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何者だよ!  作者: 星長晶人


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11/50

え~っと、何か悪いな

「大丈夫か?」


「……」


 まあ、大丈夫じゃないよな。


「美雪……」


「っ!」


「おわっ!?」


 俺が近付くと、美雪が抱き着いてきた。


「……ぐすっ」


「……」


 美雪が泣いてるのが分かり、何も言えなくなってしまう。


「怖かった……」


「……ごめん」


 俺が最初っから変身してればこうはならなかったかもしれない。


「……ううん。助けてくれて、ありがと」


「いや。こっちこそ、黙ってて悪かったな」


 少しはマシになったのかもしれないが、俺は泣いてる美雪の頭を優しく撫でる。


「……」


 美雪は黙って俺に撫でられていた。


 ーー十分後。


「もう、大丈夫だから」


「……そっか」


 大丈夫じゃないだろうが、美雪の気遣いを感じて、頷く。


「……それより、そろそろ離れてくれないか?」


 この体勢はヤバい、色々と。


「……やだ」


 何でだよ。


「離れると、見られちゃうから」


 それもそうだが、こっちもこっちでヤバい気がするんだが?


「まあ、いいから少し離れてくれ」


「……うん」


 俺から少し離れる美雪。


「とりあえず、これでも着てろ」


 俺は入学式の次の日ということで、ブレザーを着ていたので脱いで渡す。


「えっ……?」


「それは上な」


 続いてYシャツも脱ぐ。


「ちょっと透けるだろうが、我慢してくれ。これは下な」


 俺は上半身裸になってしまうが。


「あ、ありがと」


 ブレザーを袖を通してボタンを留めて着てから、Yシャツのボタンを右にし、袖を右腰で縛って途中までボタンを留める。長い裾を折ってスカートっぽくした。


「大丈夫、かな?」


「ああ。もう暗いし、ブレザーとスカートだと思われるぜ」


「そういうことじゃなくて、透けてないかどうかってこと」


 ああ、そういうことか。


「別に、大丈夫だろ」


 パンツを履いてないことはバレバレだが。肌色が透けて見えるし。


「……そんなじろじろ見て……えっち」


「なあ!?」


 おい、いらぬ疑いをかけるな。俺は至って健康で健全な高校生だぞ? ……あれ? 何かフォローになってねえな。


「……冗談だよ」


 くすっと美雪が笑ったのでからかわれてたことに気付いた。


「ったく。ま、じゃあ行くか」


 言って、少し先を歩く。


「ま、待って。置いてかないで」


 美雪は俺の横に小走りで来る。


「ねぇ、腕、組んでいい?」


 何でだよ。


「あの……賢人の傍にいると安心出来るし……」


 ま、そう簡単に恐怖がなくなる訳じゃないしな。


「そういうことなら、しゃーないな」


「良かった。ありがと」


 俺が許すと、美雪は俺の右腕にギュウ、抱き着いてきた。


 ムニッ。


「っ!」


 柔らかな感触が二の腕に伝わってきた。


「……なあ。やっぱ離れないか?」


「やだ」


 即答して、もっと強く抱き着いてくる。……それ、止めません? ってか、意外と美雪って巨乳? ……いかんいかん! さっきの男達と似たようなこと考えてどうすんだよ! それで美雪は怯えてるってのに!


 ……ふぅ。落ち着こう。


「ねぇ」


「っ!」


 俺の思考が読まれたのかと思い、ビクッとなる。


「……賢人って、一人暮らし?」


 意外と普通の話だった。


「ああ。だから、結構遅くなっても大丈夫だからな。時間は心配しなくていいぞ」


 俺が遅くなることで親とかに怒られると思ったのか?


「そうじゃなくて……」


 何だ? 違うのか。


「えっと、夜遅くなるし、泊まっていかない?」


「へ?」


 思わぬ言葉に間の抜けた声を出してしまう。


「ダメ……?」


 上目遣い。これに勝てるヤツがいたら教えてくれ。


 という訳で、美雪ん家に泊まることになった。


 ▼△▼△▼△


「ここ、か」


 結構俺ん家から遠いな。高校が丁度真ん中くらいにある。


「そういや、美雪は一人暮らしなのか?」


 家族がいたらヤバいんじゃないのか?


「うん。無理言ってこっち来たから」


 少し申し訳なさそうな顔をして言う。


「とにかく、入って」


 美雪ん家は普通の一軒家だ。無理言ってこっちに来たらしいが、家があるんだな。


「お邪魔しま~す」


「どうぞ」


 美雪はやっと俺から離れて家の中を進んでいく。


「……ふぅ」


 何か、色々と疲れたな。


「こっち」


 手招きして俺を案内する。


 ……俺の正体とか、テネスとかの説明は美雪が落ち着いてからするか。


「ん~。腹減ったな。メシ、どうするんだ?」


 リビングに案内され、伸びをして言う。


「う~ん。私はお風呂が先がいいわ。賢人は料理出来る?」


 悩み込むように言って、俺に聞いてくる。口調が元に戻ってるな。家に着いて、少しは落ち着いたんだな。


「一人暮らししてんだから当たり前だろ」


 少し笑って言う。料理出来なかったら一人暮らしは厳しいぞ。


「そう。じゃあ、悪いんだけど、夜ご飯作ってくれない? 私はその間にお風呂入るから」


「それならいいぞ。味は保証出来ないけどな」


 最低限食えるならいいしな。


「期待して待ってるわ」


 期待するなっての。


「んじゃ、それでいっか。洗濯はどうする?」


 泊まるのはいいが、着替えがない。


「私がするからいいわ。でも、今日は私の洗濯物がないから賢人でもいいけど?」


「そうだな。じゃあ、俺がやるか」


 美雪に任せる訳にもいかないしな。


「着替えはこっちで探しとくから、心配しなくていいわ」


 そりゃ有難い。


 んな訳で、美雪ん家でのお泊まり会が始まったわけだよ。

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