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第68話 オママとの再会

「良いなぁシックス! Kさんと一緒に仕事に行って稼げて」


「ズルいよー僕も稼いでゲーム買いたい!」


「ケケ、悪いねぇ……能力によるものだから諦めてくれよ」


 ある日の事、僕ことシックスがKさんと一緒に仕事に行って新しいゲームを買ってくることを色々言われていた。


 最近は据え置き機の皆で遊べるパーティゲームを買ってきたりしたが、それでも僕が沢山仕事に出られるのが羨ましいらしい。


「今回はどんな仕事をしたの?」


「ケケ、ATMって機械をハッキングしてお金を下ろすことを繰り返してきた。沢山下ろすとバレるから半日しか出来なかったけど2000万は稼げた」


「でも手元に残ったのは10万でしょ? 流石に取られすぎじゃない?」


 そう言うのはテト……桜の花弁を思わせる模様が入った瞳とピンク色の髪の毛が特徴的な少女だ。


「そう言うがなテト、今会社凄い危うい時期なんだろ? 他の戦闘員の方にも給料が一時凍結されてるって話だからゲーム買えるだけでもありがたいと思わないと」


 天使っぽい姿をしたオクタがテトを宥める。


「ケケ、あ! でも僕達が怪人になる頃には給料が出るようになるかもって言ってた! イエローさんが前は100万近くを月収で貰っていたって言っていたけど、今だと毎月10万くらい貰えるんじゃないかな」


「えー! じゃあ早く怪人にならないと!」


「あのピチピチの戦闘服を着て運動頑張れば怪人になるためのエネルギー? みたいなのが体に蓄積していくみたいだから頑張らないと!」


「俺レグレスさんみたいなメカになりたい!」


「私超さんみたいに強くなりたい!」


 そんな事を言っていると超が来て


「はいはい、そろそろ寝る時間っすよ! ゲームはここまでっす」


「「「えー! もう少し」」」


「だーめっす! 明日もトレーニングあるっすから! 寝不足だと辛いっすよー」


「「「はーい……」」」


 そのまま解散となるのだった。










「うう、体中が痛い……」


 ある日、体が痛いと人造ヒーロー達が言い出し、超が俺に相談すると


「明らかに鍛えすぎで体が悲鳴をあげたな。オママのところに連れて行くぞ」


 と人造ヒーロー達を連れて、オママのところに向かった。


「オママ居るか」


「あら! K君に?」


「お久しぶりっすオママ!」


「んん? 誰が怪人になったのかしら?」


「戦闘員F改めて超っす!」


「あらあら! 超ちゃん美人になって……音沙汰が無かったからてっきりやられたのかと思ったわ!」


「まぁ色々あったっすから長らく来れなくて申し訳ないっす」


「それよりもK君大丈夫なの? ブラックカンパニーの方は? 一応新規で戦闘員を回すってバニーちゃんから聞いているけど」


「それの報告も含めて今日は来たんだが……とりあえずこの子達にマッサージをお願いしたい」


「こ、こんにちは……」


「あらあら! 美男子に美少女ばかり! 何! 新しい戦闘員?」


「幹部候補で今超が教官となって育ててるんだ。皆挨拶」


「「「こんにちは!」」」


「元気があっていいわね! マッサージね! 案内するからついてきてちょうだい」


「「「はーい!」」」


 人造ヒーロー達を地下のマッサージ施設にオママが案内してから、俺と超はオママのバーに案内された。


「K君はウーロンハイかしら」


「あぁ、それで」


「超ちゃんは何にする?」


「じゃあカルアミルクで」


「はーい、今作るわね」


 オママが慣れた手つきでお酒を準備していく。


「お待たせ、ウーロンハイとカルアミルクよ」


「いただきます」


「いただくっす」


 とりあえず乾杯してからいただく。


「ブラックカンパニー大変な事になったわね。本拠地周辺でブラックカンパニーが保有していた秘密兵器が大爆発ってなっていたけど……やったのK君?」


「いや、やったのはこっちの超だ」


「あら! 凄いじゃない! そんなに強い怪人に成れたの?」


「強い怪人に結果的には成れたっすが、それまでは超絶弱体化していたっす。見るっすか? こんな姿になっていたっすよ」


 超はオママに自身が青い子狐になっていた事をスマホで見せる。


「あらあら! 滅茶苦茶かわいいじゃないの!」


「大変だったっすよ。子狐フォルムだから足の筋肉が弱くて二足歩行出来ないし、トイレもペット用を使わないといけないし」


「確かにそれだとこっちに顔出せないわね……ブラックカンパニーの再建は進んでいるの?」


「基地機能の回復までは2ヶ月で何とかしたが、人材がどうしても枯渇気味でな。本拠地襲撃で若も亡くなって、今バニーさんが新しい総領だよ」


「あら、バニーちゃんが……」


「生き残ったのも俺含めて19人、約60人近く居たブラックカンパニーの規模は3分の1以下だよ」


「再建のために今日連れてきた子達を第二のイエローちゃん、レグレスちゃん、超ちゃんみたいな怪人に育成する気ね?」


「その通り。今の調子だとあと2ヶ月程度で怪人になっていくだろう」


「怪人になってからもご贔屓に」


「あー、今度連れてきた時は性欲の発散をさせてやってくれ」


「ええ! Kさんそれはあの子達には早いんじゃないっすか!」


「いや、シックスに聞いたら男達は性欲を我慢しているって言っていたぞ。たぶん運動である程度発散出来ているんだろうがそれでも限度がある」


「そうよ超ちゃん。性欲の発散は大切よ。超ちゃんも自慰行為はするでしょ」


「ま、まぁするっすけど」


「適度の性欲の発散をしないと同僚を襲ったりした方が問題になるわ。そうなれば組織運営に大きなダメージになるわ。見た感じあの年頃の子は性欲が凄まじいから発散させてあげないと」


 超はカルアミルクをちびちび飲みながら


「うーん……部下の教育ってより学校の先生って感じがするっすが……保健体育とかした方が良いっすかね」


「それは俺が男達はやるよ。女子達は任せた」


「はいっす……」


「イエローちゃんやレグレスちゃんは元気なの?」


 オママの問いかけに俺が答える。


「元気も元気、イエローは新しく戦闘員の教育を、レグレスは事務仕事をそれぞれ頑張っているよ」


「あらそうなのね。2人にも体の点検をしに私の所に来るように言っておいて。超ちゃんもせっかくだからマッサージ受けていきなさいよ」


「じゃあお言葉に甘えて受けさせてもらうっす」


「それとK君、とりあえず10人ほど戦闘員の用意が出来たから受け取ってちょうだい」


「ずいぶんと早く見つかりましたね」


「それがね……カラーコミュニティの残党が大量に一般人を攫っていたらしくて、そこから資金調達の為に売られたのよ。それが私のところにも入ってきたの」


「それ俺達の襲撃した街の方だったりしません?」


「これが写真よ」


 写真を見るとパチンコ屋でアルバイトをしていた兄ちゃんや銭湯でよく見た青年、パン屋の娘さんや居酒屋でよく相席していた中学校の男性教員の方等、何処かで見た事がある人が4人ほど混ざって居た。


「完全にブラックカンパニーの襲撃時に巻き込まれた人達だわ……人格は?」


「もう抜いて擬似人格を入れてあるわ」


「……まぁ良いか。イエローが教育上手いし、イエローにまた任せるか」


 俺はオママからその人々の書類を受け取ると受領印を押すのだった。





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