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第8話 怪人の結婚事情 娼館でのマッサージ

「ねぇ! おじさん!」


「なんだ?」


「フーフー! おじさんって! 一人暮らしなんでしょ!」


「戦闘員やってるやつはほぼ一人暮らしだぞ」


「くうっ! やっぱり怪人になってから! 家庭持つの?」


「まぁそうだな。はいオッケー、バーを下ろせ」


 ゴトっとベンチプレスを下ろす。


 戦闘服込みとは言え初っ端から80キロのベンチプレスを喋りながら出来るとは流石だ。


 普通の女子高生だったら20キロもできないだろう。


 俺はM(前沼)が何を聞きたいのか探ってみた。


「なんだお前好きな人でも居るのか?」


「そんなんじゃないわよ……将来好きな人ができた時に向けてよ」


「Mみたいなメンヘラクソガキが好きになるような奴はだいぶ危ない奴だから気をつけた方が良いぞ」


「何よ! おじさん私をそんな風に見てるわけ!」


「ああそうだ。クソガキ。中坊に毛が生えた様なもんだろ。JKの年頃だけど思考がクソガキなんだよ。パパ活して痛い目に遭いそうだな〜としか思わねぇな」


「おじさん嫌い!」


「そういうところだぞ……まぁ良いや。何、怪人の結婚事情でも聞きたいのか?」


「どちらかと言うと家庭事情かな」


 休憩がてら少しMの質問に答える。


「怪人って悪の組織にとって大切な社員であると同時に戦力でもある。これは分かるな?」


「うん」


「だから他の人と結婚する場合3つの方法がある。1つは社内婚、2つ目が娼館から買う。3つ目は業務提携している会社の怪人と結婚する……怪人の結婚事情はこんな感じだ」


「なんか出会いが全然無いわね……」


「怪人なんて会社に紐付けされているんだ。結婚となるとこの3つ以外はオススメできねぇ。ハニートラップの場合があるからな」


「ハニートラップ? 怪人に?」


「そう怪人に、悪の組織の中で悪名高いラブプラネットという組織がある。聞いたことぐらいはあるか?」


「悪の組織でも一流の大手企業! 学校でも入りたい人が殺到してたわ!」


「あそこはここ10年でのし上がった会社なんだが企業を拡張するに当たりハニートラップを積極的に行ったんだ……男女問わず。アイドル事務所の表の顔があったから候補生としてイケメン、美少女を囲い込んで、洗脳していき、売れない年齢になったり、人気が落ちてきたら娼婦や男娼を作って怪人に売っていったんだよ」


「で、怪人と会社の繋がりを作り、ターゲットの怪人の会社を調べ、それよりも良い条件を提示して引き抜く。怪人の妻や旦那は専業主婦や専業主夫になることが多く、家の金銭管理を任せられるからどれぐらいの給料を貰っているか、社宅に住んでいれば社宅のランク、怪人達と生活すると出てくる会社の愚痴……簡単に内情を調べられるから、それをラブプラネットに流し込めば……って話だ」


「怪人側はより良い労働条件で働けるから縁切りしてラブプラネットに移籍する怪人が続出……勿論これに怒った企業達も居たが、企業側の情報を抜き取られているからその情報を特殊なコネでヒーロー側に売って、ヒーローに会社を攻撃させたり、ラビプラネット側から攻撃を仕掛けたりしてのし上がった。今はハニートラップをすることはほぼ無くなった……する必要が無いくらいデカい会社になったが、業界では第二、第三のラブプラネットを狙って暗躍しているところも多い」


「だから結婚は徹底的に信用できる場合や裏が無い場合に限り会社から許可されるってのが殆どだ。ブラックカンパニーも結婚は許可制だぞ」


「すっごい業界の生々しい話ね……じゃあ好きな人と一緒には成れないの?」


「一夜限りの関係とかは普通に大丈夫だ。特に金が絡む場合は会社から黙認される事が多い」


「それまたなんで?」


「金による売買も一種の契約だ。双方個人間で売買した場合、一定額以下なら企業は口出ししてはいけないってルールが全体である。だからナンパされて一夜限りの関係で……みたいなのは普通にあるし、能力の低い怪人はナンパテクニックを磨いて一夜をして相手の細胞を入手し、それを会社が培養してクローン戦闘員を作る……なんて場合もある」


