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第76話 3人娘の怪人マッチ 1

 翌日、やっぱりニュースになっているもので、撮影されたワンがドイツのネット記事になっていた。


 題名は


『全裸の巨人が空軍基地を襲撃! 基地司令部を破壊!』


 と股間から生えた男根により基地司令部が破壊されたことは書かれていなかった。


「博士、ハウニブの秘匿は出来そうですか?」


「あぁ、直ぐにロボット達に指示を出して地下に隠した。恐らく見つかっては無いだろう。しっかし無茶をするねぇ」


「あれくらいなら無茶になりませんよ。ワンの実力を測るのにちょうどよかったくらいだ。恐らく人造ヒーロー達の怪人化はワンが1つの基準になりそうと思うが……博士はどう思う?」


「あぁ、確かに基準にはなるだろう。既にS級の壁は越えているな。これがS級の何処らへんの位置になるかは未知数だが」


「データを取っていくしかありませんね……バニー、怪人マッチには人造ヒーロー達は出すのか?」


 怪人や囚われたヒーロー達が戦う怪人マッチ。


 悪の組織の間での格付けはここで基本行われる。


 なので怪人マッチに参加していない怪人がS級を名乗ったとしてもそれは自己申告であり、現状ウルフやイエロー、レグレスのA級、超のS級相当という評価も俺が付けただけで実際の戦闘力は測れていなかった。


「そうねぇ……イエローやレグレス、超は怪人マッチ参加してみる?」


 3人は首を横に振る。


「Kさんと怪人マッチ見に行きましたがあんまり雰囲気好きじゃないんですよね……」


「わかる。煩いからね」


「僕も仕事として行けって言うなら行くっすけど……」


 バニーは少し悩んだ末に


「よし、3人仕事として行ってきなさい。本来ファイトマネーは戦った怪人に50%、所属している組織に50%のマージンになっているけど、7:3にしてあげる。人造ヒーロー達は経験も浅いから補助が無いと危ないけど、3人なら大丈夫でしょ。1ヶ月怪人マッチに参加してランク付けされてきなさい」


 というわけで3人娘は怪人マッチに挑むことになるのだった。











 3人娘が怪人マッチに挑む前に怪人になってから挑む可能性が高い人造ヒーロー達やベテラン戦闘員達も前に怪人マッチに挑んだことのあるテレキの講義を聞く。


 ちなみにバニーは怪人マッチに挑んだことは無い。


 ウルフは怪人マッチに参加したことはあるが、A級に昇格したら基地が攻撃されると情報が入り、撤収してしまい、それから試合登録してなかった為A級でランクが固定されていた。


 テレキはクラスで言うとC級であるが、結構長く怪人マッチに参加していた……というよりブラックカンパニーでは怪人になってから2年間も怪人マッチに出続けていた為に怪人マッチのことは知り尽くしていた。


 怪人マッチの大まかなルールは怪人同士での殺し合いの禁止である。


 悪の組織でも大企業達が出資しているし、悪の組織組合直轄の組織が怪人マッチを運営しているため、闇市場と同様に中立地帯として機能している。


 殺し合い禁止であるが、力量差が凄まじいと故意では無くても殺してしまう場合があるので、その場合はレフリーの判断で両者負けか殺した方の勝ち、引き分けが判定される。


 ちなみに怪人マッチの場合、捕らえられているヒーローに殺された場合を除き蘇生措置を受けることが出来る。


 そのため怪人マッチは各会社の戦力を測る目的で活用されている。


 レグレスや超みたいな学校では怪人マッチの結果をみることができ、入社する目安や他の会社は怪人マッチから敵対する会社の戦力を確認したりする為、会社の広告としても機能する。


 現在インドにあるヒマラヤ山脈の中をくり抜いた巨大な地中の施設が会場となっており、各悪の組織はワープベルトでは無く、悪の組織が管理している全世界25箇所のワープ装置から中に入ることが出来る。


 つまりワープベルトでワープ装置まで移動してワープ装置経由で中に入る必要があり、二段回のワープを必要としていた。


 会場では各階級のマッチ戦、それをある程度勝ったり、明らかに実力が抜けていれば審査員から昇格戦の誘いが来るので、その昇格戦を勝つとB級、A級、S級と上がっていく。


 基本A級以上の試合が全世界のダークウェブから視聴することができ、賭け金もでかくなるのでファイトマネーもでかくなる。


 例外はヒーローとの試合であり、運営がヒーローの階級を決めてそれより少し強い怪人との試合が組まれる。


 この試合も全世界で賭けが行われるのでC級やB級の普段脚光を浴びない怪人でも一躍スターになれる可能性がある。


 まぁこのヒーローに負けると蘇生されないのであるが……。


 ちなみにS級同士の戦いはランキングになっており、怪人マッチから登録解除した場合でも最高順位何位というのが記録として残り続けるので会社の抑止力になったりする。


 まぁ戦力を秘匿するために怪人マッチに自社の怪人を出さない、逆に全戦力の怪人をマッチに出して、他にも怪人が居るように見せることで戦力を嵩増しし、抑止力にしたり、自社の最高戦力だけ怪人マッチに参加させてそれを持って抑止力にしたりと会社同士でも怪人マッチを通した駆け引きがあったりする。


「というわけでブラックカンパニーは今後怪人マッチには積極的に受けに行って貰います! まぁ新型の怪人化薬があるからA級、S級怪人が量産されることになると思うし、道具に頼らない素の力で戦ってどれぐらい戦える化チャレンジしてみてください!」


「ブラックカンパニーはKが秘匿戦力になっているから現状他の会社に対して抑止力となる怪人が居ないことになっているので! イエロー、レグレス、超! 3人には最低限A級、出来ればS級になって会社の顔として頑張って欲しい!」


「わかったっす!」


「がんばります!」


「オッケー!」


「セコンドとしてウルフとテレキの2人を付けるから5人で頑張ってきなさい!」


「「はい!」」


「それじゃあ頑張って稼いで来なさい!」


「「「「「おぉ!」」」」っす!」


 というわけで怪人マッチに3人娘の参加が決まるのであった。

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