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第87話 ジオツーの怪人化

 遅れていた人造ヒーロー達の怪人化が順次行われていった。


 まず現段階で行われていたのはモノワン、トリサード、テト、デカの4名。


 モノワンは宇宙戦士の様な巨大化とビーム、それに飛行能力を備え、トリサードとデカはそれぞれ兵器を模した怪人となり、トリサードはエイの様な高速爆撃機、デカは車両という括りならある程度は自由に変形することができた。


 トリサードとデカは人間形態でも兵器を擬人化した様な容姿に少し変化し、トリサードは小柄ではあるが翼の生えた姿をしていた両腕はジェットエンジンの排熱部分の様な見た目に変わり、足の太ももにもジェットの噴出口が付くメカメカしい見た目へと変化していた。


 で、5番目に怪人となったのはジオツーであり、4人から1ヶ月近く遅れての怪人化であった。


 怪人化した彼は元々肉体を硬化させる超人としての能力を保持していた為に、それを発展させた肉体に変化すると思われたが、実際に出てきたのは薄紫色のすべっとした肉体をしていた。


 詳しく説明すると肉体の色は薄紫、髪の毛は無くなりツルッとした坊主であるが、髪の毛が生えていた部分はメタリカルな灰色となり、首元まで続いていた。


 目は糸目で胡散臭いというより優しさが滲み出ていた。


 他の特徴として挙げられるのが尻尾である。


 トカゲの様な尻尾を更に太くしてツルッとした肌触りにした感じであった。


 見た目の変化が著しいが戦闘能力も大きく向上し、飛行することも可能。


 指先に力を集めることでビームだったりエネルギー弾を放つことも出来る。


 何より強いのは防御力で、レグレスの極太ビーム攻撃、イエローの雷より強い電撃でもダメージが入らない。


 超と近接戦闘でも互角の力を有し、自由に空中移動が出来ない超よりも、空を飛べる点でやや有利とも言えた。


 調子に乗ってこの力であればKを倒せると豪語し、Kに挑むが、一瞬で下半身を消し飛ばされ、顔面を握りつぶされ、ジワジワ殺される恐怖を味わった。


 幸いにも挑んだ場所が戦闘訓練室だった為に、絶命しても再生することが出来、直ぐに復活したが、現状防御力だとワンと互角かややジオツーの方が上、制圧力は1対1を基本とするため最下位、移動速度も常識の範囲内の速さとタイマンである怪人マッチでは無類の強さを発揮するタイプであると思われる。


 なのでジオツーは容姿も大きく変わっているため、人造ヒーローとバレる心配もないので、ある程度鍛えたら怪人マッチ行きが確定したのだった。










「後輩達が才能あるしどんどん強くなるから僕達も頑張らないと!」


 元から才能のある人造ヒーロー達が次々に強力な怪人になっていくのを見ていたイエロー、レグレス、超の3人はより強くなるための特訓を開始。


 会社としても3人娘を看板戦力としてプッシュしているので強くなくては困る。


 レグレスが量産されるヒーローとぶつかり、1人で撃退することに成功したか、量産ヒーローの死体から薬物の投与による人格の希薄化が行われていることがわかり、おそらくヒーローサイドも色々実験をしている段階だと分かる。


 本格的に稼働した場合、ヒーローの質が上がり、全員A級、S級相当の能力を確保すれば、ブラックカンパニーでも大きな打撃を受ける可能性が高い。


「先輩達を追い越せ!」


 一方で元人造ヒーローだった怪人達も3人娘がトレーニングの量を増やしたことで、対抗意識が湧いてハードトレーニングを続けている。


 実年齢的に社会経験が不足し、事務作業に不安があるため、バニーは戦闘力強化を行う彼ら彼女らの行動を黙認。


 事務作業は新しく子会社や吸収した怪人を積極的に活用することで穴埋めを行った。








 9月中旬……樺太ではこの時期が一番雨が降るシーズンであるが、降水量は同時期の東京の半分ほど……まだ雪になる季節でもないので、冷たい雨が時折降るという感じである。


 大規模なロボット工場がフル稼働し、日産10台の人型ロボットや工事用ロボットが建造され、次々に怪人用の住宅や戦闘員用の社宅が建造されたり、各種プラントが建造された。


 石炭の液化プラントだったり、石油の重油や軽油、ガソリンやハイオク等の成分ごとに分離させたりするプラントである。


 一応稼働を始め、闇市場経由で売られ始めている。


 元々ブラックカンパニーと交流があった海外の軍事企業達が予備燃料として買う程度であるが税金がかからない為にガソリンでも1リットル80円前後で売ることが出来る。


 液化石炭のガソリン代用品も同等の値段で販売しているが、こちらは売れ筋があんまりよろしくない。


 まぁ買う所は買う程度である。


 それでも毎月数百万リットル(数千トン)近くの燃料の購入を予約してくれたお陰で数億円の利益が出ることは確定した。


 現状ブラックカンパニーの人件費が毎月約1億2500万くらいなので燃料販売だけでとりあえずペイに出来る計算になっていた。


 あと利益が期待できるのは漁業と天然ガスであるが、漁業は数ヶ月は習熟の時間がかかるため稼働するのは来年からになると思われる。


 一応順調そうなブラックカンパニーであるが問題もある。


 物資の購入を闇市場に依存している点である。


 闇市場の場合何らかの理由で締め出されてしまうと、全ての物品の輸入が滞ってしまう為に複数のパイプが欲しくなる。


 リスクの分散である。


 更に元々ブラックカンパニーの弱点である武器の製造や開発も着手しなければな戦闘員の戦力化は期待できなかった。


 そんな最中、Kが忘れかけていたKとS級相当のヒーローの子供が成長したという連絡が届くのだった。

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