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第4話 売却!ヒーロー少女達

「バニーさん、散歩してたら辻ヒーローから襲撃受けたんだけどセキュリティ大丈夫なの?」


「ええ、またですか? 今年3件目……うーんどんな感じに言ってましたか?」


「ブラックカンパニーかって聞かれて攻撃されたぞ。俺の顔割れた?」


「それは無いんじゃない? ただブラックカンパニーの場所が割れる何かがあったんだと思うけど……」


 うーむ、わからん。


 内通者でも居るのか? 



「内通者路線は?」


「いや、無いと思うわ。戦闘員はバラしたら死ぬし、Kはこれまでの功績で解除されてるけど襲われた側でしょ……怪人系の人物が町歩いた時にバレたかもしれないね……でもなんで戦闘員ってわかったのか」


「私の方で調査しておくのと戦闘員の単独外出は控えるように言わないといけないわね……戦ったヒーローはどうしたの? 殺した?」


「いや、捕まえた。場所もそのヒーローのアパートの部屋で交戦したから……ごめんつけられたみたい」


「え?」


 パリンと窓ガラスが割れて弾丸が事務所に飛び込んできた。


 俺めがけて飛んできた弾丸を俺は手で掴む。


「スナイパー!」


 俺は弾丸をバニーに投げるとバニーは弾丸を思いっきり蹴り飛ばした。


 弾丸は発射点の近くに着弾する。


「撃ってくるか……?」


「移動したみたい……追撃いける?」


「行くわ」









「おいおいお前のハッキングで悪の組織見つけたけどアイスフラワーが簡単に捕まるし、俺の狙撃も効かねえ! どうするんだよ!」


 ビルの屋上を移動しながら2人の少女が話し合う。


「でもでもブラックカンパニーだよ! 悪の組織でそこそこの地位に居るやつだよ! 倒せれば懸賞金がっぽりだよ!」


「でも倒せないんじゃしょうがないじゃん!」


 言い合いをしている最中に目の前にいきなり男(K)が現れた。


「追いつかれた!」


「ファイヤーガン!」


「まかせろ!」


 拳銃を抜いた少女は目の前の男に発砲するが、男は弾丸を避けてしまう。


「あ、当たらない!」


「ええい!」


 もう一人の少女が近くに転がっていた配管を抜き取って、配管で殴りかかってくる。


 男はそれを右手で掴むと配管を奪い取り、逆に配管を叩きつける。


 少女が屋上のコンクリートにめり込み、動けなくなる。


「なるほどね。この子が会社のデータをハッキングして抜いたのね……そりゃバレるわ」


 伸びている少女を女……バニーが触る。


「まったく、焦ったぜ……会社がヒーローネットワークにバレたかと思ったが、下っ端の暴走で助かったぜ」


 男……Kが拳銃を扱っていた少女の首を絞め上げると、泡を吹いて気絶してしまった。


 伸びた少女のスマホをバニーが触ると情報が出てくる。


「アイスフラワー、ファイヤーガン、イエローハッカーの3人組の新米ヒーローっぽいわ。ヒーローランクはC……功績と組織からの報奨金目当ての犯行っぽいわね」


 Kが少女達を捕縛銃に当てて捕縛していく。


「功を焦って突っ込んでそのまま捕まるってヒーローの質も落ちたか?」


「まぁこの子達まだ中学生でしょ? ヒーローになった万能感で、実力以上の相手に挑むは結構普通よ」


「どうする? 3人捕まえたが」


「闇娼館に売っぱらっていいでしょう。まったく、ビルのガラスって結構高いのよ……」









 捕まえたヒーロー達を会社が取引している闇娼館に持って行く。


「あら、久しぶりねブラックカンパニーのK君じゃない。何抱きに来たの? 安くしておくわよ」


「俺の精子が欲しいだけだろオママさんよ」


 闇娼館を経営しているオネエのママさん……通称オママ。


 捕まえられたヒーローだったり美人や美少女で戦闘員や怪人の適性が無かったり、洗脳の効きが悪かったりするとここらへんのエリアはここに女性を卸す事が多々ある。


 そこで改造を受けて怪人や怪人の適性が高い人の子供を産む機械にされたり、人格を排出させられて、新しい人格を入れられて怪人達の妻にされたり……最悪生体ユニットに改造されることもある。


