表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/138

第79話 3人娘の怪人マッチ 4 まさかまさかの超躍進!

「レグ気合は入ってるっすなぁ……」


 控室でレグの戦いを観ていた私は、レグが張り切っていることがよくわかった。


 サングラスみたいなゴーグルをかけているため、一見表情が見えにくいが、それでも戦闘する姿で迫力が伝わってくる。


『ブラックカンパニー、超さん、会場までお越しください』


 自分の番になり、機械音声で流れるアナウンスで呼ばれる。


 色々な国の人が居るため多様の言語がアナウンスとして流れる。


 そのための機械化だろう。


 会場に行くと目が6つあり、腕が刃物になっている怪人とぶつかることになった。


 一応有力選手は頭に入れておいたが、この人物も現在4連勝中の有力選手である。


 名前はワン·シオン……漢字で書くと王雄……大陸系の悪の組織の人である。


 ギロリとこちらをじっと見ている。


 女性を性的に見るようなねばっとしたものでは無く、純粋に敵に対して殺意を向ける鋭い視線である。


「強敵だな」


 僕が構えをすると、シオンも構えゴングが鳴り響く。


 腕を刃物に変形出来るシオンは刃先から斬撃を飛ばしてくる。


 僕は氷の壁を一瞬で作るが、その氷をバターを切り裂く様に斬撃は貫通すると後に飛んでいった。


 見えない斬撃に氷でも止められない威力……やっていることは単純であるが、それがなかなか対処が難しい。


 次々に斬撃を飛ばしてくるが、僕は次は熱を当てることで相殺することにした。


 斬撃は言ってしまえば空気の塊である。


 熱を当てれば空気の熱膨張が起こり、空気の塊の分子が膨張し、塊から分散してしまうのである。


 僕の周囲1メートルだけ熱くすれば自然とバリアみたいになり、斬撃は効かなくなる。


 勿論僕自身は熱いのは嫌なので体の表面は冷気で冷やして常温にするが。


 斬撃が効かないとわかったシオンは直接攻撃に切り替えてくる。


 僕は尻尾の毛玉を集めると、それを鉄扇に変えて応戦する。


 数度シオンが僕に向かって攻撃を仕掛けると息がキツくなっているのがわかる。


 そりゃ僕の周りは高温で熱しているため、近づけばその熱に当たり、サウナ室の中で全力の運動をするような物……息が上がらないはずが無い。


 今は耐えられているが、呼吸がどんどんキツくなっているのがよくわかる。


 僕はリングの中央に立つと熱の範囲を広げた。


 リングの中は全体が高温で逃げ場は無い。


 ジワジワと体力を削っていきましょうか……。








 結論から言えば僕がシオンに勝利した。


 高温の中シオンは耐えていたのだが、尋常じゃない量の汗をかいて力の限り振るってきた攻撃を僕は思いっきり蹴り飛ばした。


 熱によりロープも高温になり、ジュワっという皮膚が焼ける音がし、そのまま僕がラッシュを加えるとボコボコになり、リングサイドからタオルが投げ込まれて僕が勝者となった。


 一瞬でリング内の温度を常温に戻したが、熱気により会場全体の温度も上がった様で客の一部も辛そうにしていた。


 この技は室内では強力であるが、周りにも被害が出るので気をつけようと僕は思った。


 さて僕もレグも2連勝。


 しかも僕の相手は一番昇格戦に近かった相手だったこともあり、それを一方的に倒した僕は一気に人気選手の仲間入り。


 イエローも初戦を勝って順調に勝ち星を稼ぐのであった。











 結局2日目に当たったシオン以外は特に強いって相手が居らず、そのシオンも運の悪いことに斬撃が全く効かない装甲を持ったレグと3日後にぶつかってしまい、また黒星となってしまった。


 まぁでもそれ以外を勝ち上がり10戦トータル8勝で昇格戦に駒を進め、僕、レグ、イエローも日程調整で休憩を挟みつつも1週間で5連勝して昇格戦のステージに進むことが出来た。


 昇格戦は3戦して3連勝で昇格となる。


 昇格戦で負けてしまうと1回はリトライの権利が与えられ、それを失敗するとまたA級戦で権利獲得の為に戦わなければならない。


 ウルフさんが数日間昇格戦を偵察したところ、明日からの昇格戦は20人が参加し、既に15人が1回リトライをしているらしい。


 つまりまっさらな状態は僕達3人含めても5人、1人は戦った事があり、格付けが済んでいるシオンで、もう1人も前に昇格戦に負けてA級戦と昇格戦を行ったり来たりしているKさん評価だとA+と言われる様な決してSには届いてない実力の者であった。


「ここからはお前達が全力で戦っても壊れない相手だ。ビームとかも効きづらくなるだろうし、普通に負ける相手も紛れてくるし、データ収集をしているだろう。ただここを勝ってS級に行くぞお前ら!」


「「「おう」」っす!」


 テレキさんの号令で僕達は気合を入れる。


 僕の初戦の対戦相手は糸を操る怪人……だったが……。


「勝者ブラックカンパニー! 超!」


 全身から飛び出す糸を全て燃やし尽くし、ご自慢の糸で出来た装甲を青い炎で燃えながらのドロップキックをぶちかましたところ、飴細工の様に簡単に溶けてしまい、体が露出したところを思いっきり殴ったら、気絶してしまった。


 初戦をとりあえず勝利! 


 レグは運良くシオンとぶつかる事になり、斬撃が効かないし、腕から伸びる刃もレグの装甲に傷つかずに、逆にレグのミサイルで打ち上げられて、天井付近で爆発。


 原型は留めているが、目を回して気絶したため試合終了。


 レグの勝利で1戦目突破。


 一方でイエローは電気の効かない怪人と戦う事になり凄く苦戦をした。


「ドロロ、俺様の泥に電撃は効かない泥!」


 で、こういう奴に限って物理攻撃も効かない為にイエローは万事休すかと思われたが、耳に付いたドリルみたいな突起を前に突き出し


「死ねぇー!」


 その突起を射出した。


 イエローの隠し玉である耳のプラグを使ったレールガンの発射である。


 片耳のドリルみたいなプラグをレールガンの要領で射出することで相手を消し飛ばす文字通りの必殺技。


 欠点は耳の半分が吹き飛ぶので、イエローは長い兎みたいな耳部分が蓄電池として機能しているので、回復するまで使用出来る電力が半減してしまうデメリットがあるが、効果は絶大で、泥の怪人が離散し、観客席の一部を吹き飛ばした。


 会場の盛り上がりは最高潮に達し、泥怪人は場外負け。


 一応再生することは出来たらしいので殺人にもならず、1戦目をイエローも突破できたのだった。










 超とレグレスは2戦目、3戦目も危なげなく勝利してS級に昇格。


 イエローも初戦以外は苦戦すること無く勝利してS級になり、結局3人共にS級に昇格し、あとはランキングをどれだけ上げられるかの戦いになるのだったが……。








「あれ! 勝っちゃったっす!」


 超がたまたま試合が空いていた10位のS級怪人に挑み、相手は能力を無効化する能力を持っていたので超の能力も防がれたのだが、噛みつきで相手の腕の血肉を摂取すると尻尾が8本に増えて能力無効化を解除し、相手をボッコボコにした上で氷漬けにし、まさかのトップテン入りを果たすのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