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第88話 Kとヒーローの子供 オママの暗躍

 プカリプカリと女性が博士が改良した人造ヒーローを製造していた装置に類似した円柱型の機械の中に浮かべられていた。


「すっかり忘れていた。オママからそう言えば俺の精液で捕らえたヒーローの1人を受胎させてそのうちの1人を譲ってもらうことを……博士この子はどんな感じですか?」


「うむ、製造段階で怪人適性率が100%……いつでも怪人に出来る状態だねぇ。筋肉や骨の密度、内臓の機能も常人の数倍……生まれながらにして超人だよ」


「俺の種が良かったのか、ヒーロー側が母体として優秀だったのか……」


「それはサンプルが少なすぎて分からないけどバニーは何て?」


「体外受精とは言え私より早く子供が出来るなんて! って荒れていたな。まぁこの子にブラックカンパニーの継承順位はバニーとの子より低くすることや他の社員と同等の扱いにすると言ったら納得はしてくれたが……」


「バニーも感情的になりやすい傾向があるからねぇ……酒を飲むと特に……やけ酒で結構飲んでたんじゃないか?」


「滅茶苦茶飲んでいたな……朝になったら理性を取り戻して俺の子供だから戦力として期待しようってなったが……」


「で、成長促進と刷り込み教育、怪人化薬の投与はどうなるんだ?」


「怪人化薬の投与はもう少し見送ることにするよ。今6歳くらいだが、15歳くらいまでは成長させよう。刷り込み教育もちゃんと機能するか確認の意味があるから……もう少し様子を見てからかねぇ」


「まぁ戦力になるなら良いや。悪かったな業務を増やして」


「いやいや、オママの所の進んだ体外繁殖方法の確認と成長促進薬の比率の調整等の実験の良いモデルケースになった。1週間程度で最終調整は終わるだろうねぇ」


 ふと疑問に思ったので博士に聞いてみる。


「なぁ博士、人造ヒーローを作るってなった場合、博士ならどれぐらいで1人当たりの日数が必要になるんだ?」


「うーん、そうだねぇ……1体当たり2ヶ月と言ったところかな」


「2ヶ月……」


「並列してやれば更に大量に作ることは可能だろうけど……それにはヒーロー達の卵子提供が間に合わないから質が落ちるだろうねぇ」


「前にレグレスが持ってきた遺体でこっちに居る人造ヒーロー達と合致する遺伝子はありましたか?」


「うーんそれなんだが、おそらく父親方……精子提供側は多かったが、卵子に関してはバラバラだったねぇ……だから質だけならブラックカンパニーに居る人造ヒーローの方が高い。人格を抑制する薬の投与が完成間際までされてないのを見るにハイローミックスの考えで動いているんじゃないか?」


「ハイローミックスですか?」


「そう。Kが奪ってきたのはたまたまハイスペックタイプで、ロースペックタイプが繰り上がって暫定的な運用をされているんじゃないかねぇ……じゃないと私なら人造ヒーローをこんな使い捨ての様な運用はしないと思うけど」


「……もしかしたら本命はまだ調整しているか鍛えている?」


「可能性は高いねぇ……と、私的にはもっとKとヒーローの子供について調べたいよ」


「それまたなぜ?」


「だって初期状態で怪人適性率100を超えているんだよ。ハイスペックタイプの人造ヒーローでも適性率は高くても50%くらいだった。となると100%を超えた理由はKにありそうだねぇ……精子提供してくれないかい?」


「……まぁ今日バニーに機嫌直してもらうために多分ヤるからその時に使ったコンドームを持ってくるよ」


「あ、いや、流石にコンドームを持ってこられても困るから、こっちで頼む」


 博士がそう言うとスポイトと試験管が渡された。


「コンドームの精液をスポイトで吸って、この試験管に移してくれ。コンドームだと精子がどんどん活動を停止していくからな」


「わかりました。この試験管に入れればいいのな」


「あぁ、この試験管なら精子を殺す事無く長期保管することが出来るからねぇ」


 しかし、博士が考えている以上に俺の体は謎が多い。


 と言うか昔に精子を用いた検証はしたハズ……。


 それを踏まえての再度実験なのだろうが……。


 体質として割り切っていたが、怪人適性率も前まで10%前後はあったが、今では5%を割っている。


 改良型の怪人化薬を飲んでこれだ……普通適性率は上がらないとおかしい。


 一体俺の体に何が起こっているんだ? 










「あら、ワン君とジオツー君じゃない、今日も遊びに来たのね」


 モノワンとジオツーはすっかりオママの娼館にどハマリし、休みの日はほぼ毎回訪れるようになっていた。


「ね、ねぇ……オママさん、身請けする場合ってどれぐらいお金かかるの?」


「うーんそうねぇ……1人250万くらいかしら。勿論一括ね」


「うっ……俺達のお給料だと5ヶ月分……」


「何身請けしたい子でも居るの?」


「「……はい」」


「や~ん可愛いわね。ならキープしておくからその子と今日遊んでいく?」


「「はい!」」


「初々しいわね! えっとワンが25番、ジオツーが37番の子ね。キープしておくわ。身請け出来る金額と……そうね会社から許可は得ておきなさいよ。めんどくさいことになるから」


「「はーい!」」


 2人は娼館で遊ぶのだったが、遊んだ時のコンドームはオママ側が回収し、地下で飼われている繁殖用母体に注入され、新しい赤ん坊が産まれてくる。


「うーん、ワン君とジオツー君は今のところ箔が無いからS級怪人相当の父親の子供ってこっちが箔付けしないと赤ん坊が売れないのよねぇ……K君に言って2人を早く怪人マッチに出場させて階級と外部に露出してくれたら売値が釣り上がるんだけど……」


 オママの人身売買は戦闘員の加工売却だけでなく、捕らえてきた女ヒーローを繁殖母体、男ヒーローを種牡馬扱いして子供を別の組織や闇の孤児院に売却することをしていた。


 オママにとって赤ん坊は商品なのである。


「うーん、中立地帯と言っているけどブラックカンパニーの子会社になったことで娼館の売り上げが下がっちゃったからこっちで取り返さないと……売り上げ上げて、私のイケメンコレクションを増やしたいわ!」


 オママもオママでだいぶ悪いことをしているのであった。



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