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第77話 3人娘の怪人マッチ 2 激突レグレスVS超

 というわけで、僕、イエロー、レグレス、ウルフさん、テレキさんの5人で怪人マッチの会場に来ていた。


 相変わらず熱気が凄くて煩い。


 受付に到着し、選手登録をする。


「はい、こちらが皆さんの会員証になります。階級が上がればカードの内容も更新となりますので無くさないようにお願いします」


 無事に選手登録を済ませると盛り上がっている会場から離れて下のフロアに移動する。


 するとプロレスのリング程度の広さの場所で観客がほぼ居ない中で、怪人達が試合をしていた。


「なんか閑散としてるっすね」


「ここがC級の怪人マッチ会場だ。盛り上がっているのはA級以上だからな」


「なるほどっす!」


 C級達にはこの程度で十分ということなのだろう。


 そのままC級戦の出場登録をして客席で待っているとアナウンスが鳴る。


『86番、86番の選手は第9会場にて待機してください』


「僕っすね! ちょっといってくるっす!」


「C級怪人マッチはセコンドが付くことができないから自力で勝ってこい」


「任せてほしいっす!」


 というわけで僕は会場入りすると軽く説明を受けた。


 まずC級マッチはリングから外に出たら場外負け、あとはギブアップとレフリーストップ、身体の欠損でも負けになる。


 まぁ身体の欠損も悪の組織の治癒技術なら直ぐに治せるのだとか……。


「なんだ綺麗な姉ちゃんじゃねぇか! こりゃ俺の勝ちだな!」


 単眼で全身緑色の怪人がなんかイキっているが気にしない。


「お手やわらかにお願いするっす!」


「へへ、泣いてもしらねぇからよ!」


 レフリーがそれでは試合を開始してくださいとゴングが鳴る。


 次の瞬間に僕は左手を振り払った。


 すると冷気で場が凍りつき、緑色の怪人は氷柱に一瞬にして姿を変える。


「くそ! 寒! 動けねぇ!」


 レフリーがすかさずストップをかけて僕を勝者に指名する。


 僕は直ぐに緑色の怪人を右手の炎で溶かしてあげて解放する。


「無茶苦茶強いじゃねぇか。C級に居るなよ……」


「悪いっすね。これが初戦だったっす!」


 すると今のを見ていた審査員から僕はB級への昇格戦に行くように言われた。


 イエローやレグもどうなったかスマホで連絡を取ると、2人も順当に勝ち上がって昇格戦に移行したらしい。


 そのまま別の場所で行われていた昇格戦の会場に移動すると、番号が呼ばれ、リングに移動すると対戦相手にレグが居た。


「まぁ時間が同じだったからマッチングするわよね」


「そうっすね……まぁ昇格かどうかは審判が決めることっす……全力でいくっすよ!」


「そうね……超相手ならこちらも全力でやれるわ!」


「「いざ!」」


 試合のゴングが鳴り響いた。












 ちょうど昇格戦の会場に居た私ことイエローは昇格戦の会場が凄いことになっているのに気が付き、ビームや冷気、青い炎を見てレグも超が戦っていることがわかった。


 野次馬達も集まっていたが、あまりの激しい戦いに近くまでは行けず、攻撃を避けることのできる私は必然的に最前列まで近づいて2人の攻防を見ることができた。


 今攻撃側に回っているのはレグの方で、有線の指型ビット10基に両肩に格納していた無線ビット6基の計16基のビーム発射装置が超に攻撃を仕掛けていた。


 しかし超も負けておらず、氷を操ることでビームを屈折させ、7本の尻尾をレグの方に向けると青い炎を噴出する。


 その炎をレグは空中を高速移動することで回避する。


 一応場外は負けということになっているが、空中を飛んでいるレグを場外負けにするには叩き落とすしかない。


