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第106話 樺太制圧

「何! それは本当か! シックス」


『ケケ、核兵器が投入されるかもしれないと情報を言ったらバニーさんが掌握して起爆するように……』


「チッ! 絶対に面倒くさい事になるぞ……」


 俺は舌打ちをしながらも計画をなるべく早く終わらせなければ報復の核投射が行われるかもしれないと感じた。


「クリネ、街の住民の捕獲はどうなってる」


「現在80%が完了しています。一部の住宅や銀行では戦闘員が略奪に勤しんでいますが……」


「そんな暇は無い! こちらK、ロシア軍に軍事侵攻がバレた可能性が高い、計画を早める。住民の捕獲を急ぎ完了し、今日の夜には海軍基地への侵攻を開始する!」


 俺はそう現地部隊に命令すると、テレキに連絡を繋いだ。


『こちらテレキマン』


「Kだ。予定を繰り上げて今日中に海軍基地に侵攻する。侵攻時刻は21時より」


『まだこちら60%しか市街地の占領が進んでいませんが』


「急がせろ。バニーが先制の核攻撃をしてしまった。混乱している今日中に決着を着ける」


『バニーさん……最近ミスが目立ちますが……』


「仕方がない。というかそう言うバニーの早計な行動を止めるのが博士の役割なのに……あいつらマジで後でお仕置きするわ」


『……わかりました。なるべく急がせます。海軍基地周辺の街が一番大きいんですよね』


「ああ、南樺太の人口の殆どがそこに集中している。恐らく6万人近くが住んでいるハズだ」


『了解』


 通信が切れ、現場を鼓舞して急がせるのであった。








「何とか間に合ったな」


 夜の21時に海軍基地のある街に合流した俺達とテレキ率いる本隊は街がまだ停電から復旧していないのを確認し、シックスに言って海軍基地の復旧した通信をジャックして中の様子を探る。


「どうやら住民は海軍基地に移動して暖を取ってるらしいな」


「こちらの街までは天候操作が出来なかったので、日中の暖かい時間に避難が完了していたかと」


「なるほど……全体に連絡、基地機能が回復している海軍基地は他の基地と違い苦戦が強いられると思われる。最悪民間人を盾に使っても良い、怪人部隊が武器庫と司令部を強襲し、首脳部を麻痺させる。もう一踏ん張りだ、やり切るぞ」


 通信を切り替え、怪人達を集結させると、早速ピクモンが素早く正門の衛兵を無力化し、正門を開門する。


 バグという小型兵器を操るレグレスとテレキが一気に基地司令部に強襲を仕掛ける。


 司令部がある建物が爆発したのを合図に基地になだれ込み、武器庫の前に居た兵士達を捕獲もしくは殺害して武器庫を制圧するが、中の武器が殆ど持ち出されていた。


「ちっ! 既に持ち出された後か!」


 つまり兵士が小火器を携帯していることを意味し、戦闘員達では要らぬ死者が出てしまう可能性が高かった。


「怪人部隊! 兵士は優先して処分しろ! 繰り返す兵士を優先して処分しろ!」


 俺の命令が届くと基地の各所で銃声が響き渡った。








「クソッたれ! 銃が効かねえ!」


「う、うわぁぁぁ!」


 怪人達はKの指示に従い、基地内の兵士達を次々に倒していっていた。


 バチバチバチと電撃がフロアを駆け巡り、そのフロアの通路や部屋の中に居た兵士達が一瞬で黒焦げに変わる。


「相変わらず電気は強力っすね! イエロー」


「超ごめん、平気だった?」


「ダメージは無いっすよ。それに僕以外にこの建物は怪人は居ないっす」


「あー、じゃあ超に任せていい? 氷漬けで終わりに出来るでしょ? 私だと1フロア毎に回って放電しないといけないし」


「了解っす!」


 私は放電によりフレームが歪んで開かなくなった窓を叩き割って外に出ると、リニアシューズを起動して空中浮遊をする。


 一応超が居る建物を氷漬けするから他の怪人は避難するようにと伝えた1分後に、私が先ほど居た建物は巨大な氷柱へと姿を変えた。


「ひゅー、流石超……前よりも威力上がってるじゃん……となると私もやらないとか」


 私はKさんに許可を取って軍艦への攻撃を開始した。


「軍艦は軍事技術の塊だからなるべく人員含めて確保したいって言ってたもんね」


 軍艦でを守る兵士達が居るが、鉄板を使ったガードににより銃弾を弾いていく。


 一応体に致命傷にはならないが、私だと小銃の弾丸が当たると小石が当たるみたいに普通に痛い。


 なので金属のドアを盾にしながら進んでいく。


「な! この船にも化け物が!」


「レディに化け物は酷いな!」


 私は素早く捕獲銃を放つと、銃を構えていた兵士達は次々にカプセルに収納されていく。


「軍人って言ってもこの程度か……いや日本のヒーロー達が異常なのかな?」


 私は駆逐艦の船内を次々に制圧していき、制圧を終えると次の駆逐艦や潜水艦に飛び移って制圧していくのであった。









 戦闘員達は避難しなかった住民を捕獲銃で捕獲していく作業を繰り返していた。


「や! 来ないで!」


「ママ! ママ!」


「うわぁぁぁ!」


 街の各所で悲鳴が上がるが、徐々に声がしなくなっていく。


「どれぐらい捕獲した?」


「ざっと30人」


「俺40人だわ」


 そんな事を戦闘員達が話していると、Kからの報告が聞こえてくる。


『基地の兵士の処分が終わった。基地内に避難した住民の捕獲作戦を開始せよ』


 待ってましたとばかりに戦闘員達は基地になだれ込むのであった。








 俺達が基地に侵入して3時間ほどで基地の無力化に成功し、今は逃げ惑っている住民達を次々に捕獲していく作業に入った。


 博士が各捕獲銃のカプセルの信号を読み取り、捕獲数が9万5000人に達し、基地に避難していた住民の捕獲をあらかた終え、俺達は急ぎ基地を後にした。


 イエローなんかは電磁力により駆逐艦2隻、潜水艦3隻を持ち上げてブラックカンパニーのオハ基地近くの港まで持っていき、超が船体を氷で閉じ込めて動かないように固定した。


 その他航空基地や陸軍基地に立ち寄り、ワープ装着で航空兵器や戦車、車両等を次々にオハ基地周辺の土地にワープさせていく。


 もぬけの殻になった基地は放置し、とりあえず朝になる前に樺太の制圧は完了し、ブラックカンパニーは大量の壊れた兵器に船舶、そして約9万5000人もの人員を確保することに成功するのであった。


「さあここからが大変だぞ……」


 俺が言うようにこれから始まる事後処理が大変なのであった。


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