよ。紅葉(こうよう)した紅葉(もみじ)の葉っぱくらい?それともリンゴかな。もしかしたらイチゴくらいかも?


「役職?」

「違う違う。約束。 や く そ く 」


そうだ。まだ答えを聞いてないんだからしっかりしないと。


「うーん。ごめん。よく覚えてないや。大事なことだったのかな?本当にごめん」

「ううんいいの。そっか、そっか~」


なんだろう。ほっとしたような、でも少し残念のような。


「あ゛あ゛~。少年。水~」


家の中から少し苦しそうな女性の声が聞こえてきた。

クロの母親(おばさん)かな?


「おじさんとおばさんもいるの?」

「いや。一人だよ。」

「でも今、中から声が」

「みぃ~ずぅぅ~」

「それは、えっと、知り合いと言うか、なんと言うか」


ガラッ

(ふすま)が開き、玄関から続く廊下に這うように一人の女性が出てくる。


「あ」

「え?あ」


半裸で。

えっと、クロはこの家で一人暮らしらしい。そして家から女性が。その結論は・・・


「ごめん。なんか、邪魔しちゃったかな。帰るね」

「あ、おい!」


背中の方から聞こえてくるクロの声から逃げるように私は走った。


キャラ崩壊?

いいえ、私の素です。

自分で書いたものを見返すのが恥かしいやら辛いやらで、まさにあんな感じになるので設定以外見ないようにしたらキャラが思いだせずこうなりました


だれかたすけて(切実)


次の後書きではちょっとした提案?をしてみようと思います

いま? まだ踏ん切りがつかないので・・・

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