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第69話 ロケット襲撃戦

 ある日アメリカのダニエルから連絡があり、アメリカの宇宙軍がとんでもない物を作っていると言われた。


「そんな興奮してどうしたんだ?」


『アメリカでスーパーヒーローを人造的に作り出す計画をしているんだが』


「おいおい、日本でもそんな計画があるぞ」


『いや、アメリカのは規模が違う。そもそも人を作っている訳じゃない』


「ん? どういう事だ?」


『ヒーローの能力を大幅に上げる為の薬を作っているんだ』


「怪人化薬……というわけじゃないんだよな」


『俺も詳しくは知らないが、アメリカの悪の組織はこの薬をアメリカ宇宙軍から奪うために捨て駒を募集しているんだ……捨て駒が本命を奪取したら面白いとは思わねぇか』


「なるほど……それで俺か」


『ああ、Kなら怪しまれないで作戦に参加できるだろ? 俺は情報料分の金か見合う物を貰えれば十分だ。どうだ? やってみないか?』


「面白そうだ。参加してみることにする」


『助かる。人員を募集している悪の組織はアメリカのテキサス州にある悪の組織だ。名前はスペースジャック。独自に宇宙船や衛星を持つほどのアメリカでは1、2を争う巨大な悪の組織だ』


「まぁ本命じゃなくてもアメリカの宇宙軍の研究所に襲撃となれば分捕れる物も大きそうだ。情報ありがとうな」


『おう!』








 というわけで俺はバニーさんから許可を取ってアメリカに来ていた。


 まぁ捨て駒ってわかっているので集まる怪人や戦闘員も小粒揃い……それでも陽動成功で生き残れば1人10万ドルの大金を支払われるとなればこぞって参加するもので、約3000人近くの怪人や戦闘員が集まっていた。


『お前ら! 作戦を説明するぞ!』


 マイクを握ったハゲの怪人が壇上で説明を始める。


 まず目的の薬はロケットに積まれており、アメリカの月面基地にて最終実験が行われる事に表向きなっているが、実際は薬品は複数個あり、ロケットに搭載されているものの他に研究所内で本命の薬品が保管してあるらしい。


『やることは簡単だ。ロケットに侵入するフリをする。ロケット周辺施設を襲うだけでいい。その間に俺達スペースジャックの精鋭部隊が研究所に襲撃をかける。言わば囮役だ。暴れるだけで10万ドルだ! 楽な仕事だろ!』


