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第55話 戦争 1

 ウイーンと扉が開くと目の前に戦闘員がパイプ椅子に座っていた。


「カラーコミュニティの皆さんですね。貴方達のせいで業務が滞ってしまい困っているのですよ」


「はは! この状況でずいぶんと余裕だな! なぁ!」


 ゲラゲラと周りに居る怪人や戦闘員達が笑う。


「余裕? この程度でブラックカンパニーが落とせるとでも?」


「……なに?」


「この程度の数と質でブラックカンパニーが落とせるとでも言ってるのですよ。わかります?」


「てめぇ!」


「はぁ……」


 そいつがため息を吐くと、一瞬で背後を取られていた。


 体が動かない。


 後から激痛が走る。


 ビチビチと痛みで体がけいれんする。


「脊髄ぶっこ抜き……あぁ、もう死んでいるか」


 ドチャリと俺は地面に落とされた衝撃で意識を失うのであった。








 俺ことKは正面入り口から飛び出すと、戦闘員や怪人がうようよする敵中ど真ん中に突っ込んだ。


 目に付く敵を殴って蹴って人体を破壊していく。


「ぷげら!?」


「あば!?」


「ぎぇ!?」


 そこら中で断末魔が聞こえてくる。


 空からはイエローとレグレスが電撃を放ったり、ビームが四方八方に飛んでいく。


 ビルの窓が割られ、そこから機関銃や小銃でブラックカンパニーの社員の戦闘員達が援護射撃をしてくる。


 序盤はブラックカンパニーが優勢であったが、カラーコミュニティ側も大型兵器を起動した。


 キュイイイイン 


 けたたましい音と共に光線がブラックカンパニーのビルに直撃するとビルが爆発。


 援護射撃をしてくれていた戦闘員達が一瞬で蒸発した。


『3階から上が消し飛んだ。今の攻撃で戦闘員20名とブリ仮面、オクトパスの2人も死んだ!』


「あれまた撃たれるとまずいんで怪人も戦闘員も前線に投入してください。イエロー聞こえるか」


『はい! 聞こえます!』


「射撃したビーム兵器を破壊してこい! あれを連射されると要らぬ被害が出る」


『わかりました!』


 喋っている間にも敵から奪ったモーニングスターを振り回して、周囲を血祭りにしていく。


「ここから先は」


「行かせないでごわす!」


「A級怪人の横綱兄弟だ!」


「やっちまえ!」


 俺はモーニングスターを高速で投げつけると、射線上に居た雑魚が肉体を破裂させながら飛び散り、相撲兄弟の土手っ腹に大穴を空けて殺す。


 周りに居た雑魚達もモーニングスターが飛んだ時に起こるソニックブームで鼓膜が破れたり、目玉が破裂したりしてもがき苦しんでいる。


「そんな! A級怪人が一撃で!」


「相手は戦闘員だぞ! なんだこの化け物は!」


「うるせぇ、死んでおけ!」


 俺は暴れまわり、既にキルスコアは40を超えていた。











「本社ビルが!」


 争いが起こっていることは街の外れに居た僕でも視認出来ていた。


 Kさんからは危ないから逃げていろと言われたが……皆が戦っているのに僕だけが逃げるのはどうしても納得がいかなかった。


 僕の体は自然と戦場方向に走り出していた。










「アハハハ! 死ねぇ! 死ねぇ!」


 腕部有線式ビットを動かし、ビームを連発しながらスカートからミサイルを発射していく。


 近づく敵にはガトリング砲が待っている。


 既に30人は消し飛ばしたが、生き残っている怪人もちらほら見える。


「死ね死ね死ねぇ……がは!?」


 私の左腕に弾丸が命中し、腕に激痛が走る。


「狙撃! どこから!」


 私が狙撃位置を探知できないでいると、第2射が私を襲った。


「ぐう! 両腕を!? でも! 発射位置は見えた! 消し飛べ!」


 胸部のビーム発射口を向けると極太ビームをスナイパーが居た建物に発射、建物は消し飛ぶ。


「くうぅ! 両腕が持ってかれたが! 再生可能! 高度を取って逃げる!」


 私は雲の中に隠れると止血を直ぐにして再生に入った。


「こちらレグレス、敵の狙撃で負傷。一時戦線を離れます」


『了解。K、レグレスの分まで暴れられるか!』


『今やってます! 体があったまってきたんで大技行きます! 離れてください』


『退避! 退避!』










「ギガンティック……パーンチ!!」


 目の前に居た敵を地面に叩きつけるように拳を俺は振り下ろした。


 すると敵は地面にめり込み、一瞬で肉片と血痕に姿を変えると、殴った衝撃で地面が陥没し、地面に向かったエネルギーが反発してドーム状に爆発する。


 大型の爆弾が爆発したかのように、周囲の物や者を消し飛ばし、巨大なクレーターと排水管が破裂して水が噴き出し始めた。


「今ので30人は消し飛ばしたが……結構まだ残ってるな」


『Kさん! ビームの発射装置を破壊しました!』


「よくやったイエロー!」









 少し時間は遡り、イエローが敵陣を突破して街の端に設置されたビーム装置にたどり着いた。


 人工衛星みたいなのが浮いていた。


「クソ、前線部隊を突破してこっちまでブラックカンパニーの奴が来たか」


「先生お願いします!」


「おうよ!」


 現れたのはメカメカしいロボット怪人であった。


「オルガンミサイル発射!」


 怪人の背中に置かれた発射台から小型ミサイルが次々に発射される。


「総数100発の小型誘導ミサイル。当たればA級怪人だろうと木っ端微塵よ!」


「流石先生!」


「よ! 戦場の女神!」


「よせやい」


 敵がコントみたいなことをしているが、私はリニアシューズの出力を上げて空中で回避を続けるが、ミサイルはどこまでも私を追いかけてくる。


「ハッハッハ! 無駄無駄! どこまでもミサイルは追いかける!」


 私は雷針銃を空中で構えると、ビーム発射台に射撃を行った。


 パス


 発射台に刺さると、私は放電を開始する。


「1億ボルト!!」


 雷と同じ電力の攻撃である。


 バチンと電気が命中し、雷と違い、数秒間に渡り1億ボルトが当たり続けたビーム発射装置は許容電力を大幅に超えて漏電し始め、装置の配線が燃えた。


 すると膨大なエネルギーが集まり、発射装置は光始め、一瞬光の塊になると


 バゴォォォン


 気化爆弾が爆発したかのように周囲に居た怪人もろとも巻き込んで爆発。


 爆風で私は空に吹き飛び、ミサイルも誘導していた怪人が何処かに吹き飛んだので、制御を失い、空中で爆発していった。


「Kさん! ビームの発射装置を破壊しました!」









 僕が戦場に向かって走っていると、空から怪人が落ちてきた。


 メカメカしい怪人だが、中身な肉体があったのか、大量の血が流れている。


 僕はなぜかそれを舐めたいと思ってしまった。


 舐めたところで何が変わるでも無いと思うのに……ぺろり、ぺろりと舐め始める。


 次第に舐めるではなく肉体に噛み付いて血肉を食べ始めた。


 体全体が熱くなる。


 全身に力が漲るのがわかる。


「うぉぉおおお!?」


 食べ終わった僕は2尾に増えた尻尾を揺らしながら二足で戦場に向かって走っていくのだった。

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