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第85話 オママの会社襲撃 大企業ブラックカンパニー

 Kのおじさんから私はオママの所を1ヶ月間守るように言われたけど、やることは受付で待っているだけ。


 まぁ営業時間後はマッサージを受けたり、オママの所の嬢達が使うお風呂に入らせてもらったり、食事を作ってもらうので不自由は無い。


 正直、オママの所は悪の組織とは言えない、違法風俗程度なので来るとしても警察程度だろうと思うのだけど……。


 まぁ人身売買もやっているので真っ黒ではあるが……。


 そんな警戒しなくても良いだろうと私は思うのであるが、警備として張り込んで2週間……Kおじさんの嫌な予感というのは当たるもので、レオタードの様なコスチュームを着た15、16歳程度のヒーロー達が監視カメラで近くに来ていることがわかった。


「こっちの事を嗅ぎつけて来たわね……レグレスちゃん、商品や備品の移動に3時間ほどかかるわ。それまでの時間稼ぎをお願い」


「わかりました。この拠点は壊れても?」


「地下に被害が出なければ壊れても問題ないわ」


 ということなので私は無線式ビットを肩甲骨付近にある格納ボックスから6基射出すると、街をうろついているヒーロー達に攻撃を仕掛けた。


 脳内にビットから送られてくる映像や音からビットを操って攻撃していくが、レオタードの布部分に当たってもビームの効果が無い。


 露出している肩から上……特に顔面当たりを当てなければダメージが入らない為に苦戦するが、ヒーローとしての実力はB級からA級程度、三次元の高速機動をするビットは撃ち落とせまいとしていると、パンとビットが破裂した。


 他のビットが目撃していたが、狙撃であり、凄腕の狙撃手が居ることが判明する。


 現在倒すことが出来たヒーローは3名。


 少なくともまだ25名以上のヒーローが街をうろついている。


 稼げた時間はまだ30分……それでビットを1基失った以上、これからもビットは撃ち落とされていくだろう。


 そうなると……私が出て街で暴れた方が時間稼ぎになると判断した。


 オママのビルを出ると浮かび上がり、空中から攻撃を仕掛ける。


 地上からビームだったり光線、砲弾、氷塊、炎や電撃等が飛んでくるが、避けたり、装甲で普通に防御し、有線指型ビットを射出。


 地上付近を飛び回りながらヒーロー達を倒していく。


 ガトリング砲やミサイルでもヒーローを攻撃するが、攻撃を受けたヒーロー達は感情が希薄なのか、腕がもげていたりしても苦痛の表情を浮かべずに攻撃を続ける。


 時に私を囮にして狙撃手を釣り出し、無線ビットで狙撃手を逆に狙撃し、狙撃手の頭がビームで爆ぜた。


 するとヒーロー達は作戦の失敗を悟ったのが次々に郊外に逃げ始める。


 私は倒したヒーロー達の亡骸を捕獲銃で回収していき、オママのビルに誰か入らないか警戒しながら様子を見るのであった。







 3時間の時間を稼いだ私も樺太の基地に撤退。


 オママは設備や人員全てをブラックカンパニーのオハ基地に移動させたらしく、空き地に置かれたのをロボット達がえっほえっほと運んでいた。


「戻ったよ〜」


「レグちゃん良かったわ! 無事で……そして助かったわ! ありがとう」


「いえいえ、オママも災難でしたね」


「全くよ……でも人員も設備の殆ども避難できたから良しよ」


 するとKおじさんもやって来て


「オママ大丈夫だったか?」


「K君大丈夫よ。レグちゃんがしっかり時間稼ぎしてくれたわ」


「ナイスだ! レグレス」


「当然よ! それよりはい、これ」


 私はヒーロー達の亡骸をKおじさんに提出する。


「今回襲ってきたヒーロー達の亡骸。何か使えるんじゃないかと思って持ってきたわ」


「博士に回してみよう。とりあえずオママの店の移転作業をするが、レグレスも手伝ってくれ」


「わかったわ!」












 ブラックカンパニーの人員とオママの人員をフル稼働したお陰で半日で移転作業は終わった。


 店として再開するのは予定通りあと2週間後になるし、それまでに施設の内装などを整えるつもりである。


 それでも日本の中小企業の間では中立地帯であり、人材ブローカーとして活躍していたオママの店がヒーローによって襲撃されたことや、ブラックカンパニーの子会社になったことは闇サイトのネットニュースになるくらいには衝撃を持って受け取られた。


 今まで中小企業はオママを経由してある程度の戦闘員を確保していた所も多く、オママから流れてくる人材は他の所よりも戦闘員の質が高いことで有名だった。


 それがブラックカンパニーの子会社になったということでブラックカンパニーと関係が悪ければ取引が停止させられるかもしれないとブラックカンパニーの本拠地が壊滅したことで利益を間接的に得ていた連中が危機感を覚えるには十分だった。


 で、いよいよヒーロー側が悪の組織に対して本格的な攻勢を仕掛けてきていると察知した組織は戦力の増強、同盟関係の強化、国外に拠点を移したりと慌ただしく動き始める。


 ブラックカンパニーにも同盟を誘ってくる連中が多かったが、基本的に断り、あくまでブラックカンパニーは中立勢力でいると表明。


 ただ子会社になりたいと会社を買って欲しいと言ってくる連中は別として受け入れた。


 子会社になるということは事実上悪の組織としての看板を降ろす事になるため、普通であるばやりたくない選択肢である。


 上層部も立場や権力を失ってしまうので創業者の一族なんかは抵抗する場合が多い。


 しかし、今回子会社になりたいと言ってきた5社は創業者一族が何らかの理由で断絶しており、代理を立てて会社を運営していた中小企業であり、北樺太の炭鉱を採掘することや関係者向けの小売店を作ることで稼いでもらおうということになった。


 5社約250人の人員が流入したことでブラックカンパニーは悪の組織の基準で大企業の基準を満たし、大企業へとランクアップを果たす事になるのだった。

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