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第54話 戦争の始まり

 ある日俺の電話に着信が入った。


『K! K! 聞こえるズラか?』


「ボニートさんじゃないですか……どうしました?」


『カラーコミュニティの採決でブラックカンパニーへの襲撃が決まったズラ。オラやペココ総帥は反対意見を投票したズラが……』


「ちっ! 一応敵対していたからな。ボニートさんは襲撃に参加するのか?」


『いや、理由を付けてバックレるズラ。最悪オラ達も拠点を捨てて逃走するズラよ』


「襲撃日時は?」


『来週の水曜日ズラ。時間までは決まってないズラ』


「それだけ分かれば大丈夫です。最悪ペココ総帥の所に若や戦闘力の低い戦闘員や怪人を避難させるかもしれません」


『わかったズラ。ペココ総帥にも言っておくズラよ。大規模侵攻で数百人規模になる可能性が高いズラ』


「ちっ、わかりました。若に言っておきます」










「カラーコミュニティがカチコミ仕掛けてくるようです。規模は数百名にもなるかと」


 ブラックカンパニーの怪人達が集められ、作戦会議が開かれていた。


「どうします若、抵抗するか逃げるか」


 若は腕を組みながら話し始める。


「逃げてもカラーコミュニティが壊滅するまで追ってを差し向けてくるでしょう。カラーコミュニティに痛い目をみてもらいましょう。ラブプラネットにカラーコミュニティの主要な会社の情報を送りつけて、この際カウンターで壊滅してもらいましょう」


「じゃあ残るメンバーは数百名のカラーコミュニティの戦闘員や怪人の足止めをしなければならないか……街が戦場になるな」


「それは仕方がない。ヒーローにリークしてもこちらが不利になるだけですからね。街に愛着はあるが、ブラックカンパニーが潰れては仕方がない」


 若は今の拠点を捨てる選択をした。


「次の拠点だが……私の別荘を一時的に使う。山奥の避難場所だが、博士の予備の研究施設もある。博士にはロボットと共に先に避難してもらい設備点検をしていて欲しい」


「わかりました」


「首脳部だが俺はペココ総帥の所にお世話になる。バニーは博士と共に別荘に避難していてくれ。これで最悪の事態になってもどちらかは生き残れる」


「わかりました兄さん」


「タイガーは俺に付いてきてくれ。戦力としては微妙だからな」


「わかりました。命に変えても若を守りましょう」


「六姉はバニーと一緒に別荘に避難してくれ」


「はい!」


「残りのメンバー……戦闘員を含めて全員残す。最悪戦闘員は全員損切りするくらいの覚悟でいろ……作戦指揮はテレキマンお前がやれ」


「わかりました」


「K、久しぶり全力で暴れて良いぞ。全員殺してしまえ」


「わかりました」


「では基地機能を別荘に移す。仕事は今週は不自然が無いように入れておく。来週からはキャンセルを入れる」


「はい」


「忙しくなるぞ。各自準備を始めろ。武器弾薬の調達もだ」


「「「は!」」」










「というわけだ。ここら一帯は戦場になる」


「ぼ、僕はどうなるっすか!」


「逃げて良いぞ。戦力にならないし、戦場で庇う余裕も無い。かといって現状のお前を養う事は本拠地が壊滅したら会社も余裕が無くなるからなぁ……」


「そ、そんなぁ! この状態で放り出されたら死んじゃうっすよ」


「わかったわかった泣くな超」


 街全体が戦場になるし、別荘やペココ総帥側に逃げるメンバーに超は選ばれてなかった。


 会社からしたら損切り対象なのだろう。


「とりあえず襲撃予定日は社宅から逃げておけ。逃げ切れれば数日後に必ず俺が迎えに来てやるから……そうだな……公園あるだろ。そこに迎えに行くから隠れてやり過ごせ」


「……わかったっす。必ず来てほしいっす!」


「約束だ」


「約束っすよ!」










 襲撃予定の前日。


「よしっと」


 俺は超に猫用のリュックを背負わせた。


「1週間分の食料とスマホが入っている。青だと目立つから毛を犬っぽく染めたが、見る人が見れば狐ってわかるからな。見つからないようにしろよ」


「わかったっす……Kさん負けないでほしいっす!」


「おう、生きてまた会おうぜ」


 俺は部屋の扉を開けると、超は部屋から飛び出して走り去っていった。


「生き残れよ超」


 俺は扉を閉めて、明日に備えるのであった。









 会社の中はいつもと様子が変わっていた。


 皆が過ごす休憩室からはテレビが無くなり、事務室には書類やシュレッター、コピー機やパソコンが全て別荘の方に移動されていた。


 戦闘員達も戦闘服やマスクを被り、各々武器を握って各所で待機していた。


 研究室にはいつもはロボット達が働いていたり、待遇改善のデモ活動をしているのだが、今日は戦闘用のロボットを除いて居なくなっている。


 トレーニングルームのマシン等も運べるだけ運んで、超のフリスビー発射機くらいしか残ってなかった。


 六姉さんが避難したため、社員食堂も封鎖。


 俺達は買い食いすることを強いられていた。


「いつもなら美味しい食事を食べられるのに……今日もコンビニ弁当かー」


「い、いつ襲ってくるか分からなくて緊張する……」


 弁当を食べるレグレスに、緊張で食事が喉を通らないイエロー。


「勝てるよなK」


「何人生き残ってるかは保証しかねますがね」


 俺とテレキは最後の調整をしていた。


 そして5分後、博士が残してくれたワープ探知装置にワープのエネルギー反応を探知した。


「よし、戦闘配置に着け!」


 テレキの号令で戦争が始まる。

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