表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何者だよ!  作者: 星長晶人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/50

これで、何とかなったか

「おらぁ!」


 俺は鋼色のドラゴン・アクセルに金色をオーラを纏わせて、豹型に殴りかかる。惜しくもかわされてしまい、背後に回り込まれるが、豹型の動きが見えていた。


「……チッ!」


 背後に回り込んで蹴りを放ってきた豹型だが、それを俺の構えた右腕が防ぐ。必殺技のカードでも二番目に強いバースト・アクセルで爆発的に身体能力が上がり、しかもバースト・アクセルを最強のドラゴン・アクセルで使用してるんだ。さらには鋼の頑丈さを持つメタル・ドラゴンを使っているので、俺が受ければダメージが通らず、むしろ硬いモノを蹴った相手の方が顔を顰めるくらいだった。


「……おおぉぉぉ!」


 俺は吼えて拳を地面に叩きつけると、地面から鋼のトゲが突き出し豹型を襲う。


「……っ!」


 豹型は持ち前の素早さで俺から距離を取り、トゲを回避する。


「……はっ!」


 俺はドラゴン・アクセルに強い必殺技を重ねるという無茶なコンボで一時的な強さを手にしているので、短期決戦を強いられる。だから休む暇もなく攻撃して倒さなければ、俺が疲労で倒れてしまう。


 左拳を放つと同時に豹型へ金色の波動を放つ。だが豹型はあっさりかわして、高速で駆けると俺の左に現れた。俺は動きが見えていて、身体もついてくるので鋼色になった左翼で豹型が放ってきた三連の拳をガードし、翼で自分を隠すためか体勢を低くして、今度は右に姿を現す。ちゃんと見えるようにしてあったので動きを読むと、右腕を広げるように振るって豹型に裏拳を叩き込もうとする。豹型は俺の裏拳を掻い潜って脇腹に拳を放ってくるが、右翼でガード。翼を力強く羽ばたかせて突風を巻き起こし、豹型を吹き飛ばして一旦仕切り直す。


「……メタル・バースト!」


 俺は両手を前に突き出し、広範囲に広がる金色のオーラを纏った鋼色の波動を放つ。豹型はそれに驚いたがすぐ動き出し、回避する。……消耗が激しい技を囮に使うのは厳しいけどな。


 俺は右に避けた豹型を見てから、金色の波動を両翼から放って加速し、一気に突っ込んでタイミングを見計らい、そのまま突っ込む形で右拳を叩き込んだ。


「……ぐああぁぁ!」


 豹型は素早さ以外はそこまで高くないので、脆い防御を突かれて悲鳴を上げ、廃工場の端に積まれた廃材の山に突っ込んでいく。


「……さあ、立てよ。てめえの速さ以外に能のねえ力を、ぶっ壊してやる!」


「……ふざけるなよ、アウラ風情が……っ! この力は盟主様が見出して下さった力だ! この力で盟主様をお守りする!」


 俺が言うと豹型は苛立ったように吐き捨てて、正面から突っ込んでくる。冷静さを失ったようで、正面から挑んできた豹型は連続パンチという力押しで攻めてくる。そんな単純な攻撃が今の俺に通用するハズもなく、タイミングを見切って顔面に拳を叩き込んでやった。……何でそこまで一生懸命になるかは知らないが、人々が危険に晒されるなら戦って止めるのが正義の味方の役目だ。悪いが、手加減をする気も見逃してやる気もなかった。


「……悪いが、てめえの戯言に付き合ってる暇はねえ。――ドラゴンバースト・ゲート」


 俺は言って、呟く。巨大な門が豹型の背後に召喚され、ゴゴゴゴ……という重々しい音をさせて開いていく。中には深淵の闇が広がっていて、中から巨大なドラゴンの頭が出現する。


「……くっ! クソオオオォォォォ!!」


 豹型はドラゴンの牙に突き刺され、次第に力を込められてミシミシと身体が悲鳴を上げ、悔しげな絶叫を上げて、バラバラに噛み砕かれた。死なないからって、やりすぎだと思ってしまったが、思い返してみるとあれくらいのことは俺自身もやっている。人(?)のことは言えなかった。


「……っ!」


 急激に力が抜けて、ガクンと膝を着く。……ヤバっ。変身が解ける。


 俺は何とか歯を食い縛って変身が解けるのを食い止めたものの、ドラゴン・アクセルなどのカードは全て射出され、消えていった。


「……ごめんさい」


 不意にそんな声が聞こえてそっちを見ると、εが杖を掲げていた。少し悲しそうな雰囲気を纏っている。


 相手の双盾型テネスは四肢を蔓に巻きつかれて動きを封じられている。……と同時に、圧縮と反射の能力も封じられていた。


 そのため次にεが放ったフレア・ランスという灼熱の炎で出来た巨大な槍に身体を貫かれ、倒される。……そうか。反射があるからεに倒せるかどうかは分からなかったんだが、四肢を封じて盾にさえ当てさせなければ、攻撃を反射されることはない。


「……大丈夫、け――α?」


 εは少し俺の本名を言いそうになって、慌ててアウラの名で呼ぶ。……そういえば、俺って最初εが現れた時本名を出しちゃったんだよな。εもそうだが、迂闊だったとした言いようがない。


「……ああ、何とかな。疲労が強いから少し休む必要があるが、それより残りの二人を回復させに行ってくれないか?」


 俺は言いつつ腰を下ろし、提案する。


「……そうね。じゃあちょっと行ってくるわ」


 εは少し考え込むようにしてから言って、駆け足で去っていく。……ちょっとカッコつけすぎたな。もう倒れる。


 俺は美雪が完全に立ち去ったのを見てから、パッタリと倒れた気を失った。あと一体テネスが残っていて、ここは敵の本拠地だというのに、もう身体の疲労が限界に達していた。傷は治せても疲労は治せない。それがアウラの常識だ。それは多分美雪のεも同じなハズで、疲労回復には寝るのが一番だということで、あっさり意識を手放した。……何度も言うが、敵の本拠地でな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