第46話 ブラック2との会話
レグから黒木に会ったと聞かされた。
で、レグは連絡を取り合って数日後に闇市場で会うらしい。
僕も行かないかと言われ、仕事休みだし、部屋で暇しているならと行くことにした。
と言っても僕は黒木について名前は知っているが、同じクラスじゃなかったので関わりが浅い。
レグとは同じクラスだったらしいが……。
そう考えるとレグも最初は同じ学校出身かつ成績がどっこいというくらいしか知っている情報は無かったなと思った。
今じゃ一緒に宅飲みする仲であるが……。
そして若にワープベルトの使用許可をもらって、レグと一緒に闇市場の喫茶店に入った。
「やっほー黒木」
「えっと前沼よね……ヤバい、姿変わりすぎて頭が混乱する……ん? 見たことある顔ね」
「同じ学年だった藤原っす。今は戦闘員Fって呼ばれてるっす」
「そう……私は今ブラック2って呼ばれてるからそう呼んで」
「「わかったわ」っす!」
席に座ると早速メニューを見る。
僕とレグはメロンクリームソーダー、ブラック2はコーヒーを注文する。
「久しぶりの再会に」
「乾杯」
レグが洒落た事を言い出し、ブラック2がそれに乗っかる。
「レグとFはどんな会社に就職したの?」
「ブラックカンパニーっていう人材派遣会社ね。怪人や戦闘員を色々な現場に派遣するわ」
「あぁーだからグレーサーモンさんの所に居たのね」
「そうそう。ブラック2はどんな会社だっけ?」
「闇市場にあるキングスーパー。地下7階まである巨大スーパーあるでしょ。あそこの従業員よ」
「あ、私度々お世話になってる。特に業務用の酒類安いし、外れが少ないから好きよ!」
「その年でアル中かよ……度数高いの多いから気をつけなさいよ」
「大丈夫、直ぐに酔が覚めるから~」
「学生時代そんな感じじゃなかったでしょ」
「レグの学生時代ってどんな感じだったっすか?」
「ん? レグの学生の頃……ザ·メスガキって感じだったわ。男子をからかって変に勘違いした子も居たわね」
「面白かったなぁ〜社会に出て大人も勘違いさせて貢がせようと思ったけど……」
「その様子だとできなかったのね」
「社会は甘くなかったわ……」
「ただ裏では必死に努力していたのを女子達は知っていたから、女子からは反感は少なかったけど。まぁ成績は普通よりやや悪いくらいだったわね」
「なかなかトップ層と比べると劣等生で……ブラック2は逆にクラスのマドンナって感じでクール系美人として男子達をいとめていたじゃない」
「学校でモテても仕方がないじゃない。卒業したらバラバラの進路になって会うことも出来なくなるし、会社の関係で恋愛は難しいのが悪の組織サイドの常でしょ。馬鹿は告って来たけど」
「成績も常にトップ10、才色兼備の優等生……キングスーパーも大手企業だけどもっと大きな会社にブラック2なら入れたんじゃないの?」
「私は安全を取ったのよ。キングスーパーの従業員なら警備員以外は戦闘に駆り出される事が無いからね。給料も中々良いわよ」
「へぇ~」
「レグやFの方はどうなのかしら? 人材派遣ってことは戦闘のある場所にも派遣されるのでしょ?」
「そりゃまぁ……」
「前には銀行強盗に駆り出されたりもしたっす」
「危ないわね……命があっての生活よ」
「ブラック2と違って劣等生は進路選択の幅が限られているのよ」
「僕も似たような感じっす。詳しくは言えないっすが当たりの会社だったっす」
「へぇー」
ブラック2はコービーを飲みながら別のことも聞いてくる。
「レグ、怪人にどれくらいでなったねよ」
「入社して4ヶ月くらいね。滅茶苦茶早かったわ」
「怪人になる才能は高かったのね。羨ましいわ」
「キングスーパーでは怪人化はしないの?」
「3年勤務で怪人化ね。で、人間姿の3年間や怪人にならない事を選択した人は各所の仕入れ担当。内勤になるには3年間働かないといけないの」
「それはそれで大変そうね」
「全くよ……毎日あっちこっち飛び回るし、仕入れの契約もしないといけないから大変よ……まぁ命に関わる事は無いから一長一短だけど」
「他のクラスメイトとかはどうなってるか知らない?」
「ラブプラネットに行った柳田って男子が居たでしょ? たまたま会って戦闘員名聞いていたけど、今表でアイドルやってるわよ」
「え? アイドルやってるの!?」
「まぁ顔は良かったからね。そのうち表のテレビで出てくるんじゃないかしら? 芸名は柳田じゃなくて柳だったけど」
「そうなんだ……」
「他の人は知らないわ。戦闘員でくたばったクラスメイトも多分いるでしょうし……恵まれたわねレグ」
「まぁ滅茶苦茶運が良かったのはある。しっかり教育受けさせてくれているし」
「そう」
ブラック2も顔が良いのでラブプラネットじゃなくても芸能系の会社に行けばアイドルとしてやれたのではないかと僕は思うが……。
そのまま情報交換を行って今回は解散となるのだった。
「楽しかったわ」
「こちらこそ。Fも早く怪人に成れると良いわね」
「頑張るっす!」
「じゃあキングスーパーをご贔屓にっと」
ブラック2が割引券をくれるのだった。