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くだものの木

これは何かの行事ですか?


ここら一帯に果実の苗を植えたのさ。今は豊作祈願の儀式中だよ。


へえ。見たところにょきにょきの儀式ではなさそう。


え?


いえなんでも。みんな絵を描いて、焚火の中に投げ入れてる?


こう育ってほしい、というイメージで果樹の絵を描くんだ。

で、その絵を燃やす。昇った煙が皆の祈りを神様に届けてくれるわけだ。


ほほお。


せっかくだから君も参加しておくれ。ほらこれ、紙とペン。


え。でも絵は得意じゃない……。


良し悪しなんてないよ。理想の果樹の絵を描けばいいのさ。


……。


※


描けたかい? 


描けましたが……。微妙な絵に。


なんで? 真っすぐな幹で葉がもこもこだ。

立派な木を描いてくれているじゃないか。


描いてから他の人の絵を見て気づいたんですけど。枝がないんです。


ああ、確かにね。まあでも枝がなくてもいいだろう。


根っこも細すぎるような。


しっかり地面に埋まっているから大丈夫。


肝心の実も小さいし。


その分、数が多いじゃないか。皆でわけて食べられるから素敵だよ。

さあ、早速神様に祈りを届けに行こう。描いてくれてありがとうね。


こちらこそ、褒めてくれてありがとうございます。

……大きく育つといいですね。


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