ペイント外の無双
技で撃て
心で打て
配点 (テクニック)
後半戦。
俺の心は砕け散ったが目と脳は正常に働いているのでちゃんと試合はわかる。
今なら心身二元論を信じるよ、俺。
男子は相当先生に怒られたのか引き締まった顔をしている。
そして試合が再開されるとすぐに得点して見せた。
そしてその集中力を維持したままディフェンスに付く。
沙耶にダブルチーム、喜美に1人。織火とイリヤに1人ずつ。
咲は運動できないことがわかっているのかフリーだ。
あーあー、一番フリーにしてはいけないシューターをフリーに。
いや、男子に責任はない。
誰もわからないだろう。
咲がそこからのシュートを最も得意としているなんて。
喜美が織火に、織火が咲にボールを回す。
真ん中の喜美から右の端にいる咲にボールが回る。
3pはさすがに無理だ。
だから確実に2p。
完全なフリー。
咲はいつも通りのフォームで放った。
ボールは気持ちいい音を立ててリングを射抜く。
「よし!」
思わずガッツポーズ。
「よくやったわ」
喜美が微笑みながら咲の背中を叩いて戻る。
咲は嬉しそうに笑いながら自陣に駆け戻る。
次のシュートも決められた。
咲とのミスマッチを使われれば止めようがない。
しかし咲は気にしない。やられたらやりかえすだけだ。
喜美から織火へ。
しかし今度はイリヤにボールが渡った。
最初に落としてしまった不名誉を挽回させようということか。
すぐにマークマンが付く。
そんなことは気にせずイリヤはジャンプシュート。
その身長差はいかんともしがたく、そのマークマンはまったく脅威となることができなかった。
決まる。
2pでしっかり決めていく。
布陣は、沙耶をゴール下に、他の4人が外に散っていた。
これならスペースがあるから喜美が切り込むこともできる。
そして外からのシュートを打ちまくれる。
当然外からのシュートは確率が悪い。
落ちることが何本もあった。
しかし前半に稼いだ圧倒的リードが最後まで効いて余裕の勝利となりそうだった。
残り21秒。
ラストアタック。
現在34ー23。
喜美がボールを保持する。
喜美がこちらを見る。
俺は笑顔でサムズアップ。
喜美も薄く笑って前を見る。
喜美に任せる。
別に何を打っても構わない。
喜美は相手の3pラインあたりまで進んだ。
そこで止まる。
相手のエースがせめて最後は止めると目の色変えて突っ込んで来る。
半身になってボールを相手から離す。
そして完全に後ろになって相手に背中を預ける。
背中で押す。
相手も踏ん張る。
その癖を見抜き、相手が堪えようと体を強張らせた瞬間右足を軸にターン。
気づいて慌てて止めようとジャンプする相手。
喜美はその相手から離れるように後ろ向きにジャンプする。
ボールが放たれる。
それは完璧な放物線を描いてリングを射抜いた。
ターンアラウンドフェイダウェイショットが決まった。




