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第103話 モノワンとジオツーの身請け

 雪がまだまだ降り積もる3月……ロボット製造ラインが拡充し、日産10台から200台まで増えていた。


 計画では1000台まで増やしたかったが、日本内戦の影響で資材の輸入に闇市場を頼る必要があり、その闇市場も日本内戦という大規模な戦闘行為により値段が高騰し、予算をオーバーしても資材が集まらない状態が続いていた。


 なので資材リソースを有効的に扱うために博士とナンバーズは話し合いをし、優先順位を1に武器、2にインフラ、3に食料、4に医療、5に産業と割り振り、武器や人格の補正を行う施設の拡充を最優先とした。


 博士達の懇願で侵略開始を6月に延長して貰い、残りの2ヶ月半を設備拡充に充てていく。








「うん! これは良い」


「だろ〜! 僕は天才だからね!」


 1号がレグレスに試作型バグを操作してもらうが、感度は良好。


 ビーム銃の代わりにレーザーポインターが取り付けられていたが、それでも自由自在に動かすことが出来た。


 試作型バグ4機は時速200キロで動き回り、隊列を組みながら障害物を華麗に避けていく。


 レグレスの脳波に沿って動かすことが出来ているし、視野を共有する機能で、レグレスの脳が混乱しない様に調整されながら4機のバグが別々の目標を攻撃する。


「でもこれ私だから18機動かせるとおもうけど、他の人だと数機が限界じゃない?」


 レグレスが指摘した通り、テレキマンも予定では18機動かせるとされていたが、実際は腕の数と同じ6機の試作バグを動かすのが限界であった。


 サイキックパワーがあれど、並列処理能力に優れていなければ大量に動かすことができないと判明したのだ。


「わかっている。そのため補助AIを用いた指針の簡略化や自動化を進めている。うーんコンセプトは良かったと思うんだが……あんまり活躍出来ないか?」


「実戦投入するまでは分からないでしょ。私的には私という本体と同等の火力を3カ所に分散させられるから普通に強いわよ」


「そうだよね! そうだよね! あとはイエローの武器を作らないと!」


「どんな武器を作るのよ」


「耳のドリル? みたいなのが毎回千切れるレールガンだけど、それを手持ち兵器にする。そうすれば連射も出来るからね」


「なるほど」


 レグレスだけでなく、他の怪人達のサポートアイテムの製作を1号が行っていた。


 例えば戦闘員達を空中から侵入させられるようなフライトシステムというランドセルの様なジェットパックを背負うと空を自由に飛べるような兵器も開発していた。


「でもこれらで軍事施設を制圧出来るの?」


「正直どれだけ早く武器庫を制圧できるかにかかっている。なるべく今後を見据えると無傷で鹵獲したいが、それで被害が大きくなっても仕方がないからね。レグレスの活躍次第じゃないか?」


「全く、煽てても何も出来ないわよ」


 着々と軍事施設侵攻の準備が進めらるのであった。










「ふう! 帰ってきたぞ!」


「フッフッフ、いやぁ長い4ヶ月でしたね」


 怪人マッチで戦っていたワンとジオツーの2人も軍事施設襲撃1ヶ月前の4月中旬には帰還し、着々に準備が進められた。


 2人は4ヶ月の怪人マッチ期間で12億ドルを稼ぎ、6億ドル会社に納めていた。


 Kがブラックカンパニーの運営に忙殺されていた為に、2人がブラックカンパニーの稼ぎ頭であった。


 そのため2人には広い家が会社から与えられたのである。


「うっひょー! 社宅の10倍はありそうな豪邸だ!」


 ワンは与えられた家に入るとまず20畳近くある部屋が5つに自分だけのトレーニングルーム、ジャグジー付きの広い風呂場、乾燥機では無く部屋ごと乾燥室になっている部屋に大きなドラム式洗濯機、トイレも1階と2階に1つずつ……それにキングベッドも備え付けてあり、至れり尽くせりであった。


 それだけ会社への貢献が認められたということである。


 自宅の確認が終わったワンとジオツーはオママの所に行き、100ドル札を100枚……帯を2つ渡す。


「ちゃんとキープしていたわよ。25番と37番の子ね! 会社には身請けしたことの報告を忘れないようにしなさいよ」


「あ、あのオママ……他の子も身請けしても良いの?」


「勿論問題ないわ。ただ10人、20人引き抜かれるとこっちも困るから、1年で身請けは4人までよ」


「2番の子も身請けしたいんだけど」


「僕は15番の子……」


「あら! 一気に2人も身請けとは大胆ね! 良いわ。お金は持ってる?」


 ワンとジオツーはドル束を更に2つ渡す。


「確かに! もし子供が出来た場合は早めに私に報告しなさい。母体から摘出してカプセルで培養するからね。勿論母体で育てたいなら別だけど」


「「わかりました!」」


「よろしい。じゃあ連れてくるわね」


 こうしてワンとジオツーは気に入った嬢を身請けして妻にし、家庭に入ってもらうのであった。


 一般的な怪人達の結婚事情そのものである。

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