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いつかの夢のおはなし
おねえさん、お金ください。
……ごめんなさい。お金を持っていないんです。
ほんとう?
はい、無一文です。
おねえさんも貧乏ですか?
君ほどではないけど、お金には困っています。
ここじゃないとこに少し持っているけど、毎日少しずつ減っていくんです。
ふうん。
……。
おねえさんは、何か夢がありますか?
夢……。突然ですね。
気がまぎれるから。僕はね、いつか大金持ちになりたいです。
それで、もう二度とカビが生えたパンなんか食べてやらない。
お腹が苦しいくらいお肉も食べてみたい。
おねえさんは……、本を書いてみたい。
本? 作家さんになりたいの?
そう。恥ずかしがり屋だから、厳しいとは思うけど。
恥ずかしいと本が書けないの?
本を書くことは、自分を見せることと同じだと思うんだ。
それでも、僕よりよっぽど簡単そうだよ。
だっておねえさんは少なくとも、お腹がすいていないでしょ。
……確かに、そうだね。本当に夢だっていうならちょっとくらい頑張らないといけないね。




