第132話 スパダリ系イケメンの戦闘員AとF(次世代)
「悪徳の奴、前から計画していたな」
日本政府では外務大臣だった現樺太共和国大統領の悪徳の行為に衝撃を受けていた。
「要注意人物や内戦後には戦犯としてガス抜きに使うために見逃されていた政治犯の面々も樺太に脱出……迂闊に手出しできなかったか」
「厄介ですが、樺太共和国からは即座に食料と燃料の供給がありました。貿易としていますが悪の組織の面々から奪った武器や生産力を失った企業の誘致を条件にしていますので他国に比べたらこちらに有利な条件になっています」
「卵子提供を無理やりしているため、現在の政府に不信感を抱いている富裕層もおります。絞れるだけ絞ったら、樺太に渡しても良いでしょう」
「戦犯が食料と燃料を産み出してくれるのです。ありがたいことにね」
樺太から送られてくる食料と燃料は僅かながら地獄の内戦を繰り広げている政府にとってありがたい支援であった。
「樺太政府は内戦後はロシアとの緩衝国にするも良し、潰して日本復興の象徴にするも良し……使えるだけ使ってあとはボロ雑巾の様に捨ててしまいましょう」
「それが良い。所詮の元から居た人口を加味しても10万人程度。1000万人規模になっている人造ヒーローでも使えない者を処分するのに丁度いいでしょう」
ブラックカンパニーの知らないところで日本政府は将来的な樺太侵攻を計画するのだった。
「はぁ、リーダーあーし達確かに性格は悪いかもしれないけど毎日毎日ハウニブだっけ? 漁船の製造やその周辺機材の製造って、もっとこう有り余るパワーを使いたいんですけど〜」
「「「そうだそうだ!」」」
「黙れ、性格が悪いなら変える努力をしなさい。貴方達が他人を下に見る言動を繰り返しているから他の部門と合流できないの。頭の良い貴方達なら分かるでしょ」
「でも雑魚な戦闘員や怪人達に指図されたくないんですけど……というかリーダーもちょっと強いからって偉そうに」
「あたし達にも個室じゃなくて怪人だから一軒家に住まわせて欲しいし、職業選択の自由があっても良いと思うんですけど〜」
「「「そうだそうだ!」」」
「そういうところよ。というか貴方達が周りと協調しないようなら待遇は改善しません。それよりも組織に悪影響を及ぼすなら普通に殺処分が良い? 粛清するわよ」
「粛清はちょっと……」
「ちょっと強いからって図に乗らない。真面目に仕事してたらちゃんと評価するんだから頑張りなさい」
「「「は〜い」」」
「あとHo25、ちょっと」
「わ、私ですか? なんでしょう」
リーダーの私が25番を個室に呼び出し
「貴方は他と違って真面目にやってるからレグレス母さんに言ってハウニブの船員にしてあげるからもっと周りとの関係をよく見て上に立つ立場に上がってきなさい。そうすれば名前が与えられるかもしれないわよ」
「ほ、本当! リーダー嘘じゃないよね」
「嘘じゃないわよ。明日からは漁業班に合流しなさい」
「わかりました! ありがとうございます!」
1日の姉妹のメスガキ共と口論しまくりのHo33ことリーダーはレグレスと日報を書く作業をしていた。
「お疲れリーダー」
「レグレス母さん……もう嫌なんですけどあんなクソガキ共のお守り」
「まぁまぁ、よく耐えていると思うけど、もう少ししたら超とイエローの子供も合流して支えてくれる予定だから」
「あのクソガキ共をまとめられるんですか?」
「いやなかなかの器を持っているよ。今は教育隊でミズチに見てもらってるけど凄いよ」
「何が凄いんだが……」
「まぁ数日すれば分かるよ」
超とイエローの息子がカプセルから産まれ、怪人適性率100%であるが、母親達の意向で戦闘員からSTARTさせた。
それぞれイエローの息子は戦闘員A、超の息子は戦闘員Fと両親の戦闘員の名前を継承し、ミズチの元で教育を受けていた。
「ミズチさん、こちらの戦闘員の教育は終わりました。僕らもトレーニングしてきても良いですか!」
「そうだね。重力ベルトを付けて10倍で頑張りなさい」
「「はい!」」
2人共に真面目で機転が利き、明るく、顔もイケメンとモテる要素が詰め込まれており、アイドルになりうる存在として見られていた。
イエローの息子戦闘員Aは金髪でチャラそうな感じで、タレ目に右目泣きぼくろが特徴であった。
超の息子の戦闘員Fは青髪をオールバックにして、デコを見せている髪型に、つり目で鼻が高く、キツネっぽいイメージがあった。
「A! 今日も頑張ろうね」
「うん! Fも頑張ろう!」
2人が居るだけで爽やかな空間を醸し出しており、周りに居た戦闘員の女子達も爽やか空間にキマシタワーと喜ばれていた。
というか、周りの人達からは王子様的な感じで見られており、話しかけられた女性陣達からはキュンキュンされていた。
戦闘員として下積みしたおかげで周りの戦闘員達からの評価も良く、約1ヶ月ミズチの補佐役として教育を施してからメスガキの巣窟に放り込まれた。
するとどうなるか……スパダリ系イケメンで話してみると凄い優しく自身を肯定してくれるのでメスガキのメス部分が凄まじく刺激された結果、2人に好かれたいという思いから自分磨きに勤しむHo達が続出。
女子校に理想の王子様を投入するとどうなるか……一気にモラルが崩れていた女子の巣窟からお嬢様学校くらいまで一気に人間的に成長し、メスガキから立派なレディに2ヶ月足らずで補整してしまったのである。
そうなるとレディに成長すれば周りとの軋轢も産まなくなるわけで、他の職場に回されるHoメンバーが続出し、性格が良くなれば良い性格の人が周りに集まってくるわけでリーダーの様な良く出来た人物が多く増え、結果ブラックカンパニーに不足していた中間管理職を埋める存在に昇華されるのであった。
なおHo達にとって自分を変えてくれた王子様が戦闘員AとFなのでいつの間にか崇拝の対象になっており、Ho達からは自分達を導いてくれる存在と思われるに至るのだった。