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第64話 バニーと付き合って 2

 食堂では六姉さんがおめでとうと言うので、何事かとなった皆が集まり、バニーさんとKさんが、付き合い始めたことが話題になっていた。


 それを僕達3人はテーブルを囲んで話していた。


「まずいっす! バニーさんに先を越されたっす」


「私も付き合いたい!」


「まぁおちおちおちつきなさい皆」


「一番慌ててるのはレグっす!」


「でもどうするのバニーさんに私達勝てる要素ある」


 イエローの言葉に僕達は黙り込んでしまう。


「いやいや僕は家事力は勝てる気がするっす! それに僕のもふもふは触り心地が良いって言われたっすよ」


「それ獣状態の時でしょ! 今は触られる事は無いでしょ」


「うぐ! でも家事力なら負けないっすよ」


「でもバニーさんも滅茶苦茶出来る女って感じじゃん」


「出来るだろうなぁ……」


「会社が襲撃する前にバニーさんがお弁当を持ってきていたっすが、彩り綺麗なお弁当だったっす」


「料理出来るのはまずいわね……部屋は?」


 レグが言うが、イエローが入ったことあるらしく


「凄い綺麗な部屋だった。掃除も行き届いていたし……」


 最後に服のセンスくらいになるが、怪人は似合う服を選ぶのでも一苦労。


 レグに至っては、仕事の時は服を着ないし……。


「駄目だ勝てない……」


「負けたっす……」


「2人はどうしておじさんにそこまで惹かれてるの?」


 レグが聞いてきた。


 イエローと僕は顔を見合わせる。


 イエローがまず口を開く。


「だってKさん凄い私達の事を考えて育ててくれたじゃん。孤児院でもあそこまで優しくしてくれた大人は居なかったし……好意を抱くのは自然じゃない?」


「それって恋愛に繋がるの?」


「繋がるよレグ! 少なくとも私はそう思っているし、バニーさんと付き合うってなってモヤモヤ感を抱いているし」


「嫉妬っすねぇ〜」


「強くて、家事力あって、優しさがあって……惚れない理由無くない?」


「超は?」


 レグから僕に振られた。


「僕はやっぱり2人が怪人になってから戦闘員時代にも、子狐の怪人になってからも面倒を見てもらったから……本当の優しさを触れたっす。もう気持ちが彼の子供以外産みたくないってなってるっす!」


「まぁ確かに超は大変な時期を面倒見てもらったらそうもなるか……」


「レグはどうなんすか!」


「私は打算よ。おじさんにビシバシしごかれて今があるから感謝はしているけど、強い子供を産む、より良い生活をする、怪人として長く生きるってことを考えるとおじさんとくっつきたい気持ちがでてくるのよ……その方が成り上がれるから」


「不純っす!」


「本当の愛じゃない!」


「うっさい! 好きな部分もあるわよ……あのくたびれた感じの顔とか結構好みだし……」


「うわ、顔で選ぶんだ」


「中身で選べ! 中身で!」


「中身も知った上で顔が好みって言ってるの!」


 ピーピーギャーギャー一通り騒いだ後に、僕達は冷静になる。


「実際どうするっすか……バニーさんが大幅リードっすよ。ここから巻き返す展開はなかなか無いっすよ」


「無理やりハーレム展開に持って行くしか無いでしょ。夜這いするわよ!」


「私もやる!」


「え……でもそれはKさんが嫌がるんじゃないっすか」


「でもこれくらいしないと巻き返しは難しいわよ」


「手順を踏んだ方が良いっす……落ち着いて考えるっすよ。バニーさんはブラックカンパニーの新しい総領……社長っすよ。いくら私達が有用だとしてもKさんと博士さえ残っていればブラックカンパニーは維持が可能っす」


「ここで彼女の不興を勝ったとして、裏で手を回されて危険度の高い仕事を知らず知らずのうちに回されて粛清される可能性もあるっすよ」


「長生きしたかったら正妻は立てるに限るっす」


 ヒートアップしていたレグとイエローもそれを聞いて、実際ブラックカンパニーは要らない社員の粛清をしていた事を思い出す。


 怪人だから戦闘員の様に直ぐに粛清とはならないだろうが、真綿で首を締める様にじわりじわりと追い込まれて、気がつけば詰みという状態に追い込まれる可能性が十分に考えられた。


 バニーさんの立場であれば誘導することは容易だし、キレたところをみたことが無い故に怒ったら感情に任せて会社の損害度外視で行動を起こす可能性も十分にあり得ると2人も思い至ったらしい。


 顔がみるみる青くなっている。


「こういう時はバニーさんから攻略していくっす。幸いバニーさんは会社の社長と言う立場もあるから切り崩すならそっちっす」


 僕は今即興で思いついた作戦をとりあえず教え、それを元にして練っていこうという話になるのだった。








「バニーさん! どうか側室を許して欲しいっす!」


 僕はとりあえずバニーさんに側室を許す気持ちがあるかどうかを聞くことにした。


 なので別の日の終業後に時間を取ってもらい、2人で話をするのだが、まずそう言って、先制パンチを繰り出した。


「ちょ、ちょっと待って! 整理して話して」


「実は……」


 僕はKさんに対して僕、イエロー、レグの3人が恋愛感情を抱いており、まずはバニーさんに気持ちを伺わないといけないと思い行動したことを話す。


「なるほど……まぁ3人がKに好意を抱くのはよぉぉぉくわかるわ! それぐらい男としての魅力があるからね」


「ただね、私とKが結ばれるまで6年かかっているの……私そろそろ三十路だしね。だから1年……いや、半年は2人でラブラブさせて欲しいわ。そしたら3人を側室にすることを許すわ。でも子供はまだ作らないで」


「理由を聞いても」


「だって3人が妊娠して活動不能になったら会社の戦力が大幅に低下するし、そうなるとKの負担が増えてしまうからね」


「まぁ……そうっすよね……」


「Kの魅力的に独占はできないのは分かっているから私も3人と争う事はしないわ。パイは独占じゃなくて共有しましょう」


「お、大人っす……」


「それよりも超は人造ヒーロー達に対してしっかり怪人まで育ててよ。なるべく脱落者出さないで……10人とベテラン戦闘員5人の15人が怪人になってくれれば会社も持ち直すからね……」


「思ったんですが、このまま派遣会社を続けるっすか?」


「というと?」


「いや、派遣会社をしていたから大きな勢力の板挟みになって今回みたいな事になったから……この際新しい事業をしないといけないんじゃないんすか?」


「……それはちょっと皆で考えてみましょうか」

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