 それがわかっている超は尻尾の1本をリングのロープに巻き付けると、勢いよくロープに突進し、その反動で一気にレグに向かって跳躍した。


「空中戦は私のほうが強いわよ!」


 空中に移動した超に対して、レグは両脇腹からガトリング砲をむき出しにし、射撃を開始。


 超は空中に氷の足場を作るとそれを踏み台にして空中を移動していく。


 超はそのまま尻尾を全て口元に先を集めると紫色のエネルギー弾を集め始め、口に含むと、口からエネルギー弾をDNAの螺旋構造の様なエネルギー波を放出。


 レグは腹部と胸部、それに顔のサングラスから極太のビームを放出し対抗。


 エネルギーは一瞬拮抗を保った後に超が押していき、レグは16基のビット全てのビームを同時に放出しても超に押し切られた。


 いよいよとなったレグはスカートの下からミサイルをビームがぶつかっている位置に向かって放ち、爆発を起こす。


 爆風で野次馬をしていた怪人が吹き飛んでいくが、2人は気にしないで戦いを続ける。


 超は尻尾の毛を集めると、矢の様に尖り、弓矢を射る格好を取ると、レグに向かって放った。


 レグはそれをガトリング砲で迎撃するが、弾丸が当たった瞬間に毛でできた矢は弾けて針の様に細くなり、レグの体を剣山の様に針地獄にしてしまう。


 レグから出血はしていないが、動きが鈍った瞬間を見逃さなかった超は一気に冷気を集めて、レグを氷柱に閉じ込めてしまう。


 レグは氷柱に閉じ込められたが、腹部のビーム発射基を回転させるとビームの熱で氷柱を一瞬で溶かし、空いた隙間にミサイルをぶち込んで、爆発によって氷柱を粉砕する。


 爆風の最中に超はレグが居た場所に突っ込む。


 黒煙が登る中、煙が晴れてくると、レグの腹部に拳を突き刺した超の姿があった。


 超が拳を引き抜くと、レグはゆっくりと降下していき、床に着いた。


「し、勝負あり! 勝者86番!」


 超が勝者となり、リングのポールの上に立って拳を天に向って突き出してパフォーマンスをするが、私はレグに近寄った。


「レグ大丈夫?」


 すると超に空けられた腹部の穴の修復が始まっており


「痛いけど大丈夫。あ~あ、負けちゃった。超の奴まだ余力残してるよ。私は全力だったのに」


 と、超は今でも余力を残しているとレグは言う。


 審判達が直ぐにやって来て、超とレグはB級を飛ばしてA級へと昇格になるのだった。


 壊れた会場の修復は10分程度で終わると、私の番になる。


 ちなみにちゃっかり観客席にレグと超が仲良く座って私の応援をしているため、対戦相手も先ほどの怪物のバトルを観ていたため、私まで怪物に見えるのか萎縮しまくり。


 スタートと同時に体内の電気を操り、肉体強化をして床を蹴って相手に近づくと、触れた瞬間に電気をバチッと流す。


 すると相手は力なく倒れ、一瞬で試合は決した。


 超とレグは例外だが、昇格戦は3戦やって、その内容によって昇格が決まるため、私は見た目は地味な戦い方……近づいて電気を流すだけなので3戦やる羽目になり、B級への昇格となった。


 その日の試合はそれで終わり、会場を後にして、怪人マッチ会場内にある宿泊施設に泊まることにした。


 超とレグは早期にA級入りを決めて、A級の選手と関係者が利用できる宿泊施設を確保すると、私も関係者としてこの宿泊施設を利用することができた。


 そこは高級ホテルの様な作りになっており、部屋まで料理が運ばれてくるなど至れり尽くせり。


 料理は仔牛のステーキとフワッフワの白パン、クラムチャウダーみたいなスープに緑色のよくわからないソース(ワカモレソース)をいただいた。


 どれも凄い美味しく、特に緑色のよくわからないソースを私は気に入った。


 頼めばマッサージまでしてくれるが、とりあえず食事をとった私はシャワーを浴びてレグの隣のベッドで眠るのだった。

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