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第39話 動き出す恋心

「はい、今日はお疲れー、戦闘になったけど圧倒できたから良かったな。明日は仕事入れないから今夜はゆっくり休んどけ」


 Kおじさんに言われて、今日は解散となった。


「イエロー、ちょっと反省会やりたいから付き合って」


「わかりました。Fは誘います?」


「いや、ちょっとFは1人にさせた方が良いと思うから今回は2人で……この前缶酎ハイ買ったからそれ飲みながら話そうよ」


「良いですね! お供します」


 私とイエローは、私の部屋に移動するのだった。










「シッシッ!」


 パンパンと僕はサンドバッグに拳を打ち込んでいた。


「やってるな」


「お疲れ様っす! Kさん!」


 仕事に行っていたKさんが帰ってきた。


「どうだったっすか? 今日は簡単な警備依頼って聞いていたっすが」


「ああ、ヒーロー10人に襲われた」


「……は?」


「A級1人、B級5人、C級4人のヒーローに襲われたが、返り討ちにしてきた」


「イエローとレグレスは」


「戦ったよ……というか殆どレグレスが倒した」


「そう……っすか……」


 はぁっと、僕は座り込んでしまう。


 こうしている間にも2人はどんどん先に行くからなぁ……。


「まぁ焦るなよ。ちゃんとFは進歩しているんだから」


「そうっすけど……」


 2人がこちらに来ないのは僕に気を使ってだろう。


「サンドバッグ打ち込むのも飽きるだろう。ミット打ちでもやるか。打ち込んでこい」


「はい!」


 僕は終業時間までミット打ちを手伝ってもらうのだった。










「今日はお疲れ様でした。乾杯」


「乾杯」


 缶酎ハイを空けて乾杯をする。


「ビームの精度が悪かった……これに尽きるなぁ」


「でも今日一番倒していたのはレグじゃん。反省すべきは私だよ。銃を使うか触れないと倒せないんだもん」


「でもやれることは多いじゃない電気ってさ。電撃を放出するだけじゃなくて電磁波を操るってのもできるんでしょ?」


「まぁ……電気を応用した様々な事が出来るって博士には言われてるけど……」


「私の場合ロボットだから身体が成長? 改造? しないと発展が難しいってのもあるけど……あぁ~精度を上げないとなぁ!」


「明確に改善点が決まっているだけ良いんじゃない?」


「それはそうだけど……後はやっぱりA級ヒーローはビームもミサイルが効かなかったなぁ……おじさん(K)が居たから対処できたけど」


「私も電撃が効かなかったヒーローが出てきた時の対処が難しいんだよなぁ……」


「「はぁ……」」


 枝豆をつまみながら会話を続ける。


「私もレグも格下相手には無双出来るけど相性が悪いと何も出来なく成るのが……」


「苦手な相手の倒し方か……怪人になってからの方が戦い方は色々考えている気がするわ」


「戦い方か……怪人マッチに登録するのはどうなんだろう。リングの上とは言え戦闘経験積めそうだけど」


「怪人マッチねぇ……でも怪人になったからには色々な仕事やらないといけないよね」


「色々な仕事かぁ……まぁ若がある程度は適材適所をするだろうけど……」


 枝豆が無くなったので冷凍ピザをオーブンレンジで焼き始め、ピザをテーブルに並べる。


「というかKさんが本当に強すぎる」


「銀行強盗の時もそうだけどおじさん強すぎるよね。なんであんなに強いんだろう。壁ぶち破って怪人達をバッタバッタと倒すのかっこよかったな〜」


「今日も一番強いヒーローを見極めて一瞬で制圧していたもんね。硬そうな甲羅を粉砕していたし……」


 私は拳を前に突き出す真似をしながら。


「高速パンチに蹴りもそうだけど強いよね〜おじさん見ていると最初は嫌な人かな~って思ってたけど、今は頼りになる大人って感じがする」


「確かに〜なんだろう下腹部が熱くなる感覚が偶にあるんだけど」


「イエローそれっておじさんを男として意識してるってことだよ」


「男? ……どういうこと?」


 私はそう言えばイエロー小卒のまだ13歳だったことを思い出す。


「イエローは好きな男の子とか孤児院に居なかった?」


「うーん……居なかったなー」


「じゃぁ初恋ってやつだ!」


「え? これが恋なの?」


「この人を好きって思ったらそれが恋だよ」


「ええ!? そうなんだ! 私Kさんをそういう風に見てたんだ!」


「まぁその思いはまだ留めておいた方が良いよ。今の感じだと頼りになる近しい大人がおじさんだけだから、学校の先生に恋してしまう感じに似てるから……その気持ちが冷めなかったら本物だけどね」


「そうなんだ……これが恋なんだ……」


「初々しい! 私もまだそこまで経験ある感じじゃないけど! どこら辺が気に入ったのおじさんのところ!」


「強くて格好いい所と……くたびれた感じが大人の渋みみたいな感じもするし……なんだかんだ私達をみてくれるし……」


「良いじゃん良いじゃん! 他には?」


「家庭的だよね……料理上手いし、体の筋肉も凄い魅力的だし……あれ? Kさんって凄い優良物件なのでは?」


「聞いていたら私もそう思ってきた……」


「レグも狙うのKさんを?」


「別に私達日本の法律に縛られないから一夫一妻じゃなくて一夫多妻でも許されるよね」


「……ねぇレグ」


「ねぇイエロー……」


「2人で狙わない?」


「狙っちゃうか! ……でももっとこの気持ちが本当なのか固めてからだけど」


「私女子力も磨こ!」


「良いねぇ……ガンガン磨こう!」


 こうして私とイエローは2人で同盟を結ぶのだった。

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