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第56話 戦争 2 捕食系怪人超!

 戦場の中心に近づけば近づくほど転がっている亡骸の数は多くなる。


 液体に変わった戦闘員で口を潤し、肉片に変わった怪人を捕食する。


「力が……力が漲る!」


 尻尾の数は5本にまで増えており、獣の手だった腕や足はどんどん人に近づいていく。


 手に力を込める。


 すると青い炎が現れる。


「心地良いっす……」


 手から放たれた炎は辺りを燃やしていく。


「さぁ皆の所へ行くっすよ!」


 僕は更に足を進めるのだった。










「うじゃうじゃと……どれだけ戦闘員を溜め込んでいたんだカラーコミュニティは。中堅の会社を襲うには数が多すぎやしないか?」


 既にK単独で200もの戦闘員や怪人の屍を築いていたが、一向に戦闘員の数が減る様子が無い。


「クローン戦闘員も導入しているのか? 滅茶苦茶だな……ガチで潰れるぞカラーコミュニティも」


「ホッホッホ……ずいぶんと暴れまわっているでおじゃるな」


 平安貴族みたいな怪人が現れた。


「何用だ」


「ホッホッホ……何スカウトでおじゃる。これだけ倒せる戦闘員が居たでおじゃるな。カラーコミュニティで是非とも使いたいでおじゃる。麻呂の下僕にならんか?」


「断る。ちょっと待ってろ……直ぐにお前も肉片に変えてやる」


「それはできないでおじゃるよ……ホッホッホ」









 目の前の戦闘員は欲しい人材でおじゃる。


 カラーコミュニティに所属したことで甘い蜜を享受することは出来たでおじゃるが……まさかクローン兵の技術まで持っている会社が居るとはのぉ……。


 正直ブラックカンパニーを潰すのに戦闘員を1000名、怪人を200名も投入すると聞いた時は立案者の頭を疑ったが……確かにこれはそれほどの敵だったでおじゃるな。


 パンチ1発で怪人も戦闘員も等しく死体に変える。


 あれが戦闘員をやっているということはそれよりも強い怪人もいるのであろう。


 ブラックカンパニー恐るべしでおじゃるな。


 まぁ麻呂的にはブラックカンパニーなどどうでも良い案件。


 この街の住民を損害以上に捕まえて戦力や資金源にすればいいだけの話でおじゃる。


『麻呂様、ヒーローも動き始めているのでそろそろ潮時かと』


「ふむ……撤退の判断は任せるでおじゃる。麻呂はもう少し遊んでから撤退するでおじゃる」


 麻呂は地面に降り立って戦闘員と対峙する。


「ほれ、倒せるものであれば倒してみるでおじゃるよ」


 麻呂は地面に降り立ってブラックカンパニーの戦闘員を煽る。


 まぁ麻呂の氷結の剣技で倒してしまうでおじゃる。


「いざ参らん!」


 麻呂は1歩踏み込むと戦闘員はこちらを見た。


「貰ったでおじゃる!」


 次の瞬間、麻呂の体は吹き飛んでいた。


 ビルにめり込んで全身から血を噴き出し、臓物をまき散らしながら倒れ……。


「何が……起こった……で……おじゃるか?」


 まさかまだ力を隠していたとでも言うのでおじゃるか!? 


 S級の麻呂が1撃で殺られるなんて……あり得ない……あり得ないでおじゃる。


「なんじゃ……あの戦闘員は……強すぎるでおじゃ……ん?」


 目の前に美しい青い炎を纏った美女が立っていた。


「なんじゃ? カラーコミュニティの怪人か! ならブラックカンパニーの戦闘員には気をつけるでおじゃる……あやつは強すぎるでおじゃる」


「知ってるっす。僕の師匠っすから」


「は?」


 次の瞬間麻呂の意識は消し飛ぶのだった。










「極上の霜降り肉って感じだったっすね。美味かったっすよ。まぁ皆で食べたオオサンショウウオよりは劣るっすが」


 今の怪人を食べたお陰で僕の尻尾の数は7本まで増えた。


「右手に炎を」


 ボッと青い炎が現れる。


「左手に冷気を」


 逆の手には氷の結晶が現れる。


 尻尾は青白い炎が灯っており、妖麗な姿を醸し出している。


 青黒い長く美しい髪。


 瞳は黒く釣り上がった目に扇で血の付いた口元を隠す。


 蒼色のワンピースを身に纏い、そこから7本の美しい青紫色の尻尾が見えている。


「流石Kさんっす。滅茶苦茶強い怪人を一撃で……」


 するとバチバチっと見覚えのある黄色い姿が目に入った。


「イエロー」


 僕は咄嗟に口にすると、イエローがこっちを向いて、臨戦態勢をとる。


「誰?」


「ふふ、僕っすよ。超っす」


「……え? 超!?」


「どうやら僕は捕食系の怪人だったっぽいっす。今なら足手まといにはならないから一緒に行くっすよ!」


「え? 本当に超なの! 滅茶苦茶美人じゃん!」


「ふふ、それ」


 僕は扇を振り払うとまっすぐ氷の道が出来、辺りの戦闘員や怪人を一瞬で氷柱へと変えた。


「それ!」


 左手を振り払うと青い炎が辺りを焼き尽くす。


 戦闘員や怪人が一瞬で灰に変わっていく。


「おお! 滅茶苦茶強いじゃん!」


「ここから一瞬で片付けるっすよ」












『おまたせ〜おじさん、私全快したから下に戻るね!』


『Kさん! 超が滅茶苦茶強くなって合流した! 今から向かうね!』


「嬉しい報告と悲しい報告が入り混じるな」


『Kさん地下への入口がバレました! 地上部隊は残りKさんとレグレス、イエローのみです!』


「戦争も大詰めか。こうなったら辺り一帯を吹き飛ばすか?」


「待った待った! Kさん僕に任せて欲しいっす!」


 イエローに連れられて超が空中から着地した。


「超か?」


「はいっす!」


「なんだ現状を打開出来るのか?」


「出来るっす! 任せて欲しいっす」


「じゃあやってみろ」


「Kさん、イエローやレグレスになるべく遠くに離れるように指示を出して欲しいっす!」


「わかった。逃げるぞお前ら」


『『はい!』』


「いくっす!」


 その瞬間超は手を叩いた。


 その瞬間に周囲10キロの地上にあった物が吹き飛んだ。











 ジュゥゥと焼け焦げる超に俺達は近づく。


「えへへ……力加減をミスったっす」


「超!」


 レグレスが超に抱きつく。


「遅くなって悪かったっすレグ。ようやく肩を並べて戦えるようになったっす!」


「ううん。ごめん。いや、嬉しい。超と一緒に戦えて!」


「さてと……ウルフ、テレキは生きているか?」


『なんとか……出入口が吹き飛んだんで出入口を掘り出してくれません』


『地下に居た戦闘員10名も無事だ。逆に俺達以外は全滅だろうな』


「再建が大変そうだ。でもまあとりあえずは勝利だ。掘り出してやるから待ってろ。レグレス、イエロー、超、生き埋めになってる奴らを掘り出すぞ」


「「「はい!」」っす!」


 こうしてブラックカンパニーはカラーコミュニティによる侵攻を撃退するのだった。


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