表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何者だよ!  作者: 星長晶人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/50

……、悪いな

まさかの二日で更新


本気で書けば一日一話いけるのか? と思いました


他のが疎かになるのでしませんが

 ……ん? ここはどこだ?


 俺は意識が浮上してくるのに乗じて目を薄く開ける。すると見知らぬ天井が目に入り、目を完全に開いて辺りを見渡す。


 ……病院か。


 誰かの見舞いか元からここにあったのか、花瓶に差している花以外は全て白。


 他に人の気配はなく、個室のようだ。


 閑散とした静けさ漂う病室である。


 誰かが重傷だった俺を見つけて、救急車を呼んでくれたのかもしれない。


 その辺の推測はやればやる程分からなくなっていくので、無視するとしよう。


 ……病院のベッドってフカフカだな。


 俺はピクリとも動かない身体でベッドの柔らかさを感じていると、睡魔が襲ってきた。


 ……そういえばもう夕方だな。


 俺は意識が落ちる直前、白い病院が夕焼けに彩られているのだと、今更ながらに気が付いた。


 ▼△▼△▼△▼△


「……」


 俺は意識が浮上していくのを感じることもなく、不意に目が覚めた。……違う天井だ。


 ……病院じゃ、ない?


 俺は不思議に思って起き上がる。……病院にいた時は動かなかった身体が動く。辺りは暗く、窓の外を見て夜だと確認する。


 ……ここは……?


 俺は周囲を見渡して誰もいないことを確認する。……ただし俺の横には人がいるんだが。


 暗くてよく見えないが、俺の服を掴んで静かに寝息を立てている。


 しばらくして、目が慣れて見えるようになっていく。


 クラス委員長、浅井美雪その人だ。


 俺に寄り添うように丸くなり、安らかに眠っている。……おかしいな。俺の記憶が正しければここは美雪の家だ。前に一度来たことがある。だって美雪がいるし。


 だが部屋が違う。ちゃんとベッドがあって、きちんと整理整頓されている。


 ……女子特有の甘い匂いがするため、もしかしたら美雪の部屋なのかもしれない。


 美雪の部屋で、ベッドで二人きり。……いい状況じゃないな。


 何で俺がここにいるのかは兎も角、美雪の家に連れて来られたようだ。


 ……推測を立てると、退院出来るようになったが一向に俺が目を覚まさないので、どういう経緯いきさつかは知らないが俺の家が分からないので仕方なく美雪の家に移したとか、そんな感じだろうか。


 よく分からん。


「……んっ」


 美雪が小さく声を漏らし、目を覚ました。……俺が動いたせいか。


「……よう」


「……おはよう」


 美雪は目を開けて俺が起き上がっていることに驚きつつ、平然を装って俺の声に応じた。


「……で、何で俺がお前と一緒に寝てるんだ?」


 俺は起き上がる美雪と入れ替わりになるタイミングでベッドに寝転ぶ。


「……それはその、瀕死の重傷を負った賢人を病院に連れていってくれた人が、賢人が正義の味方なんじゃないかって噂を流して、そのせいで病院にマスコミが殺到して病院が賢人を移送しようってことにしたんだけど、もう傷は治ったし退院してもらっていいってことだったんだけど、誰も賢人の家を知らないって言うから、家族が今いない人で賢人を泊めていい人は誰かって聞かれて、誰もいなかったから私が」


 ……なるほど。それで俺がここに。


「……経緯は分かった。だが、何で俺が美雪と一緒に寝てるのか、って質問に答えてもらってないぞ」


「……それは……」


 美雪は気まずそうに目を逸らし、しかしハッとしたような顔をして平静を装い、俺の方を向いて、


「……賢人の容態が悪化したらダメだと思って、見張っていたのよ」


 言った。


 ……まあ、それなら筋が通っちゃいるか。


「……とりあえず寝るな」


 俺は美雪がいる方とは逆を向いて目を閉じる。まだ完全に身体が回復してない。


「……スルーしないで。私も寝るわよ」


 美雪は責めるように言い、俺の背中にピッタリ寄り添うように寝転んだ。……おい。


「……何でここで寝るんだよ。ここがお前の部屋なら俺はどっか別の場所でも……っ!」


 俺が動こうとすると、美雪は後ろから抱き着いてくる。


「……ダメ。一緒にいて」


 美雪の声が震えていた。それに俺は、何も言えなくなってしまう。


「……美雪」


 何とか、美雪を呼ぶ。


「……心配したのよ。死んだんじゃないかって」


「……悪い」


「……うん。無事で良かった」


 ギュッと、美雪が後ろから抱き着いてくる。


「……悪かった」


 俺はそれだけを言って、脇腹から俺に抱き着いている手をソッと握る。


「……俺は正義の味方なんかじゃねえから、別に命を無駄にする気はねえよ」


「……絶対よ」


「……ああ」


 俺が美雪の方を向いて言うと、目の端に涙を滲ませた美雪の顔があった。


 俺は美雪が安心するようにと、優しく頬を撫でる。


 ……きっとその言葉は嘘だろうと思いながら。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