後日談、という名のエピローグ
※本日六話目
これで何者だよ!は完結となります
最後は駆け足となりましたが、今まで読んで下さった方、ありがとうございました
一番人気のない作品でしたが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございます
無事完結出来てよかったです
それは全て読んで下さった方々のおかげです途中で中断する予定もありましたので
本当に、ありがとうございましたm(__)m
それではまた、他の作品で
賢人と神司がアウラとテネスを代表する形で激突した後、巨大な余波が世界中を襲い、津波や地震などによって世界中が大混乱に陥ったが、それも長くは続かなかった。
一週間続いた余波が、突如として止んだのだ。
決着したのかと、各国政府が捜索に乗り出す中、見つかったのは神司だけだった。
意識を失った状態で海を漂っていた神司は回収され、息があったので母国日本に送還され、処分が下された。
賢人の捜索は行き詰まり、何の成果も得られないまま断念されてしまった。
多くの人から英雄などと呼ばれて捜索を続けて欲しいという要望が多く寄せられ捜索を延期してのことだった。
そして賢人と神司の激闘から二年が経った。
余波で起こった災害と、その影響で起こった災害。ダブルパンチともいえる多大な被害を被った世界だが、徐々に復興し始めていた。
支援や寄付、ボランティア。世界中で多くの人が助け合いを行い、予定より早く復興してきている。
そんな中、日本のとある街とある学校では、深い悲しみに暮れた様子で大勢の人が集まっていた。
災害復興で先延ばしになり、また安否確認が出来ていないため行われなかった、羽白川賢人の葬式が行われているのであった。
世界中多くの人々からメッセージが届き、偉人や子供まで様々な人々から悲しまれる、葬式。その中には必然的に、家族や友人の姿があった。
彼らは賢人が死んだなどとは信じたくなかったが、それでも葬儀に参列した。
体育館の奥には大きく賢人の写真が飾られている。
唯一の家族である姉の佳那は泣き崩れ、親友の宏介は付き合っている彼女に涙を拭かれており、理奈は涙ぐみつつも気丈に振る舞い、美雪は嗚咽を漏らしていた。切也でさえも「……バカ野郎が」と涙を流している。
葬式が催され、賢人の死を受け止めてこその反応だ。
佳那を中心とした当時の賢人を知る者は細々と葬式をやる、または一生でも賢人の死を認めないスタンスでいたのだが、それで都合が悪いのは政府だった。
葬式をやらないこと=賢人がまだ生きていると認める、なのであり、葬儀を催さなければ、賢人が死んだと認めなければ、政府は再び世界を救った英雄を捜索するように多くの人々から要求される。
正直に言って、国の復興に忙しい政府が、たった一人の少年を捜索する余裕などなかったのだ。
そういう事情を一応政府側の人間である佳那が理解していたこともあり、葬儀が催されることとなった。
「……これより、羽白川賢人さんの、葬儀を始めます」
普通の葬式でマイクを持った司会など出てこないが、色々な意味で特例である。
だがそこで、賢人の写真がドカァン、と破壊され、体育館の復興したばかりの新しい壁が砕け散って崩れる。
「「「……っ!?」」」
葬儀に参列した全員が、まだテネスが残っていて賢人の葬儀を邪魔しようと画策したのか、と身構える。
「……おいおい。誰の葬儀だって?」
だが壁の外から入ってきた、少年から二年が経ち大人びた青年となった彼が、言った。その声を聞いた多くの人は誰なのかピンとこなかったが、親しかった者達は理解した。
「……ったく。人がせっかく戻ってきてやったってのに、何勝手に死んだことにしてくれてんだよ」
陽光を後光のように照らさせて登場した青年は、ボロボロの年季が入った外套を羽織っており、二年前の少年らしい顔立ちからかなり大人びており、カッコいいという表現が似合っていた。
「「「……賢人!」」」
参列した中から飛び出して青年に抱き着いたのは、美雪、理奈、佳那の三人である。
「……うおっ。三人共成長したなぁ。何か磨きかかってない?」
先程まで自分の死で深い悲しみに暮れていた三人が、飛びっきりの笑顔を見せる。その様子を見ていた参列者達の顔も、次第に綻んでいく。
「……ははっ、葬式に乱入とかあいつバカだろ」
そうは言うが、宏介の顔は笑っていた。
「……バカ野郎が」
先程までと同じ言葉だが、そう言った切也の口元には笑みが浮かんでいた。
参列者達から、大きな歓声が上がる。待ちに待った英雄の帰還を歓迎していた。
「……お帰り、旦那様」
「……お帰り、あなた」
「……お帰り、賢人」
理奈、佳那、美雪の三者三様な言葉を受けた賢人は少し驚いてから苦笑した。
「……ああ。ただいま、三人共」
その後優しげな微笑みを浮かべて、告げた。
世界中が歓喜に包まれ、世界を救った英雄の帰還を大いに歓迎した。
後遺症で超人的な身体能力を得た正義の味方が救った世界は、希望に満ち溢れて回っていく。
特例として一夫多妻、近親結婚が認められた羽白川賢人は、その後の余生を幸せに暮らしましたとさ。




