双璧の攻勢
決めて決められ
決められ決められ
配点(ジリ貧)
Side沢木
ふむ。あのシュート、マグレではない。キチンと打てている。
しかしドライブもターンもない。中に切り込まれることはない。
知美には喜美をつける。
そして後はベッタリくっついておけばシュートは打たれない。
センターの沙耶が完全に抑えている。
それに対して向こうのセンターは・・・・・・
「織火」
喜美がボールを呼ぶ。
3p付近で貰う。
知美が付く前に既にパスを出している。
その高い軌道のパスは沙耶に向けて放たれたものだ。
沙耶が飛びついてすぐにリングに飛ぶ。
相手センターがいるにはいたが、弾き飛ばした。
中途半端にしかコースに入っていなかったので加えてバスケットカウント1スロー。
シュートは決まっていて、フリースローも決まったのでこれで3点プレーだ。
あのセンター、背は高いが強くない。
また沙耶無双開始と行くか?
蓮里5ー2西条
Side喜美
向こうのポイントガードがボールを運んで来る。織火がプレッシャーをかける。
技術力はないけれど、持ち前のしつこさ・・・・・・粘り強さで抜かせない。パスが出る。
相手のセンター。沙耶が自分の体を壁にする。
相手センターが肩を入れてパワードリブルを開始するけどびくとも動かない。
沙耶は兄さんと練習をしていたのだ。もはや並の相手では小揺るぎもしない。
「沙耶、巨乳防御を見せてやりなさい・・・・・・!」
同時に走り出す。沙耶がブロックして零れたボールをイリヤが拾ってこちらにぶん投げた。
前を見ると相手がいる。止まるつもりはない。
突っ込む。身体能力だけで引き離しにかかる。
しかし向こうもさるもの。ついて来る。
今相手の左側を抜こうとしている。
リングはすぐ横。ここなら打てる。
左腕を障害として相手と私の間に置く。
そのまま飛ぶ。右手に載せたボールを左に投げる。
フックシュートが決まった。
蓮里7ー2西条
Side多田
前半残り4分だがタイムアウトを取った。
前後半1回ずつしか使えないタイムアウトをここで取るのは悔しいが。
美奈があのセンターを相手するのはキツイ。
しかしの背は他の子達では止められない。
「美奈」
「はい!」
「美奈、無理はしないで。でも、あの相手を止めてほしいんだ。あのセンターを止められるのは美奈しかいない」
俺はお願いする。美奈にはまだ大変かもしれない。
でも俺は期待することにした。
その美奈の潜在能力に。
「はい、できる限り止めてみます!」
美奈は笑顔でそう言う。
大丈夫。美奈は前に進める。
「知美」
「ごめんなさい健二さん。私、完全に抑えられました」
「大丈夫だ知美。1人で抜く必要はない。確かにあの相手は強い。でもみんなで攻めれば勝てるよ」
「そうですよね。みんな!もっと回していくから!」
知美も大丈夫だ。
「雪、奈那子。ここからは2人に頑張ってもらうよ」
「任しときな!」
「はい。決めて見せます!」
二人の意気もよし。そして
「ゆり、ゆりがこの試合の鍵だ。相手はまだゆりに強く当たっていない。ここぞというときにボールを回すよ」
「任せろ」
「ボールを回していこう!パスを繋ごう!撹乱して相手のディフェンスにミスマッチを作る。そこで打っていこう」
「はい!」
Side沢木
みんなが帰ってくる。
「喜美、個人技解放」
「了解」
喜美とは僅かな言葉で事足りる。
「喜美とイリヤに回していけ。咲はディフェンスに徹しろ。お前の相手、なんか不気味だ」
「わかったよ」
めだった動きはないが、それが逆に不安にさせた。ああいうのが1番やっかいというのはよくあることだ。
リズムも何か独特だったし。
「織火は今まで通りでいい。あのポイントガード、シュートだけだ。抜かれる心配はない。ずっとくっついとけ」
「わかりました」
織火はディフェンスをあまり教えていないので不安だったが、くっつくだけならできるだろう。
運動能力は高いのだ。
「沙耶、ゴール下でボール貰ったらダンクに行け」
「いいの!?」
「あのセンタービビりみたいだから、ダンクで心をへし折れ。ミスってもいい。派手にやれ」
精神攻撃は基本です。
「お兄ちゃん、私は?」
「イリヤは素直に打っていい。見たとこイリヤの相手もシュートだけだ。ディフェンスは織火と同じ。こっちのボールになったら速攻を狙おう。走るぞ」
「うん!」
「かわいいなぁもう!この試合が終わったら結婚しよう!」
「ダメだよお兄ちゃん」
タイムアウトが終わる。俺も審判に戻る。まぁちょうどいい運動だ。
Side健二
試合が再開する。こちらの攻撃に対して蓮里はディフェンスを変えていなかった。
「来なさい」
相手エースが呼ぶ。
奈那子から知美に。
エースがすぐに付く。
知美は素早く雪にパスを出す。
雪にも銀髪の少女がついている。
雪はバウンドパスで美奈に通す。
美奈は貰ってすぐにシュートにいく。
その動きには思い切りがあった。
相手センターがすぐに飛ぶ。
その手を押しのけるように美奈が無理矢理打った。
決まる。
技なんてない。ただの力ずくだ。
でもそれが美奈の成長を証明した。
美奈は相手に圧倒されることなくその力を使うことができたのだ。
すぐに相手攻撃。
「織火」
センターからポイントガードへ、ポイントガードからエースへ。それは一瞬で通った。
本日2度目のエース対決。相手エースが知美の左を抜きにくる。
また左、ひょっとしてそちらでしか抜けない?
と、エースの姿が消える。
違う、急ストップしてレッグスルー。
「しまっ!」
知美が、た、を言う前にレッグスルーからのジャンプシュートが放たれる。恐ろしく綺麗なフォームだった。
この子、本当に強い……!




