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第49話 紛争地帯の仕事

「おじさんと2人での依頼ですか?」


 ある日私ことレグレスは若さんからKおじさんと2人での依頼を任されることになった。


「正直厳しい依頼だ。拘束時間も長いし、死亡するリスクも高い。ただ今後の付き合いを考えると依頼を受けておきたいんだ」


「なるほど……依頼内容を見ても? というよりおじさんは受けるの?」


「Kは受けることを即決している。後はレグレス次第だ」


 依頼の内容を私が見ると、とある紛争地帯で、敵が怪人を運用しているため、こちらも怪人もしくは怪人を倒せる人物を募集するとのこと。


 目標は敵が占領している鉱山の奪取。


「怪人の仕事というより傭兵の仕事ですね」


「まぁ偶にこんな依頼も来るからな。ヒーローが大量に来る事も無いから安全っちゃあ安全な仕事でもある」


「私行きます」


「じゃあ頼んだ。明日からだから頑張ってくれ」









 というわけで翌日、戦場に到着した私とKおじさんはアフリカのとある国に飛んでいた。


「よぉジグ将軍元気か」


『お、来たかK! 待ってたぜ! それに怪人の嬢ちゃんも連絡通り強そうな見た目じゃねぇか!』


「Kさん知り合い?」


「前に一緒に仕事をしたジグ将軍だ。将軍って言うが、そんなに偉くは無い」


『おいおい聞こえてるぞ。まぁ確かに階級だと大尉ぐらいだがな』


「なんで将軍?」


『上の階級の奴らは政府側の人間だからな! 反政府組織で一番階級が高かったのが俺だったからな!』


「というわけだ。何年小競り合いしてるんだよ」


『もう5年くらいか? 互いに決定力不足ってやつだが、いよいよ政府側の生命線である鉱山に攻め込む準備が出来た。Kと怪人の嬢ちゃんには敵の怪人が出てきた時の対処と援軍の阻止をして欲しい』


「わかった。レグレス、お前援軍の対処やれ、俺は鉱山に突入する」


「わかったわ」


『詳細の地図と敵の配置予想だ。一応頭に叩き込んでくれ』


「サンキュー」


 結構軽いノリで作戦会議が行われ、1日部隊の人達と一緒に過ごすことが出来た。


 食事は美味しいとは言い難い豆のスープと硬いパンだったが、怪人というのを物珍しそうに見られ、色々質問をされた。


 こういう場所に来てみて初めて日本って思ったよりも治安が良いんだなぁと感じてしまう。


 こんな場所だからヒーローが育つ土壌も無いし、ヒーローではなく強化歩兵とかそういう言われ方をするらしい。


 兵器に関してもトラックに機関銃を乗っけたテクニカルトラックだったり安価で信頼性の高い小銃や、中には鉄パイプを改造した爆弾があったりと少々……いや、だいぶ戦力に不安がある。


「Kさん、これで政府軍に勝てるんですか? 正直言って武器の質は日本の自衛隊と比べても3世代以上劣る可能性……というよりブラックカンパニーが全力を出したら制圧出来る程度の戦力なのに……」


「発展途上国の紛争や内戦なんてこんなもんだ。政府側の装備もこっちとどっこいどっこいだぞ」


「契約金支払えるんですかねぇ? 彼ら」


「まぁジグ将軍は今まで不履行は無かったからな。今回もしっかり支払ってくれるだろう」


 というわけでテントで眠っていると、夜中にサイレンが鳴った。


「敵襲! 敵襲!」


 簡易ベッドから飛び起きた私は敵のいる位置をKさんから報告を受けて見ると、ヘリコプターが3台と戦車に歩兵が随伴しているこちらに近づいてきていたが、ずいぶんと古そうな戦車である。


 そもそも現代戦車やヘリコプターだったら目視で見える位置ではなく、もっと遠くから攻撃を仕掛けてくるので、敵の練度が悪いのか、夜間装備が無いかのどちらかである。


「レグレス全部叩き壊せ」


「はい!」


 私は浮上すると腹部と胸部のビームを発射する。


 するとヘリコプターに命中していき、空中で爆発しながら墜落し、骨董品の様な戦車(T-34)はスカートの下からから発射口を広げると、いつもは小指サイズのミサイルだが、足位の大きさのミサイルを3本発射することが出来た。


 それが白い煙を噴き出しながら飛んでいき、暗視ゴーグルになることがわかっていた視界を調整しながらミサイルを誘導し、戦車に当てていく。


 装甲を貫通して爆発すると戦車内の弾薬に誘爆して砲塔が吹き飛んでいく。


 一瞬で3台のヘリコプターと5台の戦車を破壊して地上に戻る。


「お疲れさん」


「確かに味方の兵器より質は良いけど、あんまし変わらないわね」


「ちゃっかりエースになったな。二つ名でも付けるか?」


「辞めてよ恥ずかしい。というか戦場に行くって言うからもっと激しい塹壕戦を想定していたけど……思ったよりも楽ね」


「だろ?」


 Kおじさんと話し終えると、味方の兵士達が歌い出して私を褒め称えた。


 これはこれで気分が良い。


 女神やヒーローと言われてこそばゆい。


 そんなんで翌日、鉱山の襲撃が始まったが、Kさんが坑道内で小銃片手に突撃して、敵の怪人もろとも一瞬で制圧。


 私もまた政府側が戦車や装甲車、トラックなどが突っ込んできたが、ビームを放ちながら倒していく。


「うーん、この無双ゲーム感……嫌いじゃないわ!」


 そりゃ戦車等の地上兵器に対して小型ジオ◯グが宇宙空間の様に重力を無視して暴れ回れば的あてゲーム感覚で戦車、装甲車、トラックは爆散していく。


「でも歩兵を倒すのが厄介……ビームでいちいち倒すの効率が悪い……ん?」


 私の脇腹が少しむず痒く感じ、引っ掻いて見ると、両脇腹からガトリング砲が生えてきた。


 イメージ脇腹から船にあるような小型のCIWSという兵器と白いレーダー装着が生えてきた感じ。


 脇腹に力を入れてみるどドガガガガとけたたましい音と共に弾丸が発射されて敵兵をなぎ倒していく。


「博士が言っていた成長ってこんな感じか……いや手のひらからマジックアームが出る成長はしていたけど」


 対歩兵に対して弾幕を張ることが出来た私は、地上の歩兵に対して銃撃を行っていく。


 守りの要の戦車が破壊され、銃で迎撃しようにも高速で動き回って狙いが付けられず、狙っているとガトリング砲で攻撃される。


 たまったものではないと政府側の援軍は逃げ出してしまった。


「これでよし!」


 鉱山に戻ってみると、投降した捕虜達が結構な数捕まっており、次々に捕獲銃でカプセルに収容されていた。


『いやぁKも強かったが怪人の嬢ちゃんも滅茶苦茶強かったね! 遠目からも戦車が次々に爆発したのは爽快だった!』


 ジグ将軍も大興奮で依頼完了の書類とお金を支払って私達の仕事は終わるのだった。




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