「夢が全くない……」


「生き残る為だ仕方がないだろ。怪人になっても当たりハズレがどうしても起こる。企業の技術力が無くて市販の怪人化薬しか入手できない企業からはほぼ強い怪人は生まれない。そんな怪人でも戦闘力以外の方法で生き残ることは可能だし、それでうまくいって成り上がった人物だって居ないことはない……いや、ラブプラネットの社長なんかは弱いサキュバス怪人だが、あの手この手で資金とコネを集めて、今では大企業の凄腕社長だ。結婚や恋愛にしても裏側は成り上がるための手段ってのを忘れるな」


 休憩終わりでMには縄跳びをやらせて、Fにベンチプレスを交代する。


「じゃあ怪人に成れないおじさんは一生独身じゃん」


 とMが呟いたのを俺は聞いてしまった。











「はい、1週間お疲れ様でした」


 入社から1週間、ひたすらトレーニングを繰り返し、3人共毎日筋肉痛と成長痛で全身バキバキ状態である。


「今日はマッサージ受けに行くぞ」


 そう言って、戦闘服のまま屋上に移動し、3人のワープベルトに場所を入力する。


「Kさん、これも業務の移動になるっすか? マッサージ受けに行くのも」


「福利厚生として業務提携している場所に行くから業務範囲内だ。あと普通のマッサージ店では無いし、今後度々お世話になる場所だから相手方に粗相が無いように気をつけろ」


「Kさん、粗相ってなぁに?」


「悪いこととかだ。Aは相手に挨拶して、触ってはいけない物に勝手に触ったり、行っちゃ駄目な場所に行かなければ大丈夫」


 俺がAアリスにそう伝えるとワープを開始した。


 ワープが終わるとちょっと薄暗いシャッター街の中だった。


「ここだ」


 目の前のビルには水商売の看板が並んでいた。


「えっ……Kさんここって娼館じゃ」


「まぁ良いから入れ」


 俺が3人を連れてビルに入ると、出てきたのはオママ。


「あらまた来たのK君」


「今日は新人の研修も兼ねてるんだが、トレーニングさせて成長痛と筋肉痛でガッタガタだ。マッサージして欲しい」


「わかったわ」


 オネエのママさんが受話器を取り出して何か喋ると、エレベーターに案内された。


「K君も受けていく?」


「そうしますわ、1時間コースで」


「はーい」


 3人もエレベーターに乗り、3階に案内されるとエステベッドが並んでいる部屋だった。


「「「お待ちしておりましたお嬢様方」」」


 そこにはイケメンが並んでおり、白衣を着てマッサージの準備をしていた。


「オママ、またイケメン増やして」


「男娼だけの需要が少ないのよ。男の子抱えるってなったらマッサージ要員にしておかないともったいないじゃない」


 オママがそう言う。


「え? この人達も売ってるんすか?」


「えっとお名前は……」


「オママ、戦闘員Fだ」


「Fちゃんね。そうなのよ。この子達も売り物なのよ。怪人の素養は無いから戦闘員としては売れなかったけど、顔と体とテクニックは抜群よ。買ってみる? サービスするわよ」


「だ、大丈夫っす!」


「あらあら、顔を真っ赤にしちゃって……初心ね!」


 マッサージ台に寝かせられると温かいタオルをかけられて、グイグイと押し揉まれる。


「あぁ~気持ちいいわ!」


「いた気持ちいっす!」


「気持ちいい」


「これで痛みがあんま無いって結構やばいわよ。これは1時間半コースね。随分とハードトレーニングやらせているじゃないK君」


「それだけ期待出来る子達でね」


「なんすか! デレってやつっすか!」


「おじさん急に褒めても〜何も出来ないよ」


「褒める時は褒めるが、才能を褒めただけでまだ開花してねぇからな」


 そのままマッサージを受けること俺は1時間、3人は90分コースで揉みほぐされ、オママに会社負担でと領収書を書いてもらい、娼館を後にするのだった。








「あの場所って普通の娼館じゃないんすか?」


「あー、あそこは人身売買の取引所でもある。捕まえたヒーローとかを売るのがあそこだ。仕事で捕まえた時はクライアントの指示に従うが、それ以外……日常で襲撃される事がたまにあるんだが、そういう時に捕まえた奴をあそこで売る。ちなみにブラックカンパニーではヒーロー以外の売却は認めてねぇから間違っても一般人を売って金にしようなんて考えんなよ」


「わかったっす……あれでもそしたらブラックカンパニーはどうやって戦闘員を補充してるんすか?」


「求人と闇市場で売られた一般人を洗脳して買い取ってって感じだな。今うちの会社の戦闘員は50人居るが、5人欠員が出たら補充って感じだ。まぁそのうち目にすることがあると思うから慣れろ」


「はーいっす!」

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