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何者だよ!  作者: 星長晶人


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15/50

これが、坂井理奈の正体だ

半年振りくらいですかね


 遅れてすみません


 お気に入りがいなくなってしまいましたが、せっかくなので完結させます


 のんびりゆっくりですけどね

「……あれ、何?」


 クラスの誰かが呆然と呟く。


「……こっちに向かってきてるな。軍か何かが動かないのか?」


 ウルトラ〇ン並みのデカさだ。……俺一人で対処出来るわけねえ。


「……この中で賢人が変身するとバレるわよ。どうするの?」


 美雪がコソコソと耳打ちしてくる。


「別んとこ行ってもバレるしな。こうなったらーー」


 俺は歩いて窓際まで行き、窓枠に足をかける。


「っと」


 俺はクラスの視線を集める中、窓枠に上る。


「……さあ。正々堂々いくぜ! ーー変身」


 俺はニヤッと笑いながら、ベルトを出現させ、アルファへと変身する。


「なっ! お前が正義の味方だと……!?」


 宏介が驚いて言う。


「いや。何のことだか」


 すっとぼける。


「おい! 目の前で変身しといて、何惚けてんだ!」


「いや、知らないし。俺はただ、あのデカブツが気に入らないから、ちょっと殴り飛ばして宏介ん家潰すだけだから」


「俺ん家潰すな!」


 他のクラスメイトは唖然としている。


「やっぱり、あなただったのね」


 そんな中、一人頷いていた。坂井理奈だ。


「……お前はどっちだ?」


 俺は警戒して言う。


「もちろん、あなたの側よ」


 坂井はそう言いながらベルトを出現させる。


「……クラスに、正義の味方が二人……?」


 誰かが呆然と呟いた。


「ーー変身」


 坂井が変身する。俺とは真逆で純白だった。綺麗でカッコいい。……俺なんかよりもよっぽど正義の味方っぽい。


「私はアウラのシータ。よろしくね、アルファさん」


「ああ」


「あれは集団テネス化現象。個々のテネスを集めて作った巨大テネスよ」


「……いや、あんなの俺達の手におえる相手じゃねえよ」


 蟻のように踏み潰されておしまいだ。


「大丈夫よ。博士からカードを貰ってるの」


 坂井が銀色のカードを渡してくれる。


「……ふーん? ウイング・アクセル」


 俺はそれをベルトに差し込む。


 博士ってのは、あの変なおっさんのことだろう。


「おっ?」


 俺の背に、漆黒の鳥のような翼が生えた。


「ウイング・フォース」


 坂井のはフォースというらしく、純白の翼が生える。


「じゃ、ちょっくらあいつぶん殴ってくるわ」


 俺は唖然とするクラスメイトに軽く言い、飛翔する。


「ふふっ。気楽に言うわね」


 坂井は楽しそうに笑って、俺を追うように飛翔する。


 巨大テネスはスマートな細マッチョ体型だ。……速くないといいんだが。でかくて速いとかもうそれチートだし。


「……で、どうやってあんなの倒すんだよ?」


 俺の持つカードにあんなでかいのを倒せそうなのはない。


「……自信満々だったのに、方法を思いついてたわけじゃないのね」


 坂井は呆れたようにクスッと笑い、二丁の銃を構える。


 やけに銃身の長い銃だ。あいにく俺は銃に詳しくないからどれに似てるとかわからん。側面に鳥の翼のような飾りがある。


「私、見ての通り遠距離だから、頑張って。援護するから」


 ……そうなるよな。


「私の力はフォースよ。銃のカートリッジを変えて様々な効果を得るの」


 坂井は解説しながらカートリッジを何かを押して抜いて、ベルトの方から射出された新たなカート

リッジを差し込む。元あったカートリッジは粒子になって消えた。そういう仕組みなんだろう。


 今さらだが、俺達自身に影響を与えるような、例えばウイングのようなモノはベルト。バトルに使う時は武器に差し込む。


 俺と坂井は巨大テネスの目線の高さまで飛翔して、ゆっくりと、それでも俺達から見れば早く歩く巨大テネスの様子を見る。


 俺達を視界に捉えたようで、止まった。


「……妙な力とか持ってんのか?」


 見た感じでは完全な人型で、武器なども見当たらない。


「知らないわ。でも、注意した方がいいんじゃない?」


 坂井は言って、少し下がった。走られたら一気に詰められる距離だし、それを警戒してのことだろう。


 俺もガントレットにカードを差し込んで戦闘準備をしようとするが、巨大テネスがスッと構えたことに気付く。……動きがスムーズだ。巨大化すると動作が遅れてもいいと思うんだが、人間と同じ早さらしい。


 その構えは、ボクシングのファイティングポーズだ。


 左手と左足が少し前に出ている、右利きのファイティングポーズ。


 その構えを取ったということは、次の動作は決まっている。


「っ! ガーディアン・アクセル!」


 基本の効果、ガードの上位に当たる防御だ。


 ガントレットから物々しい程の漆黒の大盾が出現し、さらに何かの紋章がその前に幾重にも張られる。


 そして、完全防御態勢の俺に襲いかかってきたのは、紋章も大盾も貫き、俺を遥か後方に吹っ飛ばす重い衝撃だった。


 翼があるのに耐えられず、学校を突き抜けてさらに後ろへと吹っ飛び、何回か建物を突き抜けて、やっと止まった。地面に墜落し、痛みで俺はボーッとしてしまう。


 ジャブだ。


 プロ並みのジャブが俺を襲い、斜め下へと吹っ飛ばされた。


 あの巨体でボクシングとか、容赦なさすぎだ。


 避けられればそれが一番なんだが、俺が後ろに飛ぶより向こうが一歩踏み出す方が早く、ジャンプ力がわからない今、上へ飛ぶのも危ない。左右でもジャブが連射出来ることからわかるように、一発避けただけじゃ終わらない。


 よって、後ろからこっそり近付くしか近接に持ち込めないかもしれない。かといってそれをやると坂井が危険だ。遠距離だから飛びながら攻撃出来るが、ストレートをくらったら死ぬかもしれない。いくらアウラといえども容量オーバーの攻撃は致死の可能性がある。


 ……だが倒さなければ、学校にいるヤツは全滅。ここら一帯もたたでは済まないだろう。


「……だったら、どうにかするしかねえだろうが!」


 俺は痛む身体に鞭打って立ち上がる。背中と腕が主に痛い。だが、俺は正義の味方だ。


 逃げるわけには、いかねえだろ。

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