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第86話 吸収された社員の声

「いやぁ~ブラックカンパニー様々だわ」


「本当にそれな! 幹部の人達には悪いけどあのまま小さい会社のままならヒーロー達にすり潰されていたし、助かったわ」


 ブラックカンパニーの石油採掘場で働く子会社になった会社の戦闘員達が会話をしていた。


「俺達の会社が子会社になったからかブラックカンパニーも大企業に数えられるだけの人員が確保できたし、滞っていた資源採掘も出来るようになったからな!」


「それにブラックカンパニー金払いが良いよな……戦闘員でも手取り20万だぞ20万! 前の会社だと怪人でも手取り25万だったのに」


「うちなんか戦闘員の手取り8万だったぞ。マジで切り詰めていたから親会社が変わるだけで万々歳よ」


「それもあるけどよスーツの質が滅茶苦茶良いよな。弾丸が効かないし、防寒、防熱だからシベリウスの寒さもマスクを被っていれば大丈夫だし」


「それに社宅も広いし、怪人に成れれば家を会社からプレゼントだろ……福利厚生凄すぎだろ」


「私的には食堂と大浴場が本当にありがたいわ。食堂に行けば食事を無料で食べられるし、大浴場でゆったりお風呂に浸かれれし」


「わかる! 最高よね!」


「それに怪人化薬もブラックカンパニー凄いらしいぞ。何でも新型の怪人化薬を使ってから4人の戦闘員が怪人になったらしいが、全員S級相当の戦闘力らしい」


「マジか! そりゃすげぇ! 威張っていた怪人達を見下す日も近いかもな!」


「それにブラックカンパニーは真面目に働けば2年で怪人化の許可が下りるんだと」


「マジか! うちの会社5年勤めても怪人化の許可降りなかったぜ」


「それ会社が怪人化薬が買えなかったからじゃないか?」


「確かに……でも石油や炭鉱を手中に収めたブラックカンパニーならそれだけの給料や福利厚生を賄えると!」


「一気に俺達勝ち組だ! よっしゃあ石油をガンガン掘って評価を上げて怪人になるぞ!」







 新規加入した戦闘員達は大喜びであったが、買収された企業の幹部だった怪人達も喜んでいた。


「壊滅的な打撃から短期間で再興して広大な土地、充実した戦力、そして莫大な資金力に高い技術力……もっと早くに子会社になるべきでしたかな」


「いや、今のブラックカンパニーの総領……社長と旦那さんがやり手だ。旦那はS級を圧倒する戦闘力を保持するK君だ。彼が実権を握ったから我々は使い潰される心配無く吸収してもらえた」


「しかりしかり、我々は最高戦力がB級程度の弱小怪人しか生み出すことが出来ない環境だったが……ブラックカンパニーの技術によって後輩達は強い怪人にさせてやることが出来る」


「それに資源採掘事業に我々は割り振られましたからブラックカンパニーの採掘ユニットに乗って採掘するだけで良い。人材が使い潰される心配をしないだけでもありがたい」


「創業者達には悪いが、会社として居ることが出来た。義理は通せただろう」


「「「しかりしかり」」」


「いや、ヒーロー側がまさか人造のヒーローを量産しているとは……」


「早めに動けて幸いでしたな。日本のヒーローが活動出来るのは日本だけ。ロシアはヨーロッパ方面に精一杯で極東は戦力がスカスカ……K殿は良い場所を選ばれた」


「過酷な北方の大地とは言え石油、石炭、木材、天然ガスに漁場としても優れている。日本という場所に固執している頭の硬い連中より動きが早く柔軟だ。我々も培ってきた事務面で活躍できる」


「しかも我々怪人は家を1軒与えられる好待遇……普通にC級、B級は大企業でも使い捨てられる可能性がありましたからな」


「給料面も良くなった。手取りで50万に更にボーナスまで貰えるとなればやる気が出る。お陰で子供を育てる余裕が出る」


「お、子作りするのですか?」


「ええ、私も妻もまだ30代。しかも子供はブラックカンパニーの技術で戦闘力の高い怪人に成れる可能性が高いと保証されている……これは子孫を繋げることを諦めていたが、やる気がみなぎりますよ」


「戦闘力の低い怪人は店を開く権利も与えられていますからねぇ……私はここオハ基地の地下でスーパーでも開こうかしら」


「いいですな。では私は酒場でも開きましょうか。酒が飲める場所や酒を買う場所は必要でしょうに」


「お、良いですなぁ……是非とも行かせてください」


「いやぁ~希望がありますなぁ……」









 そんな新しくブラックカンパニーに吸収されたり、子会社となった企業達を統率する立場になったブラックカンパニー……というより博士がフル回転で働いていた。


「あぁやっぱり小さい会社ばかりだから研究員を雇う金が無いねぇ……お陰で私が凄く忙しいよ」


「お疲れ様です博士」


「全く! もっとねぎらってくれよK」


 実際博士は凄い頑張っていた。


 ロボット工場の増設や購入時には枯れた炭鉱や油田扱いであった場所を独自の技術で採算が取れるくらいに資源が出るようにし、採掘事の事故を減らし、採掘量を増やすための採掘ユニットを開発、量産。


 他にも効率的な石炭を液化させ、石油の代替品にするプラントの建設や海底の天然ガス採掘プラントの設計も行っており、天才的頭脳をこれでもかと使っていた。


「全く、過労死してしまうよ」


「その割には8時間毎日ぐっすり眠っているのでは?」


「今までは毎日4時間程度の労働で事足りていたのだよ! 今は10時間も働いているんだ! 2.5倍だぞ!」


「でももう少ししたら落ち着くんじゃないの?」


「当たり前だ。一番忙しい時期は終わった。あとはKが鹵獲してきたハウニブ……円盤爆撃機を漁船様に改修し、量産するくらいで落ち着くハズだ。人造ヒーロー達の怪人化も忙しくて出来ていなかったからな。もう少し落ち着いたら纏めて怪人化を進めよう」


「お願いしますよ」


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