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不足の二対

暴れるときの

注意事項

配点(練習試合の意味)

side沢木


ボールが上がり、試合が始まる。


今回は同時並行で慧心と栄光Bの試合は行わない。


春秋先生が他のみんなに見せたかったのだろう。


最高レベルの試合を。


「さぁ、一本決めましょう」


織火が声をかけて落ち着かせる。


喜美がボールを呼びまくっているのにパスしないのはさすがだ。


蓮里の基本は1対1。


個人の力で抜きに行く。


織火の相手はかなり強かった。


ディフェンスが強い。


「織火、こっちに回しなさい!」


厳しくなって喜美にボールをパスした。


ポイントガードは相手が強いか。


「来なさい、勝てないことを教えてあげるわ!」

「あら、是非ご教授願いたいところね。ホントに」


喜美が呟いて動き出す。


素直にドライブで切り込む。


左でドリブルして右腕で楓を押し退けて行く。


「ッ・・・・・・まだまだ!楽勝!」


楓はファールしないギリギリのところで押し返す。


しかしオパーイが薄い。


あれじゃあ巨乳防御ができない。


そしてフィジカルは喜美のほうが上だ。


パワードリブルで一気に押し込んでいく。


「ッ!?円香!」


咄嗟に無理だと判断してヘルプを呼ぶ。


驚いた。仲間を頼ることもできるのか。


いくら喜美でも栄光相手のダブルチームは厳しい。


それにこの合同練習中、ダブルチームを教えてたし。


「喜美、1回戻して!」

「任せるわ!」


しかしこちらも仲間への信頼はある。


織火にボールが戻る。

残り7秒。


残り7秒のプレイなら?


織火が強引に切り込む。


しかし相手が強い。


「沙耶」

「任せて!」


バウンドパスを放ち、ペイントエリアに突っ込んできた沙耶がそれを取って押し込んだ。


織火の相手がヘルプでディフェンスに行くが、沙耶のフィジカルは止められない。


1スローを貰って打つが、外れた。


まぁ何もかもうまくいくなんて思っていない。


大切なのは織火の宣言通り織火、沙耶で決めたことだ。


「いいよ!織火、沙耶!」

「イリヤ、ありがとうございます」


イリヤが声をかけて盛り上げる。


「・・・・・・面白いじゃない。いいわ、私もやってやる!」


栄光のオフェンスが始まる。

栄光のポイントカードが持ってくる。


さすがにポイントカードを任されているだけあって隙がない。


織火の厳しいディフェンスにも動揺せず楓にパスを繋いだ。


栄光は最初から楓任せか。


「見せてあげる。全国の力を!」

「がっかりさせないでね?」


楓が一気に切り込む。


速い!


しかし速いだけでは喜美は抜けない。


「さぁ、どう?」


喜美はその立派な胸で押し返し、近づけさせない。


喜美の反応速度に楓も驚いたようだ。


「確かに速い。でも甘い!抜ける!」


楓が再びアタックをしかける。


右に切り込む、と見せかけて左に行った。


ジャブステップか。


それでも反応する喜美。


そこに楓はさらにスピンムーブで抜きに行く。


喜美の反応がわずかに遅れる。


楓が踏み切ってジャンプする。


喜美はそれを止めようとジャンプする。


喜美の腕がボールを叩こうとするが、その前に楓が空中で体を縮めた。


折り畳むようにして体を小さくし、喜美の追撃をかわす。

そして再び体を伸ばして、後ろにボールを放る。


ダブルクラッチ。


空中で1度相手をかわしてから決める技。


喜美が完全に抜かれた。


「あら、ホントにやるのね」

「ふんっ!口ほどにもない!」

「ま、そう言わないでちょうだい」


喜美のほうは落ち着いたものだ。


喜美は怒ることがない。


喜美はリベンジしたいのかボールを呼ぶ。


しかし織火が宣言通りパスしない。


「咲!」

「うん」


そしてサイドに展開していた咲にパスして、咲は相手が寄る前に3pを決めてみせた。


調子がいいな。




side喜美


織火・・・・・・ホントに寄越さないつもりね。


まぁ織火に任せるけれど。


さっき楓に抜かれたが、あれは初見殺しみたいなものだ。


1度は抜かれるかもしれないが、2度目はない。


感覚がもう覚えた。


私は走り回って楓の体力を削ってやる。


楓はついてくるが、既に息が上がっている。


これひょっとして、リベンジする前に崩れるんじゃないの?




side健二


蓮里も栄光も、小学生ということを考慮すれば最高レベルだろう。


中学相手でも十分通じる。


「楓ッ!」

「ほらっ!決めろ!」


栄光はポイントカードもかなり上手い。


基本に忠実なパス。

そしてミドルレンジのシュート。


止めづらいタイプだった。


奈那子もあのポイントカードにかなりやられた。


楓ちゃんは喜美を相手にしている割には善戦している。

自分でも3回に1回ほどは抜けるし、引き付けて周りを活用するパスを出しまくる。


ウチとやったときは楓ちゃんがほとんどの得点を取ったが、蓮里相手にはアシストも使ってくる。


才能だけじゃない。


ちゃんと考えてやっているんだ。


これが、全国常連のキャプテンなのか……!


そしてそれに対する喜美はもっとすごい。


試合中にどんどん適応していき、楓ちゃんが出すパスをカットするようにもなっている。


センターは沙耶のほうがフィジカル的に強い。


イリヤのところもミスマッチになっているのだが、織火は沙耶と咲を中心にゲームを組み立てる。


織火もよく考えている。


相手の心を読み、上手く外していく。


咲に続けて決めさせたら沙耶に。


そしてもう1回沙耶に打たせると見せかけて咲に。


そんなふうに咲と沙耶に打たせ続ける。


イリヤのマッチアップ相手はどんどん交代していく。


走りまわされて疲れていくのだ。


「はぁ……はぁ……」


試合は栄光が少しリードしている。


蓮里は喜美が楓ちゃんをよく止めているのだが、オフェンスで咲のロングが落ちる。


そろそろ喜美かイリヤが決めてもいい頃合だが、織火は頑なに沙耶と咲に打たせる。


あまりにもワンパターンで愚直な気がする。


しかしそれは、裏を返せばエース2人を温存して、愚直な戦いをして、それでも少しのリードしか許していないのだ。


1Qがそろそろ終わる。


「イリヤ、最後任せます」

「そうだね。じゃあ最後1本決めて終わりにしようか」


ラストオフェンス。


蓮里はついにイリヤを使ってきた。


イリヤがゆっくりと持って行き、3pラインあたりで止まる。


そしてそこでゆっくりとドリブル。


時間を使う。


残り5秒でイリヤが動いた。


一気に加速して抜きに行く。


栄光は反応して後ろに下がりながら腰を落とす。


それを見たイリヤが急停止してジャンプする。


その速度差から放たれる長身の左シュート。


栄光はもはやジャンプもできずボールの行方を見守るしかない。


見事にリングを射抜く。


同時に1Q終了のブザーが鳴った。


蓮里22-29栄光

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