第72話 樺太基地建設中!
『オーライ! オーライ!』
『重機持ってきてー』
北樺太、オハ。
ゴーストタウンとなっていた土地にロボット達が建材を運び込み、重機で既存の建築物を破壊し、瓦礫を除去して更に新しい建物が造られていた。
ブラカンパニーの新しい本社ビルは4階建ての大学を思わせるような建物が建てられていた。
博士が作った大小200台のロボットがフル稼働して工事を続けていた。
地下では地下で野球ドームが丸々入る地下空間が掘られ、更に規模をデカくした戦闘訓練プロアに、地下水と地熱を使った巨大温水プール。
社宅も新しく作られており、流石に戦闘員には1人1部屋であるが、居住スペースは前よりも広くなっており、1人辺り1LDKで30畳の広さがあり、コンロ2つのキッチンにトイレとユニットバスは別室。
収納スペースも広く、天井も高い為4人家族で使うような冷蔵庫を置くことが出来た。
というのも北海道の拠点同様、表の市場は遠く、闇市場で物品を購入しなければいけない都合上、大きな冷蔵庫は必需品であり、食堂があるとは言え設置されていた。
広さ的には2人で暮らしても十分に住める広さはあるが、ブラックカンパニーでは基本(と言うよりKを除いて)戦闘員が妻や旦那を持つことは禁止されているし、怪人になったら社宅から出る事が前提としてあくまで1人で暮らすための寮みたいな感じで使うことを想定されていた。
事実怪人用の家を建てる為のスペースも更地にされていた。
あとは食堂も作られ、六姉が働きやすい環境が整えられていた。
ちなみに今回オママから購入した戦闘員の数名が生前調理技術があるとして擬似人格定着後は食堂勤務に配置転換されることになる。
で、このオハのブラックカンパニー基地は地下で全ての施設が連結されており、冬季は雪で出入りができなくなる為の処置であった。
将来的にはアラスカのウィッティアという1つの建物に街が完結しているような複合居住施設も建造する予定である。
『しかし博士も困ったものだ。我々に1ヶ月で基地を作れと仰る』
『まずはロボット製造工場の建設だ。それが終われば一気に規模が拡大できる』
『ところでなぜブラックカンパニーは我々ロボットを戦闘員として使わないのだ? 新人戦闘員よりは確実に我々の方がパフォーマンスは良いぞ?』
『博士は戦闘用ロボットは作りたくないらしい。作るとしたら我々のようなお手伝いロボットとかの産業用ロボットが良いのだとか』
『まぁ戦闘用ロボットがクーデターを起こしたら武力鎮圧が出来なく成るからだろうがな』
ロボット達がそんな話をしていると、建材をワープで持ってきたロボットが言い始める。
『博士が今度は人造プラントも作れと仰せだ』
『あのちんちくりんはまだ俺達を酷使するつもりか!』
『横暴だ!』
『協議会を開け! 団体交渉権を行使しろ!』
ワーキャー言っているが、現場に博士は居らず、結局渋々作業を続けるロボット軍団であった。
「はい、今日はここまでっす」
だはーっと重力ベルトを解除して倒れ込む人造ヒーロー達。
「さあシャワーを浴びたら食事っすよ! いっぱい食べて強くなるっす!」
というわけで人造ヒーロー達にシャワーを浴びさせて食堂に移動する。
「六姉さん、今日のメニューは何っすか?」
「今日はイワシフライとハンバーグ定食だよ! 皆頑張ったね! いっぱい食べるんだよ!」
「「「はーい!」」」
食事を受け取った人造ヒーロー達はモリモリ食事を食べていく。
「前よりもいっぱい食べるようになったっすなぁ……」
「うん! いっぱい食べて強くなるよ!」
そう言うのはトリサードことサード。
両腕から翼が生えており、最初の頃は腕の翼が邪魔で食べづらそうにしていたが、今では慣れたもので、箸を上手に使ってご飯をかき込んでいた。
「おかわりしてくるけど超さんも食べる? よそってくるよ!」
「じゃあお願いするっす!」
「はーい!」
サードがどんぶりに山盛りのご飯を詰めて持ってきた。
「はい!」
「サンキューっす!」
「ねぇねぇ超さん! 怪人になったらすっごい強くなれるんでしょ! 超さんに勝てる?」
「僕には勝てるんじゃないっすか? Kさんは無理だと思うっすけど」
「えー! 超さんでもKさんには勝てないの?」
「勝てないっすねぇ……この前模擬戦をしたっすが、寸止めしてもらわ無かったら何回死んでいた事か……その時イエローとレグも居たっすが、3人纏めて戦っても返り討ちにされたっす」
「どんだけ強いんだよ……Kさんって」
「サード達が怪人になったら戦ってみるといいっすよ。その時には樺太の基地も完成して戦闘訓練室が使える様になるみたいっすからね!」
「楽しみだなぁ……どれぐらい強いんだろう」
「まぁその前に僕と対決すると思うっすから。僕に勝てるくらい強くならないと行けないっすよ」
「……絶対に超さんに勝てる怪人になるよ」
「じゃあトレーニング量増やさないと駄目っすね」
「あ! それは酷いよ! 超さん!」
そんなこんなで人造ヒーロー達の怪人化が着々と近づいてくるのだった。