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第67話 ATM荒らし

 ある日、サングラスとマスクを付けて俺とシックスがATM荒らしをしていた。


「よし、シックス、今日はATM荒らしをするぞ」


「ケケ、あの〜格好これで良いんか?」


 シックスの格好は総合ディスカウントストア(ド◯キ)で上下をそろえた格安コーデをしていた。


 俺の格好も似たりよったりである。


「どんな感じでATM荒らしをやるんです?」


「シックスが電子機器を操作出来るから引き出し金額の限界の50万を引き出して逃げる。そのまま他のコンビニに行ってATMでまた50万引き出す。1日で行けるところまでやって撤退」


「うわ……だいぶえげつない……」


「1日だけなら捕まら無いと思うし、俺が付いているから安心しろ」


「ケケ、はい!」


 ということでコンビニのATM荒らしを始めてみた。








「いらっしゃいませ~」


 普通にコンビニに入ってATMにシックスを連れていき、機械に触れてもらう。


 するととある銀行に繋がり、引き出しボタンを押してお金が出てくる。


 お金を受け取って財布に突っ込み、コンビニを出る。


 コンビニを出たらリュックに入れていた亜空間袋にお金を入れ直す。


 そしてシックスとハイタッチ。


「すっげぇ簡単に稼げた!」


「分給50万……やばすぎるな。よし次行くぞ」


「はい!」










 ランニングしながらコンビニを巡ること5時間。


 俺とシックスは場所を移して闇市場のレストランで食事をしていた。


「Kさん! どれぐらい稼げましたかね!」


「今日巡ったコンビニの数が40店……それから50万を抜いてきたから2000万って感じだな」


「あれ? 思ったよりもいきませんね」


「ま〜こんなもんだろ……十分十分」


 俺はビンのオレンジジュースの栓を抜いて、シックスのコップに注いだ。


 ちなみに俺は烏龍茶である。


「「乾杯」」


 とりあえず飲み物で口を潤しながら今回のATM荒らしについて反省会をしていく。


「コンビニの多い東京だからこれが出来たが、他の地域では出来ない可能性を考慮しないといけないのと、1回やったら数ヶ月は空けないと駄目だからなぁ」


「ままなりませんね……今日稼いだ金はどれぐらい俺の取り分に?」


「まぁ10万くらいにしておけ。会社が今厳しいからな。来年からしっかり給料出せるようにするから我慢しておけ」


「はーい」


 料理として3ポンド……1.25キロのステーキとライスが運ばれてきた。


 ナイフとフォークで食べ始めるが、シックスもちゃんとフォークとナイフを使えている。


「ナイフとフォークの扱い上手いな」


「ケケ、記憶としてちゃんと刷り込まれているのでこれぐらいは出来ますよ」


「それもあるが食いきれるか?」


「これぐらい余裕ですよ。食べ盛りだからかガツガツ食べちゃうんすよ」


「お、怪人適性率が上がってるんじゃないか?」


「ケケ! 本当!」


「ああ」


 満面の笑みを浮かべると嬉しそうにステーキを齧り付く。


「いっぱい食べて大きくなれよ」


「はい!」








 ステーキを食べ終えてスープを飲みながら雑談をする。


「他の子達と上手くやれてるか?」


「ケケ、はい!」


 現在人造ヒーロー達は出来上がったアパート型の社宅にそれぞれ1人暮らしをしている。


 学生寮の様な感じで、1階に出来た六姉の食堂で食事は取り、洗濯や掃除は自分達でやらせている。


 1週間に1度超が各部屋の点検をしており、ごちゃごちゃ散らかっているとトレーニングの量を1週間増やされるらしい。


 ゲームは皆で通信してやるらしく共有スペースにて遊んでいるらしい。


 ちなみに他の戦闘員も社宅で生活を始めている。


 イエロー、レグレス、超も社宅で、仮住みしており、近々一軒家が事務所近くにできる予定。


 ウルフとテレキの2人は別の場所に家があるため通いで働いていた。


「ケケ、ねぇKさん! 怪人になれば家に住むことやお嫁さんを娶る事が出来るって本当?」


「あぁ、本当だぞ? どうした? 女に興味があるのか?」


「うん……女の子を見ているとちんちんがムズムズする時がある」


「他の男達もそうなのか?」


「うん!」


「ふーむ、なら今度オママの所を紹介してやるか」


「オママって?」


「まぁ良いところのオカマだよ」


「へぇ……ところでKさんは怪人にならないの? 強いのに」


「なりたくても成れない体質なの」


「勿体ない」


「俺もそう思うよ」


 デザートのパフェをつつきながら会話を続ける。


「ケケ、ねぇ僕達って凄いヒーローの子供なんでしょ?」


「あんまり大声で言うなよ……まぁ誰が誰のってのはわからねぇがな」


「ヒーローとしての才能って怪人と相性悪そうだけど怪人に成れるものなの?」


「ちょっと解説するか」


 俺はパフェを食べ終えてパフェ用のスプーンを持ちながら解説する。


「そもそもヒーローの前提として超人化薬と言う薬品ありきに最近はなっているが、超人化薬を許容量を超えるとシックス達の様な能力を身につけることがある。これの仕組みを応用したのが怪人化薬だ」


「ケケ、じゃあ怪人化薬って超人化薬と一緒ってこと?」


「それとはまた別……薬と言っても違う原料で似たような効能になる精神薬とかがあるだろ? それと同じ様に似ていて異なるもの……それが超人化薬と怪人化薬だ」


「一番の違いは超人化薬は異型にはならない点だ。翼が生えていたり、体の一部が動物っぽい部位があったりもするが、ほぼ人間として見ることが出来る。怪人だとどうしても異型に近くなるから……イエロー、レグレス、超、バニーさん、テレキ、ウルフ……まぁ六姉はヒーロー側でもやっていける程度の身体的変化だけどな」


「じゃあ超人化薬の原液の数十倍も濃密にして沈められていた僕達は既に超人ってこと?」


「まぁヒーローとしては既にやれる程度の能力はあるだろうな。現状でも能力を拡張出来るサポートアイテムがあれば十分にヒーローとしてやれるだろう。というかどうしても超人は時間がかかる」


「能力を鍛えればどんどん強くなるように超人は才能と努力量でヒーローとしての強さが決まってくる。まぁシックスとかお前達は才能は溢れているからそこは安心しろ」


「で、超人と怪人は相反しないかという点になるが超人としての才能が高い人ほど怪人の適性も高い。さっきの薬が似ているって話もしたが、超人と怪人も似ているんだ。だから才能が高いほど怪人としての適性が高くなる」


「ケケ、じゃあ才能が全てってこと?」


「これが怪人化は薬の質でも強い怪人になれる可能性に差がでてくるんだよなぁ……まぁ怪人化は人間を辞める薬だからそれに見合う力を手に入れられると思えば良い」


 俺の言葉にシックスは納得したようである。


「じゃあそろそろ帰るぞ」


「ケケ、はーい」

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