『『『うぇぇーい!』』』


『野郎ども暴れまくれ! 生き残ってまた会おうぜ!』


 とそれっぽく言っているが、宇宙軍は戦闘員全てがA級ヒーロー並の戦力がある超人軍団で、アメリカ軍の特殊部隊を除くと最精鋭と言われる軍である。


 それが守っている基地を襲撃して普通生きて帰れるわけねーだろ……と俺は思う。


 俺のやることは初動の混乱に乗じてロケットに乗り込み薬、もしくは薬のデータを抜き取ることである。


 博士から借りたデータを瞬時にコピーするUSBを使い、データだけでも抜き取れれば博士が類似品を作ってくれるか、データを高値で闇市場で売ることが出来るだろう。


 そうすればブラックカンパニーの資金的目処はつく。


『よしお前ら! ワープの準備は出来たか!』


『『『ウェーイ!』』』


『行くぞ!』


 そう言ってワープが開始されるのであった。










 ロケット発射場内や研究所の周辺はワープが出来ない様に妨害電波が発生しているため、少し離れた位置に着地するが、研究所から警報が鳴り響いている。


 まぁワープを感知した時点で警報が鳴るわな。


 日本のザル警備と違い、アメリカはガチである。


 俺は直ぐ様研究所に向かって走り出して、博士が作った生体信号ジャミング装置を腕に巻き付けて起動する。


 すると研究所からロボット兵がぞろぞろと出てきて怪人や戦闘員に対して攻撃を開始した。


 ロボット兵は生体反応によって敵と味方を区別して探知するため、俺みたいにジャミングすることによってロボット兵からは攻撃されないようになる。


 まぁこの程度の準備をしてきた怪人や戦闘員は多く、約半数がロボット兵に無視されるが、宇宙軍の兵士達が出てくると状況は一変する。


 100人程度の宇宙軍の兵士達であるが、スーパーヒーローに一歩劣る程度の戦闘力であり、対物ライフルの弾丸だろうと攻撃が効かない。


 何処からか引っ張ってきた対戦車砲の直撃でようやくダメージが入るくらいである。


 まぁ俺は目の前に居た兵士の頭部をサッカーボールの様に蹴り飛ばしていたが……。


 研究所の外で乱戦状態になるが、俺は混乱に乗じて研究所の敷地に侵入し、一気にロケットに向かって走り出した。











 ジャミングしているお陰で基地の警備網に引っかからずに済み、暗闇に紛れてロケットまでの長い道を駆けていく。


 航空機の滑走路みたいに長い道になっており、そこを全力で走っていく。


 車を拝借しても良いが、大きいのでジャミングが効かないでバレるのと、車で移動するより走った方が速いというのが理由である。


 ロケットに入るための入り口は兵士達が厳重に守っている。


 まぁ暗闇とは言え障害物の何もない道を走っている俺は暗視装置でバレバレである。


 普通に小銃で発砲してくるが、俺の肉体には効かないが、一応避けながら進んでいく。


 英語でFワードを連発して兵士達が叫んでいるがもう遅い。


 近づいた瞬間に腹を思いっきり正拳突きすると、ぐちゃり。


 肉体を突き破って背中から腕が飛び出し、貫通。


 しかも背骨の一部が肉体から高速で飛び出したため、後に居た兵士に背骨の一部が散弾銃の様に命中し、目潰しになっていた。


 俺は絶命した兵士を他の兵士に投げつけ、奪った銃の銃口を持ってフルスイング。


 ガガガと言う鈍い音で囲んでいた兵士の頭を粉砕し、吹き飛ばす。


 5人ほど兵士を倒すと内部に侵入した。







「流石にロケットの中に入るのは初めてだな」


 俺は入り口から入り、戦闘員のマスクでスキャンして内部空間を把握すると、壁の一部を破壊しながら貨物室に侵入。


「わかんねぇな。とりあえず全部盗むか」


 俺は貨物室にあった物品を根こそぎ亜空間袋の中に詰め込むと搭乗員の部屋に戻り、ロケットの制御システムに適合するUSBコネクトを接続してUSBにデータをコピーする。


 増援が来る前に俺はロケットから脱出するが、ロケットの支柱を破壊してロケットを横転させる。


 するとロケットが大爆発を起こし、爆風に乗って俺は基地の外に吹き飛ぶのであった。











 ロケットのハッチを足場にして吹き飛ばされて基地の外に出た俺はまだ戦闘が続く研究所周辺の明かりを見ながら再びワープし、北海道のブラックカンパニーの基地に戻るのであった。


「博士〜」


「ん? Kどうした」


「アメリカでロケット襲撃して掻っ払ってきた物資の中に、ヒーローを強化する薬があるらしいから確認してくれね?」


「はいはい、わかったよ」


 俺が亜空間袋から物資を取り出していくが、半数は宇宙食系の月面基地に向けた食料品類ばかりであった。


 ただ残りの半数は宇宙で研究するための物品であり、例えば宇宙空間でレーザーを発射するための巨大ルビーであったり、宇宙軍が開発した今俺が着ている戦闘服より高性能な宇宙服(事実上の宇宙作業服や宇宙戦闘服)、更には目的の超人化薬を更に性能を上げた薬品名〈神のエキス〉と言うのがちゃんとあった。


「博士これ量産出来る?」


「量産は難しいかもしれないが、既存の怪人化薬の性能を数十倍高性能に出来るかも知れん。もしかしたらKを怪人に出来るかもしれないねぇ」


「お! マジか! 博士研究を頼むよ」


「あぁ任せておくれ!」


 ちなみに俺は情報代としてダニエルに10万ドルを俺の口座からプレゼントすることになり、スペースジャックの本命の襲撃は後から出てきたスーパーヒーロー達に撃退されて失敗したのだとか……。


 しかも戦闘員として参加していたためアメリカ宇宙軍はスペースジャックにロケットの薬を奪われたと思いこみ、スペースジャックは米軍により集中攻撃を受けて、俺がどさくさに紛れて薬を奪取したことには気づかないのであった。

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