「オママ、今日は買取だ。ヒーローのガキ3人捕獲してきた」


「あらあら流石K君ね。今買い取るわね」


 俺は捕獲銃からカプセルを取り出し、オママに渡す。


 オママは慣れた手付きでカプセルを機械に乗せて中身を確認する。


「あらやだ、かわいい系に男っぽい子、芋っぽい子とそれぞれ特色があって良いじゃない。そうねぇ……ヒーローってことも加味して1人500万でどう?」


「俺は良いけどオママ採算採れるのか?」


「ヒーローの才能があるから戦闘員の母体として需要があるし、顔が良いから人格抜けば活用方法は色々あるわよ。2年でペイ出来るし、この年齢なら20年は運用出来るわ」


「本当物みたいだな」


「商品だからね。大切に扱うわよ」


 横を見るとなんか球体が売られていた。


「この球体はなんだ?」


「ああこれ? 一般人の人格の残りカスを集めた物よ。人の一部を食べないといけないデメリットのある怪人が買っていくわね。食べるらしいわよ」


「人格抜く時尻から排出されるじゃん……よく食べられるな」


「排泄物とはまた別だし精神の塊だから美味しいらしいわよ」


「俺は食いたくないな」


「普通の感性なら食べないほうが良いわよ」


 俺は金をそのまま事務所に転送してもらい、闇娼館から出るのだった。










 若に今回の事を報告し、該当者は売り飛ばし、裏が無いことを確認した。


「対応費で10万出しておく。ヒーローが消えた裏工作費で500万は飛ぶなぁ……」


「若後は頼みますわ」


「おう、お疲れだったな。じゃあ明日から新人達を頼むわ」


 そう言われて事務所の隣の社宅に戻り、残り物で鍋を作り、テレビを付けてニュースを見る。


『ヒーロー協会による事件解決数が過去最多を更新し、ヒーローによる事件への介入速度が称賛される一方で、悪の組織の活動が例年よりも活発化しており市民への警戒を呼びかけています』


『小学生のなりたい職業ランキングが公開され、2位の動画配信者に圧倒的な差を付けてヒーローが1位を獲得。ヒーロー協会もヒーロー育成学校の新規開校を増やし、若年ヒーローを抑制して、一流たるA級ヒーローを増やそうとしております』


『超人化薬絶賛発売中!』


「ヒーローになるための超人化薬が普通に売り出されてるってやべぇ世の中になったな。まぁ100倍希薄だから毎日飲んで3年位でようやく凄い力を手に入れられるらしいが……そんなの売るから若年ヒーローが減らねぇんだよ」


 そう愚痴りながらチャンネルを変える。


『勇気りんりんピーチエール! 貴方の心を奪っちゃうぞ!』


「ピーチエールもう25歳なのによくやるよ……若年ヒーローからベテランになった時にキャラ変できないとこうなるのか……」


 ベテランヒーローピーチエール……勇気を原動力に力を増やし、敵を殲滅するヒーロー。


 悪の組織側では撲殺姫という蔑称で言われているが、絶望的な状況でも折れない、負けない、へこたれないで勇気を倍増させて襲ってくるので、普通に怖い。


「結婚して寿退職してくれねぇかな……」


 寝っ転がりながらテレビを消して、食べた鍋を片付け、風呂に入って体を洗い、眠りにつく。


「明日から新人教育か、頑張らね〜とな」


 俺は電気を消すのだった。





---

 用語解説


 ·悪の組織共通捕獲銃


 重さ520グラムで先端が丸い球体で灰色の玩具の銃に見える。


 トリガーを引くと光線が発射され、光線に当たると肉体を縮小されてカプセルの中に入れられてしまう。


 銃の中で保管される人数は5人まで。


 カプセルはだいたい錠剤程度の大きさで、うっすら灰色になっている。


 ただ相手の意思が強い状態だと抵抗することが可能で、ヒーローに使うと気絶していたり、負傷していたりする場合を除いてレジストされてしまう。

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