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第92話 時限爆弾爆発

「はあ!? ちょっと博士どういうことよ!」


「そのまんまの意味だよバニー……ここに浮かんでいる子達は僕とKの子供だ」


 はい、絶賛修羅場っている現場の仲裁を任されたKです。


 俺が前、博士に精子を提供したことがあったが、それを体外受精で子供を勝手に造っていたことを博士がバニーにぶっちゃけた。


 それにブチギレたバニーが居て、事務作業をしていた周りから何とかして下さいと頼まれて仲裁をすることになった。


「まぁまぁ2人共落ち着いて」


「なんでKは落ち着いていられるの! これは明らかに博士の裏切り行為でしょ! オママの所に精子を預けて子供を作っていたのは100歩譲って業務提携的に仕方がなかったとして……博士がやったのは独断で子供を作っているんだよ! Kとの子供を使えば組織を簒奪することも可能でしょ!」


「落ち着け! バニー! 一旦冷静になれ。他の社員もいるんだから……お前は組織のトップなんだからどっしり構えてろ」


「……叫んで悪かったわ。皆もごめんなさい」


「場所を移そう。総領室で話し合うぞ。いいな」


「「はい……」」


 2人を総領室に異動させて、俺は近くに居たカツオ怪人のスジに小型のスピーカーを渡した。


「お前らも聞いておいて損はないだろ……というか気になるだろうからスピーカーで聞いておけ」


「いいゼヨ?」


「業務に集中できないだろ……こんな状態じゃ……」


 俺は手でシッシッと解散を指示してから総領室に入っていった。








 コーヒーを淹れて、シュガースティックとミルクを付けて2人の座っている場所に差し出す。


「で、どういうつもりだ博士……いや、翠と言った方が良いか? この場合は」


「Kも勘違いしているようだから言っておくが、別に私はブラックカンパニーの事を考えて私の子供を作った訳だが……」


「それじゃあKじゃなくて適当な男の精液でも良いじゃない」


「いや、Kじゃないといけない理由があるんだよなぁ〜……バニーもKも人間の肉体にはそれ相応の器というのがあるだろ」


「なによ急に……」


「バニー、一旦博士の話を聞こう……少し黙れ」


「うぅ……はい」


「理性的で結構。まずは人間の器の問題を話さなければならない。人造ヒーローやその製造装置、そしてオママの育成技術などを色々調べていった結果、人間は外部から能力を付与した場合肉体に多大な負荷をかけてしまうことがわかった」


「私は前に人造ヒーローの知性等にリミッターが掛けられていると言ったが、あれは肉体を守るための処置であることが判明した。強靭な肉体や高い頭脳を持つ場合……人という枠組みから逸脱しそうになると強力なロックがかかるように人間という生物はなっている」


「このロックを時間をかけて外すのが超人化薬や怪人化役だ。で、両方の薬にも欠点が存在する。超人化薬は超人になれる代わりに両親や遺伝子的な優位性に大きく依存し、両親の才能より120%以上の個体は突然変異以外は出てこない様になっている」


「強いヒーローと強い怪人の子供は強い怪人の適性を持った子供が産まれるってのが分かっているように、ヒーロー同士の方がより顕著となる」


「今は緊急事態でそうも言ってられないが、S級ヒーローとS級ヒーローの子供は理論上80%から120%の間の子供が産まれることになるからブラックカンパニーがたまたま攫うことになったハイスペックバージョンの人造ヒーローは将来的にはS級ヒーローになれる素質を持って産まれて来ているし、産まれる段階で下駄を履かされている様に調整さろているんだねぇ」


「でた、その技術を使って私は私の頭脳をコピーしたクローン人間を製造しようとした」


「あまりに忙しくて私だけでは頭脳担当が足りなくてね……で、問題になったのが、私自身が突然変異型であった点で、私の頭脳を移植した場合、普通の人間の肉体……私のクローンであろうとキャパオーバーを起こし、使い物にならないというのが判明した」


「さてどうしたものかと考えた時にキャパを上げる事の出来る人物を私は知っていた。それがKだ」


「元々好意を持っていたのもあるが、Kは超人として肉体のキャパを引き上げる因子を持っている。それがオママから受け取ったKとヒーローの子供だ。私だって驚いた。初期状態で怪人適性率100%なんだから」


「で、Kの遺伝子を解析して特殊な因子があることがわかったから、私とKの遺伝子で子供を作ることで私の頭脳をコピー……いや更に向上した存在を生み出せると思ってね。実験してみた結果が僕の5人子供達になる」


「簒奪の気持ちなんてないさ。逆に珍しく将来のブラックカンパニーの事を考えて私と同等以上の研究員を確保しただけさ」


「これで分かってもらったかい? バニー」


「ええ、よく分かったわ。博士が御託を並べて言いくるめようとしているけど、結局Kとの子供が欲しいってことがね」


「おいおい、話を聞いていたかい?」


「だったら時期がおかしいのよ。それをやるなら私が妊娠して出産してからでも良かったじゃない! なのに体外受精とは言え私より早くKとの子供を授かった事になる! 超とかは可愛げがあったわ。私をちゃんと立てて私が妊娠、出産してからKとSEXしたいって言っていたからね!」


「でも博士! あんたがやったことは私への当てつけよ! どんなに御託を並べてもそういう事になるのよ!」


 沈黙が場を支配する……。


 結局の所博士の横恋愛の延長行為が事の発端であり、バニーの言う当てつけということもよくわかる。


 バニーにとって博士の行為は許されざる行為である。


「じゃあバニーどうする。博士を追放でもするのか?」


「それは……」


「できないよなぁ……」


 俺はバニーに問いかけて、バニーは口ごもる。


 そうできないのである。


 若が言った様にブラックカンパニーは俺と博士が居るから成り立っている組織であり、正直バニーよりも会社としての重要度は博士の方が高い。


 それが分かっているからバニーは口ごもる。


「博士、悪いことをしたな〜、そこまでして俺の事を振り向かせたかったのか?」


「それは……」


 こっちも口ごもる。


 悪いことをした自覚や罪悪感はあるからだ。


「作っちまったもんは仕方がない。博士の手足となる人材を確保できてなかったブラックカンパニー側の落ち度だ。バニー、今回は負けを認めろ」


「認めてどうするのよ!」


「負けたが条件を飲ませることは出来る。バニーの子供以外にブラックカンパニーを継がせない事を博士にも認めてもらえば良い。バニーが焦っているのは組織の簒奪という部分も大きいんだろ? 残りは感情だ」


「う……」


「男を取り合って友情関係が壊れる……当事者が取り持つって普通やらねぇからな。全く、若が生きていたら両方感情的になりすぎだし、部下に要らぬ不安を与えすぎとキレられているぞ」


「「ごめんなさい」」


「まぁあれだ……両方組織がデカくなってストレスが溜まってたんだよ。両方とも明日は休み。今夜から俺と1日付き合え。3人でストレス発散するぞ」


 ということで無理やり決着させた。


 そのまま総領室から出た俺は他の皆にバニーと博士と一緒に早退すると言い、退勤して俺とバニーの家に博士も連れて行った。


 飯食べて、3人で風呂に入って、翌日の昼頃までまぐわって、飯食って、風呂入って、またまぐわって……。


 1日休んだ後、俺はげっそりしていたが、バニーと博士はツヤツヤしていたが、ピストンされ過ぎて歩き方がおかしくなるのだった。


 博士とバニーも仲直りし、竿姉妹になったことで前よりも仲が深まったようにも感じた。

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